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パンデミック~美味しいパンでお腹いっぱい~  作者: 礼生 治暁
第一章 マーブル、それは世界の主食
3/39

恐怖!感染する〇〇

この物語は「パン」を麦がない世界で再現しようと頑張る元前田・現レイルズの奮闘記です。

書いている本人が忘れそうになります。

 「レーイールーズゥー。」

 おや?遠くからおじじの声が。

ここに向かってくるみたいだけど、私はただ今作業中なので手が離せません。


 『錬金術』の『分離』でアルコールを抜いてもいいけど、スキル無しでも作れる様意識しておかないと。

店で売る時に私しか作れないのでは問題だし。


アルコール飛ばした果実酒を、熱を加えて溶かしたマーブルに混ぜ砂糖を少々。

幼児の手で一掴みなので10g位かな?


味見して程よい甘さに調整。

スープ皿に移して『放熱』、『調理』で綺麗に切り分けるっと。


試作品2号完成―。

蓋をして隠しとこう



「ここに居ったか」

おじじ到着、どうしたんだろう。

「なんちゅうもんを食わせてくれたんや、なんちゅうもんを…。」

おいぃ、どこの富豪かっ、おじじお前もかっ、なんで関西弁かっ。

あ、結構大きな商会のご隠居だから富豪かも。

功夫足りた、幼児頑張った。


ドヤ顔決めてたらおじじがすごい勢いで迫ってくる。

え、なにがまずったかな。

ちゃんと一緒に花茶も持たせたのに。

ちなみに花茶、これは薔薇茶などと同じで花そのものを使用している。


「お口に合いませんでしたか、それともお茶との組み合わせが悪かったのでしょうか?」

「そんなことではない。いや、美味しく頂いた。お茶とも良く合っていたが。そんな事ではないのだ。」

はて、皆目見当がつかない。

「持ってきて貰ったものはレイルズが作ったというのは本当か?」

「はい、手伝っては貰いましたが、僕が作りました。」


やばい、スキル使ったのばれたか?

でも、ビエンだってスキル自体は持っていたよね。

幼い内は使ったらダメとかなのだろうか。

ん~、わからん。まだまだ一般常識足りないな。

まさか美味しいから駄目って事は無いだろう。美味しいは正義、とは言わないけど美味しければ雲丹でも蛸でも蜂の子でも食べますよ。


「なぜこの様な物を作ろうと考えた。」

「いえ、最初からそれを作ろうとは考えていませんでした。それが出来たのは偶然です。」

「そうなのか?」

おじじはビエンに目を向ける。

「確か、ぼっちゃまは『失敗しちゃった。』と、申しておりました。」

「意図して出来た訳ではないのか…。これで全部か?他には無いのか?」


おじじは何を気にしているんだろう。

困惑しながら答えていく。

「他に有るのはマーブルが溶ける前の状態の物ですが、こちらに。」

8等分した物の残りを持ってくる。

「これは、マーブルにジャムを塗った物だな、これが溶けてさっきの物になったのか。」

「はい、一番下の段はジャムを塗って、二段目は刻んだ果物を三段目はジャムを塗って、その上にカットした果物で飾り付けるつもりでした。」


そういえばと、

「窯がどうこうとか、言ってもおりましたな。」

それは思い出さなくていい。

「レイ、怒らないから全部言いなさい。」

いや、もうすでに顔が起こってらっしゃいますよ。

「マーブルを切ってジャムを塗って食べることがありますよね。バランスが悪いといいますか、マーブルの量に対してジャムが足りないんです。」


日本で食べていたコッペパンのジャムサンド。

あれはふわふわのパンに挟んでいるからあの量でもジャムの味がするのだ。

対してマーブルはもちもちした物がみっちり詰まっている。

ジャムサンドを知っている私にはジャムが足りないのだ。

ジャムサンドが7:3だとしたらマーブルサンドは9:1くらいだ。

「バランス、甘さが足りぬという事か。」

「はい、甘さを増すと共に果物を入れ酸味を足し、焼けば美味しくなるのではと思いまして。」

「まて、そこでなぜ焼く。焼いたら溶けてしまうだろう、病人以外では溶けたマーブルなど口にはせんぞ。」

ほうほう、スープみたいにして食べるのかな?お粥みたいなものかな。


「焼くと溶ける物だとは知らなかった物で。」

「そういえばレイは風邪などひいたことがなかったな。」

『毒無効』あるし、『洗浄』で衛生的にもしていた。

寒い時は『温風』とかで部屋温めてたし、乾燥してたら『温水』を霧状にしてぶっぱなしてました。

「健康は大事です、でないと食事が美味しくありません。」


「まぁ、よかろう。これは試作品だといったな、奉納品はこれではないのか。」

うぅ~ん、どうしよう。第二弾出しちゃう?いやいや、それはまだ早計だ。

「その試作品では下に沈んだ果物が焦げてしまって、少し苦味が混じってしまったのです。なので、果物を使わずに作れないかと考えています。また、溶けてしまうのであればその状態で型枠に流し込み、綺麗な形になる様にしたいのです。」

「すみません、ぼっちゃまそのお話をする前にこちらに来てしまったもので…。」

そういえば、さほど時間を置かずに来たな。

「型枠?通常の型枠とは建築などで使う物だぞ。」


あれ~?建築用語っだったっけかな。

液状の物を流し込んで成形するから型枠と言ったけど違うのかな。

知識しか残っていない前世の私、功夫が足りないよ。

近くにあったおぼんを取り出しつつ、説明する。

「これくらいの大きさでいいので横に2列、縦に12列でしょうか。手に摘める程度の大きさにしたいのです。」

また、おじじの顔が険しくなってる。

「木材がいいのか?それとも金属か?」

「出来れば銅以外の金属で、無ければ木材でも構いません。」

明後日だけを考えるなら木材でも構わない。

今後ずっと使うようになるなら金属の方が長持ちするだろう。


「銅以外とは?」

「用途として、、冷まし固めます。銅は保温性の高い金属ですので、出来れば銅は避けたいですね。」

なんか喋り過ぎてる気がするな。

でも仕方がない、必要な事だから。

中途半端な物を手に入れても後で困るよりはましだ。

私は死ぬまでに成さねばならぬ事があるのだから。


「わかった。ビエン、聞いていたな。執務室に行って金貨一枚までの証紙を持って、使えそうな物があったら屋敷に持ってくる様に依頼してくれ。出来るなら今日のうちにだ。」

矢次早に指示を出すおじじ隠居してこれなのだからすごいものだ。

それに応えられるビエンもビエンだが。

「レイ、試作品の残りはそこにあるだけか?」

今度はこっちに来た。

「はい、残りはこの7切れです。」

「…あのかぶせている蓋の下には何もないのだな?」

バレテーラ


黙って、おじじの前に蓋をかぶせた試作品2号を差し出す。

おじじも黙って目で指示してくるので、諦めて蓋を上げる。

「試作品2号です。ジャム・果物を使わずに果実酒と砂糖を混ぜてあります。」


滝が二本出来た。

あ、虹が出てるよ。綺麗だなぁってそんな訳あるかっ。

この現象はアレですね。はい鑑定―。


 ルインズ・シックフィクト(47)

 格位:17

 体力:15

 力 :11

 賢さ:23

 魔力:2

 速度:8

 器用:10

 運気:3(2+1)

 状態:通常

所持スキル

 算術3・剣術1・槍術1

備考

 ヨダレ神の祝福

 シックフィクト商会元会頭


パーンデミックッ

感染拡大だよ分っていたけど『ヨダレ神の祝福』だよおかしいよね?こんなにポンポン祝福ってつくものなの?呪いじゃないの?しかも原因は私の作ったマーブル料理っぽいよ私のせいかな私のせいだよね今なら引きこもりの気持ちが分かる現実が辛い異世界パないっすわっ


「切ってありますのでヨロシケレバアジミヲドウゾ。」

ぱくぱくもしゃもしゃ

「「〇いう~」」

「お前らは『でぶや』かっ。〇塚・パ〇イヤなのかっ。二人組だからかっ!」


ふたりの間に立ち、両手を使って左右にツッコミもちろんブースト付き。

思ったんだ、この一連の状況で突っ込めるのは私しかいないって。

ちょっとキレが悪いな、功夫足りない。




お読み頂き有難うございます。

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