不登校登校
クウは、いつものようにいや久しぶりに学校に登校するためにアスファルトの地面を歩いていた。よく晴れた日のことだった。心地よい風が吹いていた。
歩いていくと当然のことながら学校へ着いた。クウは、心配していた、久しぶりにきたクウのことをクラスのみんなはどう思うか。クウには分からなかった。だが、そんな事をいくら考えていても始まらない。教室に到着した、ドアを開けると当たり前だかクラスの人達がいた、入って行っても誰もクウを気に止めることはなかった。クウは、少し寂しくなった。
「おはよーう。」
不意に声がしたので、見るとハナだった。ハナは、今日は髪を結んでいた。なんだか、新鮮だった。
クウは、小さな声で挨拶をした。周りに聞かれるのが嫌だったのか。
「おはよう。」
「声小さぁ!!」
クウは、どこにびっくりしてんだよと思ったが、めんどくさいので口では言わなかった。
「いやーぁ、久しぶりに誰かとしゃべったからね。」
「昨日、私としゃべったじゃん。忘れたの?」
「そうだっけ?」
「とぼけちゃって。ヒドッ!!」
クウは、ハナをいち早くからかってやりたいと思っていたから、ハナと話を始めると早速いじり始めた いじりもほどほどにすると、昨日クウをハナが助けると言った件で話があった。ほんとはこんな話をしたくない。だが、一歩を踏み出すために必要だった。
ハナと誰もいない廊下に移動して、誰もいないかと周りを見て話は始まった。
「で、昨日件だけど……」
言葉言いかけたのは、ハナだった。何を言うのか、言ってくれるのか、少しいやものすごく恐怖があった。
「クウを助ける方法は」
ハナは、少し間をおいてしゃべってきた。
「友達をつくることだよ。」
ハナは、自信満々そうな笑顔で言ってきた。クウは、なにいってんのこいつという感じだったが、ハナはそれには全く気づいていなかった。
「はい!?」
「言葉の意味分からなかった?」
「いや、俺を助けるのにどうして友達を作るんだよ。俺は小一かよ。」
クウは、変なツッコミを入れて後々後悔したが、なぜ友達を作るのか分からなかった。
「クウは、友達のよさを知らないんじゃない?」
「あっうん……。だって、俺ぼっちだから。」
一瞬、時が止まったようになって空気が悪かった。
「ごめん。そんな意味で言ったんじゃないの。」
「大丈夫、わかってるよ。」
クウは、この空気をなんとかしたかったが、よくする方法が思い付かない。それは、ハナも同じようだった。
ハナは、話を始めた。
「クウ、友達はとても便りになるよ。友達がいれば不思議と学校に来たくなるよ。だがら、友達を作らない?」
クウは、やっと分かったようだった。ハナは、クウのために色々と考えてこの答えが出たんだと、ハナの出した答えがどうだろうとかまわない。ハナの出した答えをクウは、ただ必死にやるだけだ。
「ありがとう。ハナが俺のために考えて出したその答え、やるよ。」
「そう。」
ハナは、返事は短かったが、なんだか嬉しそうだった。
「で、どうやって友達を作るの?」
クウは、友達を作り方が分からなかった。だから、ハナに聞いてみた。
「私は、普通に私の思ったことを言ったり、相手の話を聞いているうちに友達になっていたよ。」
「俺には無理があるな。」
「人には、人のやり方があるよ。」
ハナが必死にクウを励ましているのがわかる。余計にクウは、落ち込んでしまった。
チャイムが鳴った、クウとハナは早くしないとホームルームに間に合わないと思い、走って教室まで行った。幸い、先生はまだ来ていなかった。クウは、安堵した。
先生が来て、ホームルームが終わるとハナは、クウに話しかけた。
「ねぇ、放課後私の友達に会いに行かない?」
「なんで?」
「その子もクウと同じで友達が少ないの。だから、友達になれると思うの。」
「わかった。」
クウは、承諾した。いつまでも、否定ばかりでは行けないと思い、せっかくのハナのチャンスを無駄にするわけにはいかなかった。
「よかった。放課後だからね。忘れないでね。」
「子供じゃないから、忘れないよ。」
チャイムが鳴り、授業の時間になった。休んでいたせいで全然授業内容について行くことが出来なかった。当然の報いかと思っていたら、ハナがノートをとっていてくれた。
「よかったら、どうぞ。」
「ありがとう。」
クウは、そう言ってハナからノートを受けとると黙々とノートに書き写した。とても分かりやすかった。さすがは、ハナだと思った。
今日はなんとかハナのおかげで助かった。
ありがとうという思いしかなかった。そして、放課後がやって来た。
ハナから教室で待っててといわれていたので、クウは、ハナが来るのを待っていた。
クウは、待っているのが退屈で眠くなってきた時だった、ガラリと教室のドアがあき、ハナがあらわれていきなり言った。
「クウ、おまたせ。早速行こーう。」
元気よく言ってきた。なぜ、こんなに元気なのかはクウには分からなかった。これから会うやつが更に気になった。