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主人公を目指して  作者: 小豆
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泣き虫主人公

クウは、一人で学校を後にして帰って来た。クウは、何を考えていたのかは分からなかった。

クウは、家にかえってきた、誰もいない寂しい家に。

クウは、やりかけのゲームを再開した、少しプレーをしたところでゲーム機を壁に投げ捨てしまった。画面にはひびが入っていた。


「くそぁ。」


大きな声で叫んだ。


「くそ、くそ、くそ、くそ、くそ、くそ、くそ、くそ、くそ。」


今度は小さい声で何回も何回も言った。

クウは、どすればいいのかも分からなかった。クウは、もう何もしたくなかった。

数時間後、クウはいつの間にか寝てしまっていたことに気がつく、生きていれば腹がへってしまう。クウも例外ではない。あんパンを見つけ、食べて寝た。

次の日、クウは学校を休んだ。また、次の日も休んだ。それを何回も繰り返した。もうクウは、立派な引きこもりだった。

クウは、寝ていた。夕方辺りに目を覚ました。起きたと同時にチャイムが鳴った。新聞かなにかかと思ったが、それは違った。ドアを開けるとそこには、ハナが立っていた。


「なっ。」


クウは、いきなりのことで声を出すことができなかった。


「いつまで、休む気?」


「どうでもいいだろ。」


「そうだね。私、プリント届けにきただけだから。」


とても、悲しそうなでそう言ってきたハナのことを気にも止めずにクウは、心にもないことを言ってしまった。


「そうだよ。だから、もう俺に関わるな。」


「うん。分かった……。」


ハナは以外にもあっさり承諾してしまった。クウは、正直後悔をしてしまった。ほんとは、ハナとはかかわり合いたいという気持ちはあった。が、ほんとのことは言うことができなかった。


「でも、辛くなったら言って。」


クウは、今ものすごく思った。すぐにでも助けてって言って助けて貰いたい。でも、その言葉は出て来なかった。

ハナは持ってきたプリントをクウに渡した。


「ありがとう。」


「それじゃ。」


ハナは帰ってしまう。今、言わないとクウはもう助けてって言うことができないと思った。クウは、自分自身に助けてってハナに言えと命令するが、言うことを体は聞いてくれない。これで、なにもかも終わりなのだとクウは、思った。今、クウがどんな顔なんかはクウ自身には分からなかった。

帰ろうと後ろを向いたハナは、前を向きものすごい怒りを感じた。クウにハナは、言った。


「無理に決まってんじゃん。そんな顔をしてる人を助けないことなんて、出来ないよ。」


「何をいってんだよ。俺は、俺は……。」


言葉を言うことが出来ない。


「クウが助けてって言わなくても、私はクウを助ける。」


「俺はそんな事頼んでない。」


「頼まれないとやっちゃいけないの?」


クウは、ハナの問いには答えることができなかった。それは、もしかしたらハナにはわかっていた。


「クウ。私は、クウの友達だよ。辛いなら辛いって言ってよ。絶対助けるから。だから、助けてって言え。」


クウはハナのベタなセリフを聞いた。ベタだと分かっているのに、瞳はとても熱かった。最後のセリフは乱暴過ぎてビックリしたが、すぐにどうでもよくなった。


「たすげて。づらい。」


子供のように泣きながら言った。ハナはクウの背中をさすってくれた。クウの言葉は乱れていた。

クウは、玄関にた折れ込んで泣いていた。まるで、子供のように泣いていた。いや、赤子だろうか。


「やっと言ったね。助けるよ、絶対。」


ハナの言葉からは強い覚悟を感じた。


「これじゃ、どっちが男か分からないよ。」


恥ずかしそうにクウは言った。ハナは笑いながら返してきた。


「男も女も関係ないよ。困っていたら助けるよ、だから私が困ったら助けてね。クウ。」


「あぁ。ありがとう。分かったよ、ハナ。」


クウはただハナに感謝しかできなかった。

クウはハナに助けてを求めたことによってなんだか、少し楽になっような気になった。

とても小さいが希望を持つことがハナのおかげでできた。


「で、どうやって俺を助けてくれるの?」


「考え中です。」


「おい、頼りないな。」


クウは、口ではそう言ったが実際はハナのことをとても信用していた。この世界で、一番信用しているかもしれない。

話が一段落したところで、ハナは帰ろうとした時、クウは一つ疑問をもった。


「そういえば、どうやって俺んち知ったの?あっ先生から聞いた?」


「知りたい?」


「知りたい。」


「もう。しょうがないなぁ。実は、私の友達にパソコンが得意な子がいるの。」


わるがきのような笑顔でクウに言ってきた。


「それ、得意なレベル越えてるよ。」


「そうかも。」


そう言うと、クウとハナで笑いあった。クウは、久しぶりに笑ったようだった。

クウは、ハナに明日から学校に行くことを約束した。


「一緒に学校行ってあげようか?」


ハナはそう言ってきたが、クウは「いや、大丈夫。」と言いクウとハナは明日学校で会うことを楽しみに別れた。

クウは、学校に行くことに楽しみと恐怖の矛盾の感情を抱いているが、一人でもクウを待っているならクウは安心して学校に行けるだろう。

明日はどうなるのか。

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