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主人公を目指して  作者: 小豆
3/7

逃げ虫の主人公

とことことクウは、学校という下らない所にやって来た。今日は、クウが嫌な体育だった。何が嫌かと言うとペアを作ることだった。クウはペアを作ろうとするといつも一人余ってしまう。まだ、余るのはまだいい。体育の先生がどこかのペアにてきとうに入れるのが嫌なのだ、クウがペアに入るとなんだかみんな雰囲気が悪くなってしまうような気がした。気がするのではなくそうなのだ。だから、クウはいつも理由をつけて休んでいた。

今日もクウは理由をつけて体育を休もうとしていた。

いつものように、教室にきて、いつものように席に座った。


「あっ体操着忘れた、どうしよー。」


不意に声がしたので、隣を見てみた。

ハナが困っていた、凄い焦っていた。そんなハナを見たのはクウは初めてだった。当たり前の話だか。


「今日の体育は見学かぁ~………、一人だけ見学とか最悪。」


「安心しろ。俺も見学だ。」


クウは自信満々にハナに言うとハナは呆れた顔して言ってきた。


「何も安心出来ないよ。てか、クウも体操着忘れたの?」


「いーや、持ってきたよ。でも、色々とあって休むよ。」


「なんだサボりか、いけないんだ。」


「誰もサボりって言ってないでしよ。」


「顔がそう言ってるよ。」


ハナに言われてしまい、クウはギクリとした。それもばれたのかハナは少し笑顔だった。正直、何度もくどいようだが、可愛かった。

クウは話が変わっているのを思いだし、ハナは体操着を忘れたことを忘れているようにクウは見えた。


「で、体操着どうすの?」


「仕方ないから、今日は見学。」


クウはこの朝の時間が楽しかった、いつまでもしていてもいいと思ったが、そうはいかなかった。

ガラリと教室のドアがあき、見ると先生が来た。先生が来たということは、朝読書の時間だ。

クウは、最近はまっているラノベを読み朝読書の時間が終わるのを待った。

今日の体育は三時間目だった。体育館で、整列の仕方などぼっちのクウにはできないようなことをする。正直、だるかった。

朝読書の時間が終わり先生の連絡が終わって、普通に授業をして、体育の時間がやって来た。こんなくてもいいのにと、クウは思っていた。まぁ、見学だからいいんだが。

体育館で今日は体育をするので、体育館に移動した。体育館は古くて所々、傷があった。よく、アニメとかでありそうなところだった。


「ほんと、ダルいなぁ。」


などと、独り言を言って、体育の先生を探した。見学をさせてもらうために……。ハナも探していた。

今日は男女一緒に授業をやるようだった。だから、クウはハナと一緒に体育の先生を探した。クウには嬉しくない、男の先生たが。

体育の先生を見つけ、見学することを言うと気合のこもった言葉が帰って来た。


「今日は、体操着を忘れてしまったので、見学させてください。」


「ハナと同じく。」


「お前たち、気合が足りないのではないか。元気を出せば気合がでる、気合が出れば何でもできる。まぁ、今日は見学してろ。」


クウには最初何を言っているのか、分からなかったが、最後はわかった。見学してもいいと許可をもらえたから、茶色くてボロいステージで、見学させて貰うことにした。

ステージの上に座って、授業が始まるとのを待った。待っていると、だんだん眠くなり寝てしまった。居眠りをしてしまった。

クウは気持ちよく寝ていると肩をさすられて、起きた。寝ぼけて、一瞬どこか分からなかった。

すぐに体育館だと分かったクウは、起こしたハナを見た。


「また、居眠りしてる。後で困るよ。」


「体育の授業だから、大丈夫。」


なぜか、自信満々に答えた。

冗談混じりの会話をしていたが、ハナの表情が変わり何かを言おうとしていた。


「クウ、もうこんなことはやめよ。」


「ザボリか?次からは、ちゃんと授業出るよ。」


「ウウン。違うよ、逃げることをやめよ。」


「別に、逃げてないよ。何でそう思うの?」


「だって、クウ。先生に見学したいって言った時、何かから逃げたような顔だったよ。」


言い当てられたくないことを言い当てられ、感情が込み上げてきて、つい言ってはならないことを言ってしまった。もう取り返しがつかない。


「お前、五月蝿いんだよ。少し顔が良いからって調子のってんじやねえよ。そんなに俺を見下して楽しみたいか。」


ハナはすごく困惑していた、どうしたらいいかわからないような顔だった。


「違うよ。私は、クウの助けになりたいの?」


「お前、マジでキモいよ。はっきり言って迷惑だよ。」


クウはもう止まることができなかった。どうしようもなかった。

ハナは、涙ぐみながら言ってきた。


「ごめん。迷惑だよね、でも、逃げちゃダメだよ。逃げたって何も変わらないから。」


クウの怒りは沸点まで、達して腹から思い切り声を出してしまった。


「うるせんだよーーー。なんで、お前なんかに言われなくちゃなんねんだよ。」


声を出したら、授業をやっていたクラスのみんながクウを見ていた。よく見ると、ハナは涙をこぼしていた。

クウは、どうしようかと思っていた時に先生がいってきた。


「おい、授業中だ。静かにしろ。」


怒られたことで、クウは我にかえり周りを見てみると、みんながこちらをにらんでいるように思えた。


「すいません。俺、具合が悪いんで早退します。」


クウは、そう言うと一人で急いで学校を後にした。

家に帰る道中は辺りがとて暗いように、見えた。

今のクウは、自分に絶望していた。


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