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主人公を目指して  作者: 小豆
2/7

ぼっちの主人公

クウは、家に帰ってくると自分の部屋に入って、ベッドの上に横たわった。今日は、初めて人とラインを交換した、しかも女子と。いままで、ぼっちだった、クウには新鮮だった。今日は色々と疲れたのか、寝てしまった。

カーカーと鳴き声が聞こえ、目を覚ましてみると窓の外は赤色に染まっていた。もう、こんな時間なのかと思い、下に降りていきご飯を食べようとする、母と父は仕事でいないので、クウはカップラーメンを見つけ、食べた。

部屋に戻るとスマホにラインが届いていた。親から来たのかとスマホを見るとハナから届いていた。


「なんだ。」


一言呟いて、スマホを見ると こんな内容だった。


『いきなりでごめん。明日の持ち物わかる?』


こんなラインがきていたが、クウは居眠りをしていたから、何も知らなかった。逆にこっちが聞きたかった。


『ごめん。おれもわからない。』


返信してからすぐに返信が帰って来た。


『ウウン。大丈夫、ありがとう。』


かわいい、犬のスタンプもついてきた。クウは、初めて親以外とラインをしてみて、なんだか不思議な気持ちだった。

翌朝、いつもより、早く起きて学校へ行く準備をして、学校へ向かって行った。

教室に入ると数人の男女がもう、席について話していた。

クウは、席についてスマホのゲームをしていた、クウには友達がいないからこの教室にいる、男女と話すことができなかった。自分から話しかける勇気が、なかった。


「おはよう。なんか、暗いね。」


元気な声で挨拶してきたのは、ハナだった。なんだか、親しげに話しかけてきた。


「暗いのは、生まれつきだよ。」


「暗い時こそ、笑顔だよ。」


「笑顔かぁー。しばらく、笑顔になってないな、

そういえば。」


ハナは嘘でしょという顔していた。


「じゃあ、私が笑顔にしてあげるよ。」


クウには、まるで天使がクウに微笑んでいるように見えた。


「笑顔にしてあげるって、面白いこと言うね。」


「本気だよ。もう、バカにしているでしょ。もういい……。」


クウは、ハナを怒らせてしまったらしい。なぜ、怒ってしまったのか分からなかった。それから、なんだか気まずくなってしまい隣を代えてもらいたかった。

一時間目はホームルームだった。自己紹介をすることになった。面白い自己紹介をする人もいたが、クウはいたって普通の自己紹介だった。それは、ハナも同じことだった。たが、一時間目が終わるとハナの回りには人が集まって来ていた。クウとは全く違っていた。


「ねぇ、ライン交換しない?」


「こんど、遊びに行かない。」


「このバックかわいい。」


など、色々話していた。もう、仲良くなっていた。クウには、誰も話しかけようとしなかった。

ただ机の上に手をおき、黒板を見ていた。

そのあとは、普通の授業やっていった。お昼は一人でご飯を食べていた。クウだけが。ハナは、たくさんの女子とお昼を、共にしていた。

お昼のあとは、普通の授業をやり、掃除をやった。帰ろうとすると、先生が入ってきて行った。


「みんな、ごめん。提出物出してもらうの忘れていた。」


先生は急いで教室にやって来て、みんなから提出物を集めようとしていた。クウは居眠りをしていて、聞いていなかったから、出すのを忘れていた。何を出すのかもわからない。


「では、雑巾と軍手を出してください。」


クウは、忘れてきたことを謝りに行こうとすると、ハナが話しかけてきた。


「クウ、軍手と雑巾無いでしょ。よかったら、あげるよ。」


「えっ。」


クウは、意味が分からなかった。なんで、クウのためにわざわざ雑巾と軍手を用意しているのかと。ましてや、朝怒らせてしまったのに。


「ほら、きのう、ラインでクウに聞いたでしょ。クウに聞いても分からなかったから、先生に電話して聞いたの。」


「いや、そうじゃなくて、なんで俺の分もあるの?」


「えっと、知らないということは持ってきてないと思ったから。」


ハナはクウに雑巾と軍手を渡してきて、「ありがとう。」と言いハナから受け取って先生に渡した。

クウは、帰る準備をして、教室を出ようと立ち上がった時にハナに話しかけた。


「わざわざ、先生に電話したんなら、ラインで教えて方が早かったんじゃない?」


「あっ、うっかりしていた。」


「もしかて、天然なの?」


「そうかも。」


ハナは笑いながらそう言って、クウにかわいい笑顔を見せて来た。それにつられて、クウも笑ってしまった。


「ほら、笑顔になった。」


「うん。朝は、怒らせてごめん。」


「いや。私が勝手なことを言った、私がわるかったよ。」


クウはハナに謝った、無事解決した。


「じゃあ、帰るね。バイバイクウ。」


「じゃあな、ハナ。」


ハナはそう言って、帰っていった。クウは、一人教室に残って、夕日を眺めていた。何を思っていたか、誰にも分からなかった。

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