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転生者の孫  作者: タカ
7/14

夜明け

少し短いです。

「おい!はよ起きんか!タスク!」

「タスク!」


じいさんとカーナの声が聞こえる。。

声に目を覚ますと俺は宿屋にいた。


カーナは俺が目覚めたことに気が付くと泣いて笑った。


じいさんによれば、俺はあれから3日間眠ったままだったらしい。身体はどうやら治ったみたいだ。


カーナはケルベロスを倒して力尽きた俺をリュックに入れてここまで運んだらしい。

正直、俺は自分を過信していた。命を脅かすような存在がいるとは思いもしなかった。


「地界か。。。。」


タスクは小さく呟くとじいさんに尋ねる。


「じいさん、アイツは門番だったんだよな?なら、もっと強いやつもいるのか?」


じいさんは笑いながら答える


「あぁ、やべぇのがいるだろうなw」


「タスクよりやべぇのが沢山いたらヤバいよねwww」


カーナが笑いながら答える


ん?いや、まてよ。タスクは違和感を覚える。


「カーナ、、もしかしてさ。」


「聞こえてるよwおじいちゃんの声♪」


「!!!!!!!!!!!」


驚愕するタスクにカーナは右腕に増えている腕輪を見せる。


「馬神の腕輪か!?」


「街に戻るまでの道で拾ったんだよ♪」


カーナはドヤ顔だ。


「馬神の力は【音】だからな!ワシの声を聞けたのはびっくりだったがおかげでカーナたんと話せるわいww」


呑気な二人にタスクは呆れながら話す。


「あのな、ラーニャとロドスがいなくなった時点で俺たちは完全にお尋ね者だろ。門番は見てたはずだしな!物資の調達も終わったことだしとりあえずこの街から出ないとな、まぁあと思いついたんだけど。。」


タスクの作戦はリュックにカーナを入れてとりあえず夜王の城まで行ってみる作戦だ。

もしも夜王が強そうなら一時撤退して修行する。

倒せたら倒せたで結果オーライって話だ。

カーナは任せるの一点張り、じいさんは死なんなら好きにせぇの一言だった。


宿屋に支払いを済ませたタスク達は路地裏に入るとカーナをリュックに入れレッドクラウンの外壁を飛び越える。


「いたぞ!!!!捕らえろ!」


下のほうで討伐隊が騒いでいるのが見えたが、タスクは音速で夜王の城に走るのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「はぁ、はぁ、さすがに1日中走ると死ぬな。。」


途中、デカイトカゲに追われ。火山を飛び越え。川を泳ぎ。崖を飛び降り。

そして遂に夜王の城の入り口に着いたのだった。


「意外と門ちいさいね♪」

リュックから出てきたカーナは呑気に言う。


「とりあえず、門開くぞ!」


タスクはゆっくり門に手をかける。

動かないので思い切り押してみる。

びくともしないので鹿神の力で殴ってみる。


「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!なんで?!」


門も壁すらもびくともしない。


「これは、創造神クラスの結界の力だな。100%鹿神の力を出せんお前には壊せんよw」


じいさんは笑っている。


そのとき、カーナが何かに気がつく。


「あの、何か丸い玉みたいなやつを嵌め込むくぼみがあるけど。。。」


タスクは門をじっと見る。そこには確かに丸い玉のような物を入れるくぼみが3つあるようだ。

タスクはじいさんに尋ねる。


「あの、、じいさん。なにこれ?」


「どうやら鍵的な何かが必要みたいだな!」


「見りゃ分かるよ。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


どうやらじいさんも知らないらしい。

まさかこんなものが必要だとは思わなかったタスクは考える。

とりあえずレッドクラウンには帰れない。情報が欲しいタスクは次の大国イエロークラウンを目指そうと考える。


「タスク、今日はもう遅いからリュックに一泊しよっか♪」


カーナの言葉にタスクは頷くとため息を付きながら門にもたれかかった。その時だった。


「ポチッ」


「ん????」


タスクが慌てて門を確認すると中央のマークがスイッチになっていたらしい。

門は静かに光りだすと何処からか声が響く。


「証の無い者よ。裁きを与える。」


「裁き?」


タスクが警戒していると門から一筋の光が差す。

光はまるでレーザーのように魔方陣を描くと再び光始める。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


魔方陣からゆっくり出てくる何かにタスクは警戒する。


「何だあれ!?!」


それは大きな鷲の羽を広げ。蛇のしっぽを垂らし。猿の手足を持ち。ライオンの鬣を生やした生き物。

そしてなぜか顔はイケメンの人間だった。


「ワシは知っとる!!!!!キモラだ!!!!」


「キメラじゃねぇのかよwwww」


「タスクより断然イケメンじゃん!!!!!!」


自由に叫んでいる三人にキモラは咳払いする


「ごほん。あたいはキモラ☆夜王城の防衛やってんの☆証もないのにスイッチ押すなんてバカの極みね☆まぁ証があっても私が出てくるんだ・け・ど☆」


カーナは引く ドン引いている


「まさか、、オネェとは。」


そう呟くとカーナはそそくさとリュックに戻る。


じいさんは腹が捩れるほど笑っている。


「んで、戦うことになんのか?」


タスクの言葉にキモラはウインクしながら答える


「大丈夫☆すぐに楽にしてあげるわ☆ふん!!!!!!!!!!!!」


ドゴォォォォン!!!!!!!!!


「な!!!!!!!!」


キモラが地面を殴った瞬間に巨大なクレーターが出来る。

タスクはジャンプでかわすがクレーターの大きさが破壊力を物語っている。


「またケルベロスクラスかよ。。」


呟くタスクにキモラは石を投げつける!


ビュッ!!!!!!!!!

「あっぶね!!」


タスクの頬を掠めた石は木々を貫通しながら見えなくなる。


「ワシの聞いた話によればな、キモラはオカマらしいぞ!!!!!!!気を付けろ!タスク!!」


タスクはとにかくじいさんを封印したいと考える。


「避けるなんてなかなかやるじゃない☆これならどう?☆」


ビュッビュッビュッ!!!!!!!!!


地面に着地したタスクに次々と石が襲いかかる!


タスクは全ての石を拳で叩き割るとニヤリと笑う


「ここで死ぬわけにはいかねぇからな。」


「あんた、普通の人間じゃないみたいね☆」


白煙を出しながらタスクの右ストレートがキモラの頬にヒットする!

キモラは踏ん張り血を吐きながらタスクの脇腹に左フックをねじ込む!


「オカマのくせにつえぇな。。」


「あたいと殴りあって立ってるやつなんて初めてよ☆」


血を吐きながら二人は見つめ合う。




「恋か!恋なのか!!!?」


とにかくじいさんを封印したいとタスクは心の底から思う。


先に動いたのはキモラだ、何かの魔法を纏った蛇の尻尾を振ると風の刃が無数に飛んでくる!

タスクは全てを拳で破壊する!

風の刃に紛れて飛んできたキモラの踵おとしがタスクの肩にクリーンヒットする!


ドゴォォォォン!!!!!!!!!


衝撃で地面に埋まるタスクにキモラは容赦なく無数の石を投げつける!


タスクが避けられないと悟った瞬間


ババババババババ!!!!!!


リュックから出現した大量の火球が石を全て溶かした。


「か、カーナか??」


「少しは役にたつでしょ??」


リュックの中から話すカーナ。


タスクは地面から抜け出すと静かに掌を合わる。


「カーナ、一瞬で片付ける!じいさん!いくぞ!」


「またやるんか!?知らんぞ!!」


「ぐぅぅぅぅぅぅああああ!!!!!!!」


【鹿神壱式】を解除したタスクの身体から禍々しい漆黒の煙が上がり、徐々に鹿の頭蓋を形どっていく


「!!!!!!!!!!!!」


キモラは驚きながらタスクに叫ぶ!


「ちょ!待って待って待って待って!!!!!あたい降参する!降参するから!!!」


本当に必死そうなキモラにタスクは徐々に元の姿に戻る。


「なんだよ。急に!!」


キモラは慌てながら答える。


「いや、あんたがそっちの人だと思わなかったのよ!あたいもどうせ派遣みたいなやつだし!ここで死にたくないのよ!その代わりに門の秘密教えるからゆるしてよ☆おねがい☆」


タスクは若干殺意が芽生えるが一応話に耳を傾ける


「この門の鍵は隠された場所にあるのよ☆

一つはレッドクラウンから見えるサラク山の火口に一つはイエロークラウンから見えるトリト砂丘の深部に。一つはブルークラウンから見えるディープ海の浮島に☆

でもね、鍵はプラチナランクの更に上のダイヤモンドランクのモンスターが持ってるの☆とにかく強いから気を付けてね☆あたいが分かるのはここまでよ☆」


そう言うと、キモラは自分勝手に魔方陣の中に消えて行くのだった。


「鍵集めか、、まぁ走れば2日くらいでー」


「いや、タスク。」


じいさんが珍しく真面目な声でタスクを止める


「今のお前にはダイヤモンドランクも厳しいぞ。それより強い夜王なんか絶対むりだ。」


「なら、また修行にいくのか?」


タスクの言葉にじいさんは笑う。


「カーナたん!出て来てくれんか!」


「カーナたん!ワシの声を外に聞こえるように出来るか?」


じいさんはカーナに頼むと外に声を出せるようになる。するとじいさんは低い声で周囲を威嚇する。


「おい。。。ずっと付いてきとるのはわかっとる。出てこい!!!!!!」


林の中から小さな何かが姿を現す。


「!!!!!!!!!!」


「クゥゥゥゥゥゥン。。」


何かに怯え震えながら林から姿を表したもの。

それは、確かに倒したはずのケルベロスだった。


「な、何で!!!!」


タスクは咄嗟に身構える。


「タスク。安心せい大丈夫だ。あと、おい!キモラ!聞こえるなら出てこい!!!!!!」


じいさんの怒号にすぐさま魔方陣が光りキモラが慌てて飛び出してくる。


「あんた、なにもんだよ。。」


じいさんの力にタスクは畏怖する


「まさか、あなた様の知り合いとは知らなかったので、、」


「クゥゥゥゥゥゥン。。。。」


キモラもケルベロスも声だけで怯えている。


じいさんは真面目な声で話しだす。


「ケルベロス、キモラ。お前らタスクから出た力を見て気がついただろ?誰の力か。だが、まだまだタスクは未熟だ。そこでだ、修行にいこうと思っとる。」


「おい。ケルベロス、道あけろ!キモラは世話役で強制送還だ!」


「そんなぁぁ☆」

「クゥゥゥゥゥゥン!!!!」


するとケルベロスは地面に魔力を込め、底の見えない穴をあける。


しぶしぶ穴に飛び込むキモラ、続いてケルベロスも飛び込む。


「なんなんだよ、じいさん。。」


「おじいちゃん、何者なの!?」


じいさんは叫ぶ!


「いくぞ!地界へ!!!!!!!」






次回から地界修行編へ!!!

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