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転生者の孫  作者: タカ
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鹿神の力

「いや、かなり立派なリュックだなこれ。。」


必死に宿へと走るカーナと対象的に、タスクはリュックの中で家具や食料を整理していた。

まるでリュックの中とは思えない高級使用だ。

満足そうにタスクは頷くとベッドに転がっていた。


「タスクぅ!!!!!!!!」


カーナの突然の叫び声にタスクはリュックから飛び出す。カーナは驚いた表情を見せるがタスクがいる安心感に涙が溢れる、タスクは真剣な顔ですぐに事情を聞く。


「街の外の私が危ない、このままじゃ。。ラーニャに。、助けて、タスク。。」


タスクは涙をぽろぽろ溢しながら焦って上手く説明が出来ないカーナの頭にそっと手を置くと部屋の窓 を開ける。


「とにかくお前が危ないんだろ?」


1人でカーナを置いて行くのも危険だと判断したタスクはリュックにカーナを投げ入れて背負うと爆風を巻き起こしながら窓から跳んでいくのだった。


・・・・・・・・


その頃、街の外のカーナ達は必死に時間を稼いでいた。


「あ、、あの。私達の中に本体がいるの。。全員消しちゃったら性奴隷に出来ないよ!」


もうすぐタスクがここに着くはずだとカーナ達は考えながらラーニャに話しかける。


ラーニャは狂気に満ちた笑みを浮かべながら答える


「キャハハハハハハハ♪何?何の時間稼ぎのつもり?簡単だよぉ♪1人ずつ手足切っていけばさぁ♪すぐに名乗り出てくれるよぉ♪」


もうだめだ、カーナ達は絶望する。

ゆっくりと右手をカーナ達に向けるラーニャ。

腕輪が光りだす。


「ズカァァァァァン!!!!!!!」


辺りに爆発音が響きラーニャの横にクレーターが表れる。


「な、なに!?」


焦るラーニャが砂煙の上がるクレーターの中心に目を凝らす。


「ひ、ひと????」


何か人影のような存在を確認したラーニャが警戒した次の瞬間。


「パァァン!!!!!!!」


音の壁を越える衝撃音が響く。


「おおおおお前、、なんなの??」


タスクはラーニャの目の前に突然姿を現す。

タスクは白煙を上げながら静かにカーナを見つめ笑う。


「もう大丈夫だ!あとは任せろ!」


「・・・・・・・・・。。。」


タスクの言葉にカーナ達は号泣する。


タスクが片足を地面に踏み込むと大地が割れる。

身体から更に白煙が上がりだす。


「まままって!?あ、あんた事情も知らないじゃん!?大体このバカ女がロドスにーー」


「うるせぇ。カーナを泣かすなよ!!!!」


凄まじい殺気に身体から上がる白煙。

気迫で震える大地。


ラーニャは畏怖する。目の前に立つ圧倒的な規格外の存在に。そして、絶対に勝てない事を判断したラーニャは壊れる。


「キャハハハハハハハ♪私はねぇ♪馬神の後継者なんだよぉ!!!!」


そう叫ぶとラーニャはタスクに向かって【音】の球を連射する。

耳を塞ぎたくなるような高音の見えない音の球はタスクに次々に襲いかかる。

外れた球は地面や木々を粉々に砕き。

砂煙が辺りに舞う。


「キャハハハハハハハ♪ほら♪もう死んじゃった?あんたみたいなさぁ♪破壊の塊みたいなやつはさぁ♪死んじゃったほうがいいんだよぉ♪」


パン!!!!!!!!!


破裂したような音と共に巻き起こる暴風。


「誰が死んだって?」


砂煙が爆風で流された場所に、何事も無かったように同じ場所に立つタスク。


ラーニャは冷や汗を流す。


「・・・・もう、いいやぁ。。勝てない。でもさぁ。。コロシタイコロシタイコロシタイコロシタイィィィィィィィィ」


発狂するラーニャの腕輪が光ると凄まじい音が鳴り響く。それは複数の聴いたことのない生き物の泣き声。


「もうしらないよぅ♪みんな死んじゃえ♪キャハハハハハハハ♪」


ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・


タスクは何か嫌な予感がした。


「カーナ、落ち着け。リュックの中は安全だ一旦全員のカーナを消すんだ。」


「わかった!」

タスクを信頼するカーナは深呼吸をして冷静さを取り戻すと全てのカーナを消す。


ラーニャは笑う。もうこちらのことさえも気にとめていない。


地鳴りと共にゆっくりと地面に出現する穴、その穴はまるで底がないように深い。

そしてそいつはゆっくりと穴の底から姿を現す。



「なに、この可愛い子犬。。。。」

ラーニャは絶句し、激怒する。


ラーニャが呼び出した何かは、ベージュのモコモコの毛に覆われた、円らな真っ黒い瞳の愛らしい

【頭が3つある】子犬だったのだ。


「地界のヤバそうな声の正体がこんな子犬だったなんて、、シネェェェェェ!!!!」


ラーニャは怒りに任せ子犬に足を踏み下ろす!



「・・・・・・・・え。。あ。、、」


「ムシャムシャムシャムシャ」


しかし、それがラーニャの最後の姿になる。


タスクは恐怖する。

子犬は踏みつけよとしたラーニャの足を切断し、さらに喉元を噛みちぎったあとラーニャを全て食ったのだ。

タスクは悟る、その速さは俺と同等のスピードだと


動けないタスクをよそに、さらに子犬は後ろに転がる気絶したロドスと討伐隊を補食する。




「はぁ。またヤバいやつを呼び出したみたいだな」


脳内に響くじいさんの声にタスクが反応する。


「タスク、今はワシが封印解いたとか無しな!アイツはただの頭が3つあるトイプードルじゃないぞ。神の拠点、天界があるなら逆も存在する。地界、ワシの元の世界で言うなら地獄だな。アイツはそこの入り口の番犬、名をケルベロスと呼ぶ。ちなみにあれは子犬じゃないぞw」


「タスク、、死ぬなよww」


呑気なじいさんに苛立ちを感じながらタスクは先導者体勢に入る。


全て食べ終えたケルベロスの周りには衣類や武器のみが散乱する。


ケルベロスはゆっくりこちらを向く。




「クゥン」

「!!!!!!!」


牙を剥き出し凄いスピードで飛びかかってくるケルベロスをギリギリかわすと同時に裏拳を叩き込む!


「キャン!」


鼻をかするがケルベロスも体勢を持ち直す。


「グルルルルルルル。」


戦闘体勢に入るケルベロスの右頭部の頬が大きく膨らむ!


「なっ!何だあれ!?」


タスクが咄嗟によけた深い紫の禍々しい炎の塊は音もなく軌道上の物体を消し去る。


「これじゃ街が危ない。。」


パァァン!!!!!!!


タスクはケルベロスに口笛を吹くと音速で町から離れる、リュックの中のカーナは異変を感じタスクに声をかける。


「タスク?どうしたの!?大丈夫?」



街のから数100キロ離れた平原でタスクは足をとめるとカーナに声をかける。


「カーナ、大丈夫だから。出てくんなよ!」


立ち止まり、身体を低く構えるケルベロス


ドンッ!!!!!!!


白煙を上げながらタスクの音速の回し蹴りがケルベロスに炸裂する!

飛ばされるケルベロスだったが空中で瞬時に体勢を立て直す。


ズカァァァァァン!!!!!


ケルベロスの音速のタックル、向かえ打つタスクの右ストレートが相殺する!


見つめあうタスクとケルベロス。。



・・・・・・・。


パァァン!!!!!!!


ほぼ同時に音速を越えるスピードで両者は衝突する!


「おら!わくわくすっぞ!!!!!!!」

脳内にじいさんのふざけた声が響く!



タスクはケルベロスを地面に投げつける!

地面からケルベロスが飛び出しタスクを前蹴りで吹き飛ばす!

襲いかかる3つ頭をかわしながらケルベロスに強烈なボディーブロウを叩き込む!


1人と一匹はお互い一歩も引かない。


ケルベロスとの攻防が長引くにつれ、タスクに疲労が見え始める。地面に叩きつけられ、上空に吹き飛ばされ、強烈な攻撃に吐血する。



鹿神の力は諸刃の剣だ。一斉の攻撃を受け付けない外身に対し、人外の動きをするたびに内部の筋肉は断裂し血管は破裂する。

常人が発狂し気絶するような痛みを受けながら戦う力

それでも生きているのは、タスクの身体が特殊だからだ。鹿神の力を引き継いだとき、タスクの身体の中の謎の力は目を覚ました。

それが【超回復】タスクは鹿神の力で身体を破壊しながら破壊した身体を自動再生する。

破壊と再生を繰り返す身体から発生する熱。

それがタスクの纏う白煙。


ケルベロスの猛攻を受けながらタスクは考える。

【使わないと】勝てない。と



タスクの中にじいさんがいる理由。

それは偶然ではない、鹿神の力の全てを出せば超回復するタスクでさえ身体が持たない。

じいさんはそれを抑えるために自分もタスクの中に封印したのだった。


ケルベロスが猛攻はさらに続くに中、タスクはじいさんに叫ぶ。


【鹿神の壱式の解除を要求する】



「3分、今のお前の身体にはそれが限界だ。」



「グルルルルルルル!!!!!!!!」


ケルベロスは何かに気付き距離をとり威嚇する。


「これを使ったのは、じいちゃんと修業したとき以来だな。。」


タスクがそう呟くと、漆黒の煙が身体から上がり漆黒の煙がタスクの頭部を覆う。


黒い煙はゆっくりと何かを象り始める。


その存在に恐怖を感じケルベロスはブルブルと震える。


そこには4本の角を生やした漆黒の鹿の頭蓋の仮面を被るタスクが立っていた。


タスクは静かに手を地面につけると、獣のように低い体勢をとり禍々しい角をケルベロスに向ける。


ケルベロスは全力でその存在を潰しにかかる!

3つの頭は頬をパンパンに膨らませる。

一つの口から軌道上に塵すら遺さない紫の火球を

一つの口からは触れたもの全てを凍りつかせる人智を超えた冷気を

一つの口からは大気を切り裂き轟音をあげる稲妻を

その全てがタスクに向かって襲いかかる!


シュン!!!!!!


ゆっくり、そう。ゆっくりと4本の角をタスクが振っただけだった。その静かな動きのみで全てを消し去って見せた。。


パパァァン・・・!!!!


明らかに動揺するケルベロスの前からタスクが姿を消す!


勝負は一瞬だった。


ケルベロスは断末魔の声を上げることもなく。禍々しい4本の角でバラバラに引き裂かれていた。


「やったみたいだな。。くっ、、」


タスクの頭部から鹿の仮面がゆっくりと漆黒の煙になって消える。


「無理したのう、タスク。」

じいさんの声が響く。


そして、タスクは倒れた。


・・・・・・・・・・・・・



タスクの能力の秘密はいずれ。。

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