表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

「夏ホラー2007」参加作品です。

2008.5.6 

読みやすさを考慮して、企画規定だった前後編を8話分割に変更、若干修正しました。




 かごめかごめ

 かごのなかのとりは

 いついつでやる

 よあけのばんに

 つるとかめがすべった

 うしろのしょうめん だあれ


 

 歌だ。

 果てのない、まるで底なし沼のような混沌とした暗闇の中で、楽しげな子供達の歌声が、どこからともなく聞こえてくる。

 ――かごめ、かごめ、かごのなぁかの、とぉりぃは。

 低く高く響く、聞き覚えのある懐かしい旋律に、私は記憶の細い糸を辿った。

 ああ、『かごめかごめ』の歌だ。

 よく子供の頃、友達と一緒に神社で遊んだっけ。同じ年で一番の親友の新庄沙希しんじょうさき

 稚園から大学までずっと一緒で、大人になった今も同じ職場に勤めるほど仲が良い。まるで姉妹のような、沙希。

 そして、沙希の妹で六歳下の早苗ちゃんと、神社の神主の孫息子で私より二つ上の東悟とうご。この四人で、放課後はいつも暗くなるまで遊んでいた。


 ――よあけのばんに。

 ――つるとかめがすぅべった。

 そう言えば、この歌って、どんな意味があるんだろう?


『この歌は、呪い歌だよ』

 え?

『これは、呪いの歌なんだ。だから、歌った者には、呪いがかるんだ』

 クスクスクス。

 楽しげに響く、トーンの高い子供の声には、何処か聞き覚えがある気がした。

 誰?

 あなたは誰なの?

 クスクスクス。

 答えは無い。

 ただ暗闇に、楽しげな子供達の歌声と、その笑い声だけが響いていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ