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12/12

試写会とパーティー

最終発表から1年が経った。

私はアニメ制作課から保健衛生局へ異動となった。

そんなある春の気持ちがいい日和、アニメが完成したという話を聞き、同時に試写会もあると聞いた。

ちょうど休みの日になっていたから、わたしはすぐに行くと返事をした。


日曜日に、その試写会は、制作会社のところで行われるということになっているらしいので、そこへと電車とバスを乗り継いで向かう。

このあたりは、業務外の行動になるから、自腹で行かなければならないが、その価値があると私は確信していた。

「こっちですよ」

最寄駅にたどり着くと、見慣れた顔が私を出迎えてくれる。

池下さんだ。

「お久しぶりです」

「お久しぶりですね。今日の試写会へ?」

「ええ、呼ばれたので。池下さんもですか」

「その通り。どんな感じに仕上がっているのかというのを、自分の目で見て判断したくてね」

そういう池下さんと私は一緒に試写会場へと向かった。


会社の建物の中に入り、受付を済ませると、20人ぐらいが入れるだろう会議室だった。

すでにスクリーンは下ろされているため、プロジェクターの設定は終わっているのだろう。

何人かはすでに会場へ入っている。

まだ、班長の姿は見えない。


10分ほどすると、一斉に部屋の電気が落とされ、プロジェクター脇にある演台がスポットされる。

そこには課長の姿があった。

「えー、本日は、アニメが完成したということで、試写会兼打ち上げ会ということですので、みなさんは、試写が終わっても帰らないようにしていただきたい」

それを言うと、演台のライトも消され、アニメ本編が上演された。


途中休憩をはさみながら、12話分、じっくりと見させてもらった。

オープニングやエンディングも出来上がっていて、放送日時も決まっていると、試写会終了後に教えてくれた。

その時、やっと班長がいるのが見えた。


試写会終了後、すぐに机が部屋の中に運び入れられて、打ち上げパーティーが始まった。

「それで、どんな感じだった」

班長が私の横に座って、りんごジュースのコップを持ちながら私に聞いた。

「ええ、素晴らしい出来だと思いますよ」

クラッカーをつまみながら、私は班長へ答えた。

「それで、どうだろう。これがはやったら第2弾を考えてるそうだ。もう一度、やってみないか?」

「それは、その時にお答えしますよ」

上司からの命令であれば、きっと断れないだろうが、そうでない限り、私は断るつもりだった。

なんといっても、あれほど大変なことはなかったからだ。

でも、同時に楽しかった。

きっと、これ以上の楽しくて大変なことはないだろう。

そう思いながら、私はクラッカーを口へと運んだ。

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