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prologue

 私、転生して魔女やってます。


 いやあ、自分でも何言ってんだって思いますがね、冗談みたいですが本当の話なんですよ。


 私、秋津沙羅は恐らく交通事故で死んだ。

 朝、学校へ原付で行く途中にトラックと衝突したから。

 ものすごい衝撃と同時に空中に跳ね飛ばされ、そして地面に叩きつけられた。

 激痛を感じるとともに、見えたのは有り得ない方向に曲がったグチャグチャな自分の手足と、黒いアスファルトに広がっていく赤、赤、アカ、あか


 そして段々感覚が無くなっていって、これは死ぬな、とぼんやりと悟りつつ意識を失った。


 しかし気がつくとまったく見覚えのない薄暗い部屋でよくわからない魔法陣の様なものの中心で座り込んでいた。そこで私に対し、自身を魔女と名乗るお婆さん。

 もうそろそろ自分も寿命だし跡継ぎが欲しくなった、でも弟子いない、じゃあ自分で創ってしまえ、という感じで器となる体を作ってから、お婆さんの設定した条件に合った魂を呼び出して器に定着させたそうだ。

 それでたまたま引っ掛かって呼び出されたのがタイミングよく(?)死んでしまって魂がフリーになった私だった、というわけらしい。

 ちなみに設定した条件は器との相性が高く、弟子にするために素直で、死んでいきなり生きることになっても大丈夫な安定した強さをもち、前世に強い未練が無いもの、そして幼すぎて全然話せないのは困るし、でも弟子にするんだから年齢が高すぎない方がいいよね、と15~20の年で死んだ者の魂、といった感じにしていたそうだ。


 最初は信じられなかったが、以前の自分と明らかに違う顔の、10歳くらいじゃないかと思われる体。

 それからお婆さん、もとい師匠の弟子として5年間一緒に生活していく中で信じることになった。

 だって目の前で魔法とか見せられたら信じるしかないし、他にもまあ色々とね……


 師匠は知識と技術を教え、私を一人前の魔女にした。

 そしてその後暫くして、財産を私に残して息を引き取った。幸せそうに、眠るように亡くなったので、悔いのない人生だったのだろうと思う。


 今は彼女が亡くなってから5年経った。


 私は今日も魔女やってます。



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