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短編集  作者: 滝 千博
五枚会
7/7

ネタ・H×H二次創作カルトとの友情物語(仮)

本館で頂いた『「カルトとの友情もの」っていかがでしょう?』という一言が悪い方向に飛んで行った結果、このようなイロモノが生まれました。「カルトとの友情」がどうしてこうなったのでしょうね。

 ゾルディックに仕える執事となるのだ、だなんて言われてもアタシ、オンナだしぃ。執事じゃなくてメイドさんになりたいの。え? 女でも執事になるの?







 アタシの性癖に耐え切れなくなったパパが、アタシをゾルディックに売ったのはついこないだの話。失礼よね、アタシは心が女なのに体が男で生まれてきちゃっただけなんだもの。アタシが悪いんじゃないわ、ねー? もし何かが悪いっていうならパパの遺伝子が悪かったんじゃないかしら。


 そんなことを考えながら寒い廊下で丸まっていたアタシに、鋭い声がかけられた。



「クロード! どうして毎日毎日貴方はっ」


「やだぁ、クララって呼んでって言ったじゃないですか。そう呼んでくれなきゃ返事しません」


「……クララ」


「はい、先生」



 ニッコリ笑って答えれば、先生は頭を抱えたわ。天下のゾルディックっていうけど、こういう反応は一般人と変わらないのね。ま、先生はゾルディックなんじゃなくて執事なんだけどね?



「クララ、部屋に帰りなさい。ちゃんと部屋で、ベッドの上で寝るのです。何故そんなところで毛布だけ被っているのですか」


「だって部屋、むさ苦しくて汗臭いんです。いやですよアタシ、香水で匂いに気を使ってるのに、あんな部屋じゃ悪臭に侵食されます」



 寮の廊下で丸くなって寝てる理由がちゃんとあるのよ、と説明すれば今度は顔を覆って深い深いため息を吐かれたわ。失礼ね。ていうか、この説明したの何度目かしら。先生もいい加減覚えてて欲しいわ。


 アタシは体は男でも心は女なのよ。男独特の匂いっていうのかしら、男臭さね、それがほんっとーに嫌なの! 別に他の執事が男臭いのは良いのよ? でもアタシにあの匂いが移るなんて冗談じゃないわ。猫の額のお給料を貯めては買ってる香水だって有限なのよ。



「――クララ」


「はい、先生」


「部屋に戻りなさい」


「嫌です」


「クララ!」


「アタシは体は男ですけど、心は女なんです! 三人の屈強な男に囲まれたら怖いって思うし、汗の匂いだって気になるんです!」



 先生は疲れたように息を吐き出して頭を振った。



「君を女子寮に入れることはできません。女子からすれば貴方は男なんですから」



 グっと押し黙る他ない。分かってるわ、アタシだって。でもしょうがないじゃない、こう生まれたのはアタシのせいじゃないもの。アタシだって可愛い女の子に生まれたかったわ。ファッション雑誌を友達と一緒に見て騒ぎたかったわ。アクセだってお化粧だって興味ある、オンナの子なんだから。でもアタシは男の子に生まれちゃったの。


 パパがハンターだからアタシも物心ついたときには常人の域を超えてて、ゾルディックの門だって五まで開けられる。念を使えば七だって楽々だわ。でもアタシはこんなに怪力じゃなくっても良かった。もっと華奢で庇護欲をそそるような子に生まれたかったわ。最近男の娘なんていうジャンルがあるらしいけど、それならアタシは男の娘に生まれたかったわ。


 涙をこらえるアタシに、先生は付け足すように言った。



「ですが、まあ――空き部屋を一人で使ってはならないという規則はありません」



 がばっと見上げると、先生はそっぽを向いていた。



「せ、せんせぇ……」


「明日きっちり掃除すれば使っても構いませんよ」


「せんせぇ大好き、もうアタシ惚れちゃう!」


「結構です」


「酷い!」



 抱き着いたら叩き落とされちゃったけど、嬉しくてそんなこと気にならなかったわ。これってアタシの粘り勝ちよね! 毎日した甲斐があったわ!

















――――――――――――――――――――――――

*一応考えている設定*



 カルトとの友情もの。十四歳になったばかりの主人公は執事候補として連れてこられたが、残念なことに彼は性格がオネェだった。いや、オネェを否定しているわけじゃないんですが。心の性別が女だからといっても、女と一緒にして間違いが起きてはいかん。しかし男と一緒にしたら「男臭くてイヤ!」と騒ぐ。なまじ実力があり身体能力だけで五の扉を開けるものだから(念付きなら七もいく)頭ごなしに命令することもできない。


 執事修行が休みのある日、庭を散策していたらカルト坊ちゃんと遭遇。アラヤダ可愛いわぁ! と話しかけ、話術巧みな主人公に落とされて仲良くなった、と。それから始まる女装少年とオネェの友情物語。


 昨日怖い女云々という番組を見たせいか、こんなのを思いついてしまいました。主人公がオネェのものってそうないですよね……いや、楽しかったのですが。

本館のお客様のテンションが山よりも高くて、それについて行こうとしたら時々その反動のように海よりも深く落下する。


時折自分が最高にハイだと思う日があり、そういう時はかなり頭の中がおかしくなる。たとえば癒し系を打ち間違えた「いわし」系から「鰯」系へと思考は飛翔し、鰯頭の主人公が闊歩したりする。友人とのメールでプリン(ポケ☆モンの)の顔をしたクロロとか降臨してきてもうどうすれば良いんだろうか分からない。

もう自分がイロモノ書きにしか思えない。

誰か助けて。

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