エピローグ
朝の柔らかな光が寝室に差し込む。
一つのベッドの上で、レビリアはセピアとリオに挟まれて眠っていた。まだ夢の余韻が残る穏やかな時間。
レビリアはそっと目を開け、朝食の準備をしようと体を起こそうとする。
リオが腕をギュッと握り、ベッドの上でうずくまる。セピアも隣で腰に手を回し、レビリアをそっと引き寄せる。
「もう……これじゃ起きれないわ…」
小さな声で呟きながらも、レビリアは視線を二人に落とす。昨日の夜は確か、リオを取り囲むように寝ていたはずなのに、今はリオとセピアに挟まれている。だが、その温かさが心地よく、どうしても離れられなかった。
「まぁ…でも、この二人の愛おしい寝顔を見られるなら、寝坊も悪くないかもね。」
レビリアは再びベッドに身を沈め、リオとセピアに交互に頬に軽くキスを落とす。二人が小さく笑ったのを確認すると、再び寝転がりながら深呼吸する。
やがて三人はベッドからゆっくりと起き、台所へ向かう。リオはエプロンをつけて張り切り、セピアも手伝いながら、レビリアと並んでテーブルの準備をする。
「おねえちゃん、卵焼き作るの手伝う!」
「ありがとう。じゃあ、リオは黄身を混ぜてね。」
「セピア様、トースト焼いてくれますか?」
「任せて、君のためなら何枚でも焼くよ。」
三人で笑いながら、手際よく朝食を作る。時折リオがいたずらして笑い声が響き、セピアはそれにツッコミを入れつつも、レビリアの手をそっと握る。
(こうして一緒にいられる時間が、何よりも幸せ…。)
レビリアもセピアの手を握り返し、目を細める。リオの楽しそうな笑顔を見ながら、心の底から思う。
(私たちは、この小さな日常を守り続けていく。どんな困難があっても、三人でなら乗り越えられる。)
朝の光が差し込む台所で、三人は穏やかで温かい時間を共有する。笑い声が響き渡り、幸せな日常の幕開けを告げていた。




