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君との結婚式

「おねえちゃん!セピア様!ただいまー!」

リオが笑顔で駆け込んでくる。エルヴィンの家での楽しいお泊まりを終え、朝一番に駆け戻ってきたのだ。


「リオ、おかえり!楽しかった?」

レビリアはリオを抱き上げ、頬をくっつけて微笑む。


「うん!エルヴィン兄さんといっぱい遊んだよ!でもね、おねえちゃんとセピア様に早く会いたくなった!」

リオの瞳はキラキラと輝き、無邪気な笑顔が部屋を明るくする。


三人はテーブルに座り、レビリアが用意した朝食を囲む。焼き立てのパン、フルーツ、温かい紅茶の香りが部屋に広がる。


「セピア様、リオも一緒だと朝がさらに楽しいですわね」

レビリアは嬉しそうに微笑むと、リオの手をそっと握る。


「ふふ、そうだね。今日からは毎日、こうして一緒に過ごせたらいいな」

セピアの言葉に、リオは元気よくうなずき、パンをかじりながら笑った。


レビリアはリオを抱き寄せ、頬を軽くくっつける。その温かさに、セピアも微笑みながら手を重ねた。


三人の指が自然と絡み合い、朝日の中で輝く。笑い声が部屋に満ち、昨日の戦いや苦難の影は、遠くに感じられる。


「これからも、僕たちはずっと一緒だね」

セピアの言葉に、リオもレビリアも元気よくうなずく。

「うん!ずっと一緒!」

「はい、ずっと一緒ですわ」


朝日が三人の顔を優しく照らす中、温かく、甘く、そして愛情に満ちた家族の時間がゆっくりと流れていった。


朝食を終えると、リオは「ねぇねぇ、おねえちゃん!セピア様!外で遊ぼうよ!」と目を輝かせた。

「そうね、外は気持ちいいし、少し運動した方がリオも元気いっぱいになれるかしら」

レビリアは笑顔で立ち上がり、セピアも「じゃあ僕も一緒に行くか」と手を伸ばす。


庭に出ると、朝の光が木々の間から差し込み、芝生には露のきらめきが残っていた。リオは駆け出し、セピアとレビリアはその後を追う。


「まてー!リオ、そんなに早く走ると転ぶぞ!」

「うん、転ばないもん!」

リオは全力で走りながら振り返り、笑顔で手を振る。


セピアは軽やかにリオを追いかけ、時折肩に手添えたり、腕を絡めて支えながら一緒に走る。

レビリアも負けじとリオと並走し、楽しそうに笑い声を響かせる。


芝生の上で少し休憩すると、リオはセピアとレビリアの膝に座り込み、甘える。

「セピア様ー、もっと遊んで!」

「もちろんだ。今日は一日、君の相手をしてあげる」

セピアはリオの頭を撫で、頬に優しくキスを落とす。


「おねえちゃんも一緒に遊ぼうよ!」

レビリアはリオを抱き上げ、ブランコのように揺らしながら笑う。

「ふふ、リオの笑顔って本当に太陽みたいね」


その後は三人でかくれんぼをしたり、追いかけっこをしたり、芝生に寝転んで雲を眺めたり。リオは時折セピアの肩に乗ったり、レビリアに抱きついたりして甘える。


「セピア様、リオが元気いっぱいで嬉しいですわ」

「だろう?僕たち二人が揃えば、リオはもっと楽しくなる」

セピアとレビリアは視線を交わし、微笑む。


太陽が高く昇る頃、三人は芝生に座り込み、少し息を整えながら水を飲む。リオは「楽しかったー!でもまだ遊びたい!」と笑顔で言う。

「じゃあ、お昼まで少しだけ休憩して、また午後も遊ぼうね」

レビリアはリオの頭を撫で、セピアも肩に手を回す。


三人で肩を寄せ合い、笑い声を重ねる。その温もりと幸福感が、昨日の苦難や危険な日々を遠くに感じさせ、穏やかで愛に満ちた時間がゆっくりと流れていった。

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