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 (2)

 ゆっくり過ごしてくれ、とは言われたものの、荷解きや王宮内の案内などであっという間に結婚式当日となった。グランディエ国の王家が代々式を挙げる大聖堂でミランダはディオンに愛を誓った。


(ドレス、なんとかなってよかったわ)


 ジュスティーヌのために用意していた花嫁衣装を着用するわけにもいかなかったので、急遽母のおさがりを譲ってもらったのだ。


 母は新たに作ることを希望したが、「式に出席できないお母様と同じドレスを着たら、見守ってもらっている気持ちになりますから」と切なげに言えば、涙ぐんで了承してくれた。


 やや古いデザインだが、大切に保管されており、また手間暇とお金を贅沢に費やしただけあって、目立って傷んでいるところはなく、侍女や貴族たちもみな褒めてくれたから問題ない。


(お世辞なのかもしれないけれど)


 花婿であるディオンはミランダを見て、一瞬眉をひそめていたから似合っていなかったのかもしれない。しかし口では「綺麗だ」と言ってくれたので、気にする必要もない。


 大聖堂での儀式が終わると、長い長い宴が夜まで続き、そこから湯浴みをして、初日に宛てがわれた部屋とは違う、夫婦の寝室で待つよう告げられた。


 これから花嫁と花婿にとって、一番大事な義務があるのだが――


(どうしましょう……すでにもう、体力の限界だわ……)


 世の中の夫婦は本当にここから初夜を成し遂げたというのか。すごすぎる。体力には自信のある方だったが、思い上がっていたようだ。


(少しだけ……たぶん部屋に訪れたら、起こしてくれるはずだから……)


 それまで目を閉じて疲れを癒していようと、ミランダはふかふかの寝台に身を沈めてしまった。


     ◇


 一方ディオンは湯浴みを済ませ、王妃の待つ寝室へ向かおうとしていた――のだが、「行かないでください! 陛下!」とクレソン公爵に引き留められていた。


「今夜一緒に過ごしてしまえば、陛下はあの方の夫となってしまいます!」

「大聖堂で夫婦の誓いをしたのだから、俺はすでに彼女の夫だ」

「いいえ! まだ肉体は清いままでございます! 何かあっても、取り返しがつきます! 貞操を守り抜くのです!」

「俺は男だぞ……」

「では童貞を守り通してください!」


 はぁ……とディオンは一度抵抗を止め、クレソンと向き合った。


「クレソン。おまえが俺を心配する気持ちはわかる。だがこの二週間ばかり彼女の様子を観察して、特におかしなところはなかったではないか」

「いいえ陛下! 悪女の本性というのは閨の中で発揮されるものでございます! 陛下が喰われるのはこれからでございます!」


 鼻息荒く捲し立てるクレソンはふとそこで眉をしょんぼりと下げ、目を潤ませた。


「陛下。私は何も意地悪でこんなことを申し上げているのではありません。亡き国王陛下――あなた様の大伯父さまも、寝所で魔女に甘言を囁かれ、気づかぬうちに中毒性のある媚薬を盛られて、ゆっくりと操り人形にされていったのです」


 王は魔女の言いなりになり、治世を乱し、とうとう王弟――ディオンの祖父に討たれた。


 魔女さえいなければ実の弟に命を奪われることもなく、賢王として歴史に名を残していたかもしれない。当時の状況を間近で見てきたクレソンはそう思えてならないのだろう。


 ディオンもそうした彼の気持ちがわからくもないが……。


「彼女には、そうした野望はないんじゃないか?」


 ディオンはここ二週間あまりミランダの言動を注視していたが、彼女は普通のご令嬢と変わらなかった。侍女にも尋ねたが、特に我儘も述べず、与えられているもので満足しているという。


(むしろどこかおざなりに見える……)


 ディオンがそう思ったのは、結婚式で着ていた彼女の花嫁衣装だ。


 上等な生地であったが、少し古いデザインのようで……そのことに少し違和感があり、ミランダにはもっと別のものが似合う、と思ったのだ。


(急遽嫁ぐことになって衣装を準備できなかったのか?)


 ジュスティーヌはともかく、ミランダは両親に溺愛されていたという。だから多少無理をしてでも娘に似合ったドレスを用意するものではないか……?


 ディオンが沈黙して考えているのを迷っていると思ったのか、クレソンが再度訴えかける。


「陛下は女性を知らないから、女性の性根はみな優しいと考えてしまうのです!」


 たしかに今まで(まつりごと)ばかり精を出して、女性との付き合いを遠ざけていた。クレソンという厄介なお目付け役がいたことが一番の理由かもしれないが……。


「ともかく、これ以上彼女を放っておくわけにはいかない」

「陛下! どうか行かないでください!」


 まるで恋人を引き留めるようなしつこさにさすがにうんざりしてくる。


「せめて私にそばで見守らせてください!」

「いい加減にしろ! そんなもの見せられるわけないだろう!」

「しかし……!」


 はぁ、とディオンは額に手を当てる。


「わかった。何かあったら呼び鈴を鳴らす。もし刃物や怪しげな薬を使っていたら、俺がその場で取り押さえる。それでいいだろう?」

「……かしこまりました」


 渋々であったが納得してくれたクレソンに、やれやれとディオンは肩を竦めた。


 くれぐれもお気をつけください、と扉の前までついてきたクレソンを追い払い、ディオンは控え目に扉をノックした。


 しかし返答がない。もう一度繰り返しても反応がないので、ディオンは開けるぞと断って中へ入った。


「ミランダ?」


 そっと寝台へ近づくと、小さく身体を丸めてすやすやと眠るミランダの姿があった。


「疲れて眠ってしまったか……」


 それもそうか、と思う。体力のあるディオンですら疲労を覚えているのだから、ミランダはなおさら疲れたことだろう。


(こうしてみると、まだ少女なのだな……)


 年齢はようやく十八になったばかり。背も自分より低く、手足も容易く折れるほどの細さでなんだか心配してしまう。


 考えてみれば、遠い地からこの国へ訪れてまだひと月も経っていない。何でもないと思っていても、疲労が蓄積されているはずだ。


(今夜はこのまま寝かせておいてやろう)


 わざわざ起こして初夜を実行するのも可哀想だと、ディオンは寝台の掛布をかけてやり、ミランダの隣に横になった。


「んん……ジュスティーヌ、ねえさま……」


 むにゃむにゃと何か寝言を呟くので、思わず笑みが零れた。


(しかし、ねえさま、か……)


 ミランダは姉のジュスティーヌに嫌がらせをしていたという。つまり嫌っているわけだが、今のミランダの顔はとても幸福そうで、どうしてもジュスティーヌを疎んでいるようには見えない。


 それとも意地悪することで悦びを見出すタイプなのだろうか……。


(あまりそうは見えないが……)


 なんて思う自分にディオンは少し驚いた。


 自分はまだこの少女について何も知らないというのに、理由もなく大丈夫だと信じ始めている。


(勘だろうか……)


 それとも初めて会った時に見せてくれた、はにかんだ笑顔のせいだろうか。


 つい魅入ってしまって、とっさに脅すような言葉をかけてしまったが、ミランダの怯えた顔を見てすぐに罪悪感を覚えた。


(クレソンに知られれば、まずいな……)


 今もおそらくディオンが無事かどうか、はらはらしながら待機しているはずだ。今日は何もないから安心してくれと伝えに行かなくては……。


(ああ。だがその前に少しだけ横になりたい……)


 仰向けになっていたミランダがごろりと寝返りを打ち、ディオンのすぐ目の前に寝顔を晒す。


 幸せそうな笑みを浮かべている表情をディオンはぼうっと眺めているうちに瞼が重たくなり、やがてミランダと同じ夢の世界へ旅立っていった。


     ◇


「お姉様!」


 夢の中でミランダは少女だった。まだ両親に隠れてこっそりとジュスティーヌに会っていた頃の自分。


「ミランダ! 私の可愛い妹!」

「姉様! わたしの大好きな姉様!」


 ジュスティーヌが自分に微笑み、抱きしめてくれる。ぎゅうぎゅうと、離さないとばかりの強い力で……。


「う……ねえさま、うれしいけど、少し、力がつよい気がする……」


 姉にこんな力があるとは知らなかった。それとも自分に気持ちを伝えたくて強く抱きしめているのか。ならば自分も負けじと思いを返せねばと、ミランダも腕に力を込めて、姉の硬い胸板に顔を押しつけた。


(ん? 硬い?)


 おかしい。姉の身体は柔らかいはずだ。そして香りもこんな大人の色気を感じるような匂いではなくて――


「えっ」


 ミランダはパッと目を見開いて、一気に覚醒した。

 次いで絶句する。


 目の前に鍛え抜かれた胸板があったから。恐る恐る上へと視線を向ければ、安らかな寝息を立てている男の顔。


(なんで陛下がここに……)


 いや、彼は自分の夫となったのだから一緒に寝ていてもおかしくはない。それに昨日は初夜だったのだから。


(いえ、待って。わたし、陛下が来る前に寝てしまって、それで……どうなったのかしら?)


 まさか寝ぼけた状態で事に及んでしまった? と下をちらりと見たが、互いに服をきちんと着ているし、身体の痛みも特にない。何より記憶がないので、やはり何もなかったのだろう。


(よかった……って思っていいのかしら?)


 花嫁として大事な役目を果たしていないわけだ。本当の意味で夫婦になっておらず、国の命運を背負って(というのは言い過ぎであるが)嫁いできた身としては褒められたことではない。


 一方で、まだ抱かれなくてよかったと思う自分もいる。覚悟はしていたが、性交は女性にとっていろいろ負担が大きく、怖いという気持ちはどうしても拭えなかったのだ。


(わたしも意外と普通の女の子だったのね……)


 そんなふうに感慨深く思っていると、ディオンがごそごそと身じろぎする。そして薄く目を開け、茫洋とした瞳でミランダを見ていたが、やがて置かれた状況を飲み込んだのか、ばっと起き上がった。


「す、すまない!」


 いきなり謝られ、ミランダは目を見開く。それは一体何に対しての謝罪だろうか。


(まさか本当に抱かれてしまった?)


「あっ、いや! あなたが想像しているようなことは決してしていない。疲れているだろうから何もしないまま、俺も横になっているうちに寝てしまって、抱き心地がいいからつい抱き寄せて眠ってしまっていたようだ」


 どうやら知らぬ間に抱き枕にしてしまったことをディオンは申し訳なく思ったようだ。


 七歳下の娘にあせあせと言い訳して謝る姿がなんだかおかしく思えて、ミランダはくすりと笑ってしまう。


「ふふ。あ、ごめんなさい」


 目を丸くしてこちらを見つめるディオンに、ミランダはいけないと思いつつ、胸に湧いた温かな気持ちは変わらぬままだった。


「陛下。わたしの体調を気遣ってくださってありがとうございます。それから改めましてこれからどうぞよろしくお願いいたします」


 深々とその場で頭を下げれば、ディオンも慌てた様子で返す。


「いや、こちらこそ! 遠いところからはるばるこの国へ輿入れしてくれて感謝している。……ありがとう、ミランダ」


 ミランダは顔を上げ、微笑んだ。


「はい、陛下」

「……ディオン、ともっと気軽に呼んでくれて構わない」

「ではディオン様と。わたしのことも、もしよろしければミラとお呼びください」


 家族もそう呼んでいたから、と付け加えると、ディオンはとても大事なことを聞いたように真剣な表情で了承した。


「わかった。……ミラ」

「はい、なんでしょう、ディオン様」

「いや、うん……。起きて、朝食でもとるか」


 ミランダははい、と柔らかな微笑で返事をしたのだった。


     ◇


 カチャカチャと控え目に食器の音が鳴る中、ちらちらとディオンは向かいに座るミランダの様子を観察していた。


(昨夜はつい爆睡してしまった……)


 ここのところずっと忙しく、気を張っていたせいもある。しかし何もない時でも、ディオンが熟睡することは滅多にない。だから誰かのそばで――しかも嫁いできたばかりの、注意すべきよう再三言われた女性を抱き寄せて眠ったことに、ディオンはとても驚いていた。


(人肌が恋しかったのか?)


 だからといってあまりにも油断しすぎた。


 ちなみに何かあったらいけないと徹夜で待機していたクレソンは目の下に大きなクマを拵えて、「陛下! 本当に何もなかったのですか!」と身体をくまなく調べられそうになったので、部下に押しつけて寝かせるよう命じておいた。おかげで今静かに朝食をとることができているといえよう。


 そこまで考え、またディオンはミランダに目をやった。


(普通異性に抱かれて眠ったとあれば、真っ赤になって恥ずかしがるものだと思っていたが……)


 ほんの少し驚いただけで彼女はけろりとしていた。泣かれて騒がれたり、嫌がられるよりはずっといいのだが……男として、また彼女の夫として、少々複雑な気持ちにもなる。


(それとも目が覚めた時はもっと驚いたのだろうか……)


 だとしたらもったいない姿を見逃した。きっととても可愛らしい表情をしていただろうから……。


「陛下?」

「な、なんだ」


 ミランダのあどけない起床時を想像していたディオンはぎくりとする。彼女は不思議そうに首をかしげる。


「難しいお顔をなされていたので、どうかなされたのかと……あ、もしかして朝は低血圧気味ですか?」

「いや、そういうわけではないが……少々考え事をしていた」

「なるほど。そうでしたのね。邪魔をしてしまって申し訳ありません」

「謝る必要はない。……それより、ミラ。呼び方が間違っているぞ」


 あ、と彼女は小さな唇に掌を当てた。そして困ったように眉を下げてディオンをじっと見つめる。


「ディオン様」

「また間違えたらその都度直させるからな」


 自分でも驚くほど甘ったるい声だった。


「はい。気をつけますわ」


 ミランダはにっこりと微笑むと、また食事を再開した。


「……この後、少し庭を歩かないか」

「まぁ、いいんですの?」

「ああ。あなたさえよければ」


 ミランダはまた笑って、もちろんと承諾してくれた。


 今後彼女との付き合い方はどうするか。


 考えねばならないことは山のようにあったが、今はただ、ミランダとの朝食と、食後の散歩を楽しみたいとディオンは思った。


     ◇


「まぁ、素敵なお庭ですわね」


 ミランダはディオンのエスコートで王家の庭園を案内されていた。


 グランディエ国の神話に出てくる神や動物の像を囲むように噴水が作られ、四季に応じた花壇が広がっている。


 メナール国の庭園は秩序を重視したものだが、グランディエ国はあえて規則性の感じられない自然を感じさせる庭園に見えた。どちらもそれぞれの良さがあり、金と手間暇をかけている。


(庭園は王宮と会わせて、国の権威を示すものね)


 そんなことを考えていると、ふとディオンが立ち止まり、真剣な表情でミランダを見つめてきた。


「ミラ。あなたに話しておかなければならないことがある。黙っておく方が正しいかもしれないし、今も正解が何かわからない。だが俺は正直に打ち明けておきたい」

「何でしょうか?」

「あなたは疑われている」


 ミランダは目を瞬いた。


「それは全員に、でしょうか」


 彼女の声があまりにも落ち着いていたからか、ディオンの方が動揺したようだった。


「……怒らないのか」

「余所からきた人間を信用できないのは、仕方がないことだと思います。特に陛下……ディオン様は、今の地位に即くまでいろいろとあったと思いますから……余計に心配なのでしょう」

「しかし……」


 それに、とミランダは微笑んだ。


「これまでのわたしの振る舞いでは、悪女と見なされて当然ですもの」


 悪女の自覚があること、それを自分の口から告げたことに驚きを隠せない様子でディオンはまた瞠目する。……意外と表情豊かな人なのねとミランダは思った。


「……ミラ。あなたがそこまで言うのならばもう正直に尋ねるが、あなたの姉君であるジュスティーヌ殿に嫌がらせをしていたというのは本当か?」

「ええ、本当ですわ」


 ミランダは迷うことなく肯定した。その潔さが逆にディオンに疑問を与えたようだ。てっきり不愉快な顔をされると思っていたのに、彼は困惑した様子である。


「なぜ? 噂ではあなたはご家族にとても大切に育てられていたと聞く。ジュスティーヌ殿に対して嫉妬を抱く必要はなかったのではないか?」


(嫌がらせをしていたと言っても、陛下はわたしに事情があると思ってくれるのね)


 優しい方だわ、とミランダは胸の内で感激した。


 ……しかし、どうしようか。本当のことを打ち明けてしまおうか。


(でも、お母様の目を誤魔化すためにわざと嫌がらせするつもりでお姉様を助けていました……って言って信じてもらえるかしら)


 それに母がジュスティーヌのことを嫌っているということも、あまり口にしたくはなかった。ミランダにとっては母も大事な人なのだ。


 などといろいろ考えた結果、ミランダはまだ自分がディオンのことを信じられていないことに気づく。


 恐らく悪い人ではない……こうして話を聞いてくれるのだから良い人なのだろうが、彼は国王である。背後には臣下たちの思惑がある。


 悪女ではない、と訴えた自分の発言を素直に受け止めるか――ディオンの側近たちを含めてどういう出方をするか、確認したい思いがあった。


(うーん……まだ様子見、でもいいかしら)


「……陛下は嫉妬を抱く必要はないとおっしゃいましたが、そんなことありませんわ。ジュスティーヌお姉様はとても美人で、気立てもよくて、わたしなんかにもそれはもうお優しくて――」

「ミラ?」


 なぜかジュスティーヌの良い所を述べ始めたミランダにディオンがどうしたのだと困惑する。いけない、とミランダは咳払いし、とにかく、と話を締めくくった。


「わたしはお姉様に嫉妬して数々の嫌がらせをしていましたの」

「……そうか」


 ミランダの答えに、ディオンはどこか落胆した様子を見せる。もっと軽蔑した表情を見せると思っていたミランダは肩透かしを食らった気分だった。


(いえ、内心は軽蔑しているかもしれないわ)


 それにがっかりさせてしまったことに変わりはない。王妃がこんな性格をしていては、彼だってこの先いろいろと不安になるだろう。そう考えると、ミランダは申し訳なく思い、こう付け加えた。


「ディオン様。わたしは確かに今まで悪い女でした。でも、この国に嫁いできたからには、心を入れ替えて、あなたの妻に相応しくあれるよう努力いたします。すぐには信じてもらえないかもしれませんが、今しばらく、様子を見守っていただけませんか」


 ミランダからの提案に、ディオンは感情の読めぬ顔をして、やがて「……わかった」と重々しい口調で了承したのだった。


「ありがとうございます」


 ミランダは微笑んでお礼を述べた。


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