ゆいこのトライアングルレッスン スピンオフ 〜続・ゆいこが転生したら〇〇だった件〜 ホモサピエンス編
なろラジ大人気企画『ゆいこのトライアングルレッスン』のスピンオフ第2弾!
「我はホモサピエンス、ユイコリーナである!」
わたしは、今から10万年前の世界へと転生した。
この時代、愛されるのは強い男だ!
今日も男達が狩りをしている。
「おーい! そっちにマンモスが向かったぞ!」
「ウホッウホッ!」
「落とし穴に落とせぇ!」
わたしは岩陰から、男達の狩りの様子を見ていた。
「俺がやる!!」
タクミリアンが現れ、マンモスに槍を放った!
カッコイイ!
あの跳躍力、血管の浮き出た腕、迷いのない槍先!
彼は間違いなく、強い男だ!!
「ウホッ? タクミリアンどうした!?」
「くそっ、仕留め損なった!」
槍の刺さりが浅かったのか、仕留めきれず、マンモスは暴れながら、こちらへと向かってきた。
「うっそ、どうしよう! ウホッ!」
「静かにっ!」
取り乱すわたしを、誰かが後ろからギュッと抱きしめた。
「ひぃっ!」
「ユイコリーナ、落ち着いて。あとは、わたしがなんとかしますから」
そんなに抱きしめられたら、落ち着けるはずがない。抑えようとするほど、鼓動はうるさく速くなった。
「ウホォーー!」
彼は雄叫びを上げ、暴れるマンモスのもとへと、槍を持ち向かって行った。
その背中は、とても眩しかった。
槍はマンモスの急所へと放たれ、その動きを止めた。
すごい! あの一撃で、マンモスを仕留めた!
男達が歓喜に沸いている。
「あ、あの…あなたの名はなんと?」
ドキドキしながら、わたしは彼の名を聞く。
「わたしは、ヒロシーヌでございます」
「ヒロシーヌ! 助けてくださり、ありがとうございます」
ヒロシーヌは、マンモスの牙を切り落とすと、わたしの前に差し出した。
「ユイコリーナ、わたしはいかなる時も、あなたに寄り添い、あなたをお守りいたします」
「おい、ヒロシーヌ、何抜け駆けしてる! ウホッ!」
「失礼な。タクミリアンの尻拭いをしてあげたのだよ」
「くっ…次は負けねえ。もっと大きなマンモスを仕留めて、ヒロシーヌより俺の方が強いことを証明してやる!」
ヒロシーヌに、タクミリアン…!?
あれ…っ?
「どうしたんだ? ユイコリーナ?」
タクミリアンが、わたしの様子に首をかしげた。
「いっ、いや? 別に?」
「顔が赤い、熱でもあるんじゃないか?」
「ひゃっ!」
タクミリアンの手が、わたしの額に触れる。
はぁあ! ムリムリ!
「油断も隙もありゃしない。ウホッ! ユイコリーナ、その牙をわたしだと思って持っていてくれ」
「ユイコリーナ、美しきあなたには、マンモスの牙ではなく、こちらがお似合いだ」
タクミリアンは、首飾りを取り出し、わたしにかけてくれた。
顔の距離が近い!
「おい、タクミリアン! そんなに近付くな!」
目の前で、2人の強い男がわたしのために争っている。
ユイコリーナは、10万年前から、あなた達のことをお慕いしておりました。ウホッ♡
ゆいこが転生したら卑弥呼だった件は、明日公開します!