デッカクなっていた!?
社畜共の真夜中は辛い……。
仮眠室で眠る女性陣。毛布などなく、柔らかいマットもない床で寝転がる男性陣。
「ううっ」
神様のイタズラか。今日のみんなは似たような夢を見ていたのだった。
◇ ◇
「いやー、今日珍しく夢を見たんだ」
「へー。松代さんにしては珍しい」
良い夢を見ると心地よい睡眠ができたんだと思う。
仕事前に出前で持ってきてくれたピザを食べながら、起きたばかりの男性陣は話していた。
「しかもそれが正夢なんだよ。すでにな」
「は?」
正夢って早々ないだろう。未来予知の類もあるのかと、話を聞いていた三矢。一体どんな正夢なんだと、朝っぱらから感じている松代の言う夢は……
「どーせ、夢の中で○○してて。起きた時も○○して目覚めただけだろ。馬鹿」
「俺の巨○が○っていた夢を知っているとか、気持ち悪いんだけど、宮野さん!!」
「朝っぱらから不快な夢を暴露するなよ!!林崎ちゃんとかも今日泊まりだったっつーのに……」
「アホが」
相変わらずの下ネタで女性陣に不快な思いをさせる、でっかくなっていた正夢。
「なんつー夢だよ」
「いやー、オ○○ーしてるとそのまま夢に出る時あるじゃん」
「会社で堂々とやんなよ!!せめて、……自宅でやってください」
「へいへい」
「死んどけ。しかし、俺もデカくなる夢を見た」
「俺と同じ夢を見るなよ」
「お前みたいなカスと同列な夢なんか見てねぇよ。ま、俺は体全体がデカくなっていてな。仕事し辛くて起きて来ただけだがな」
うわぁ、つまんねぇー夢だな。
松代と三矢はそんな顔を出していた。何にも話を広げられない。逸らすように三矢も今日の夢を話した。
「俺もデカくなる夢だったな。松代さんや宮野さんみたいな感じじゃなかったですけど……」
「アテて見ろってか?……そーだな、あ!会社がデカくなって金持ちになっていたとかか?」
夢らしい答えをする松代に対し、真剣さと今日の動きから推測する宮野の違い。
「ツッコミする声がデカくなっていた夢だろ、お前もくだらねぇ夢だな」
「あ、あ、当てるなよ!!」
ああ、三矢のツッコミがなんか大きいと思った後にトーンが下がっているのは、そーいう事だったのかと松代が納得。ホントにしょうもない事が正夢としてなると、悲しいもんだ。できれば良い夢を正夢としたい。
「おはよー」
「おはよ……」
そして、男性陣の声と朝の陽ざしで起きて来た女性陣。林崎と工藤友ちゃんが朝食を摂りにやってきた。
「安西はまだ寝てんのか?」
「疲れてるみたいなんで」
「っていうか、騒ぎすぎ」
その言葉になぜだか三矢の方に視線がいく。普通にツッコんでいただけなんだがと……。
ピザを頂きながら女性陣もこんなチンケな話に加わる。
「私も今日、不思議な事にデッカクなってる夢を見たんです」
「へーっ、もしかして全員同じそんな夢を見たってこと?」
「林崎はどんな夢だったんだ?」
恍惚たる表情で、その一部始終を声で再現する林崎。
【俺の〇〇〇がお前のせいでこんなことになっているんだが、お前が責任をとってくれないか】
【すっごく大きいです。これを僕の〇〇にいれるんですか】
「っていう感じの夢です。もう、デカかったです」
そうだった、この女は腐っていた。ロクな夢じゃなかった。朝から鼻血を出してんな。
「林崎も松代と同レベルの夢を見てんじゃねぇか」
「フワッとした会話で気持ち悪い事言ってんな」
「登場人物が全員男とかふざけんな」
男達には分からない世界である。なんで男達がそんなことをせにゃならんのか、なんでそれで喜ぶ女がいるのか。分かり合うのは難しい。
そして、最後に友ちゃんは
「あたしは体が大きくなっていた普通の夢を見たわ。結構ガックリ来るね」
あー。そーいうノーマルタイプがオチですかって、男性陣の視線は。
「そりゃあ、残念だったな」
「悲しいな」
「ま、いいじゃねぇか」
友ちゃんの貧相な胸に向いていた。林崎の豊満な胸とは脅威の差があった。
「なんであんた達は胸しか感じてないんだよ!!あたしの見た夢はね!!身長デカくなったのに、ここだけは夢の中でも変わらなかったのよ!!」
男の想像力はあまりに単純過ぎる。




