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私の片思い中の勇者が妹にプロポーズするみたいなので、諦めて逃亡したいと思います  作者: 皇 翼


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アッシュブレイド城塞の人々に見送られ、馬を走らせる。来た道を王都まで戻るだけなので、一人で問題なく帰れる筈だ。

因みにフェリシアが王都に一度戻ることについて、村の人達にはディランから伝えてもらえるようだった。


そして馬を何度か乗り換え、食事などの最低限の休みを挟みながら夜通し走らせ続けること約3日。時刻は既に夕刻だが、求めていた風景にようやくたどり着けたため、安心して溜息が零れた。


馬を宿に預け、城下街を進んでいるととあることに気が付く。

なんだか街全体が浮足立っている様な気がするのだ。街行く人達は何かを楽しそうに噂し、巡回する兵士すらも浮かべるのは楽しそうな笑顔だ。それに魔王討伐後のパレードの時に近い装飾がどの家、道にも施されているのだ。たしかに魔王討伐後も雰囲気は近い物があったが、今はそれよりも更に街全体が『幸せオーラ』の様なものに包まれている。

これで違和感を感じない方がおかしいだろう。思わず足を止めて、少し遠い場所で噂をしているご婦人方の方へ聞き耳を立てた。


「カルディナ様が…………新たな――に」


怪しまれないためにもかなり遠くから盗み聞きしているために音は途切れ途切れだが、各所の単語だけは聞き取ることができた。聞こえて来たカルディナ様という単語。彼はこの国の第一王子であり、ユリウスの兄だった筈だ。新たな――というのはきっと新たな王になった、またはなるというところか。国王もそれなりに高齢故に、そろそろ次の王を……という動きは魔王討伐直後からあったことだったため、あまり驚きはなかった。


けれどその直後に聞こえて来た単語にビクリと身体を反応させてしまう。


「それに……が――結婚……王族同士……禁断の愛っ!!ロマンティック」


結婚、身分を捨ててまで。これはほぼ確実にユリウスの事だろう。でも『王族同士』という部分に大きな疑問を持つ。イリスは聖女であり、それなりに立場を与えられてはいるが王族ではない。

それに最後、妙にテンションが上がった様子で叫んでいたが、『禁断の愛』というのも非常に気になる。


そこで一つ妙な仮説が産まれてしまった。まずあの指輪の色は翠色。そしてフェリシアは身近にいた女性でその色を持っていたのがイリスだった。だからフェリシアはイリスに渡すものだと思い込んでいた。

だがしかし、それがイリスではないとしたら?


禁断の愛……血の繋がった兄弟の禁断の愛?


ユリウスの兄とは一度か二度しか直接会ったことはなかったが、彼は……彼の瞳は――。


「緑系――――だった気がする」


フェリシアも女の子だ。昔から恥ずかしながら恋愛事には少し興味があって一時期はそっち系の本を読み漁っていたこともある。その読み漁っていた中でもフェリシアは如何せん”男性同士の禁断の愛”が描かれたものを好んで読んでいた時期があった。

あの時『彼女さんの色をあしらった』という会話は聞いた。それは確かだ。けれど今更ながらそれが女性とは限らないのでは?という考えが出て来てしまったのだ。

この国では同性婚も一応は許されている。身近にいなかったのもあって断言はできないが、その……女性役――『受け』と呼ばれる方の立場の人は”彼女”と言ったりなどは……?


ハッキリ言おう。フェリシアは疲れていた。なにせ最低限の食事のみで三日間殆ど休まず馬を走らせ続けていたのだ。判断が鈍らない筈がない。

しかしフェリシア自身も相当馬鹿なことを考えているなとは思いはするが、一度頭を擡げてしまったその考えはどうしても下らないと切り捨てることが出来なかった。


もう少し情報を得るためにも彼女らに更に近づこうとした時の事だ。後ろから聴き慣れた声に呼ばれた気がした。


「フェリシアさん?」

「え、ロジー……?」


彼女の丁度真後ろに立っていたのは髪も肌も瞳も全て白銀という希少な色を持つ人物――共に旅した仲間の一人であるロジーであった。


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