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参竜

少しだけ潜ってみた。

呼吸もそうだが、水圧と浮力の問題もある。

透明度の高い水であるにもかかわらず、見えなくなるほど先まで螺旋階段は続いている。

「いやー、どうしようもないわこれ」

超小型潜水艇とか、せめて潜水服がないと無理。


ということで、引き返すことにした。

再びの蛇地獄。

さっきの土槍は消えており、板もグスグスに腐っていた。

そして行きと違うのは背嚢の重さ。お宝重い。


ここで採用する方法は、前回と同じくモーゼ道方式。

ウエイト不安はあったが、どうにかなるだろうということで。

蛇の攻撃は単調で変化がなく、対して俺は2度目。

ピシュンピシュンと蛇斬りマシンと化して、襲い来る蛇どもの頭を切断しつつ、歩みを進める。


背後の敵にはフットワークが重い分少手間取ったものの、予測の精度が上がったため効率良く迎撃して、なんとか対処し切れた。

ぶっちゃけ、噛まれる回数は増えたが、ミスリル装備の防御力が高くて、幸いにも牙が通らなかったというところだ。

増ウエイトバージョン蛇地獄、無事クリア。

火{出たとこ勝負に勝利したっていう感じ?}

地{運まかせは感心せんな}


防具を浄化し、かつ、若干のほつれを修復しながら、双竜とやりとりする。

「でもさ、ほら、ほつれも僅かだし、防御力にはまだ余裕があったと思うんだ」

地{毒の無い相手で防御力の限界を十分に確かめてからの発言なら、聞く耳を持とう}

火{命とお宝を天秤に掛けるのはちょっと。欲張りで死んだら恥ずかしいと思うの}


双竜に小言を言われつつ、洞窟の出口にたどり着く。

外ではハーピーが相変わらず騒いでいる。巣への出入り口が塞がれてるんだから無理もない。

対ハーピー戦ではウエイト増は厳しい。移動速度が落ちてしまうからだ。

「仕方ない。少し減量するか」

持ち重りのする金製品と金貨を適当に掴み出す。

これで背嚢は行きよりも多少重い程度になった。これならまあ行けるんじゃないだろか?


双竜と軽く打ち合わせをして、いざ作戦開始!

まずは石貨風の丸岩をごろんと転がして通路を開ける。

進路を塞ぐハーピー数羽を火竜の火炎放射で排除してから、減量のため掴み出したお宝を割れ目の外に向って左右に撒く。

そうやってハーピーの注意を逸らしておいて、俺は勢いを付けて飛び出し、枝を掴みかつ蹴りながら幹に向って斜めに落下していった。

幹に達したら、カカカッと速度を殺しつつ降下する予定だ。


バギバギッずざざざーっ。地竜の植物操作で手掛かりとなる枝を伸ばしてもらったが…、足りなかった。

幹に達する前に、手の届く枝が尽きてしまった。

地上まではまだ7~8mある。このまま落下すると、さすがにまずい。

とっさに石盾を下方に、斜めに傾けて展開する。

ゴンッとかなりの衝撃が発生してダメージを負うが、落下速度は減殺された。


石盾をもうひとつ。ゴンッ。そして推定落下先の地面の下草を成長促進で厚くする。

あっという間に地面が迫る!

ズドッ。足先から接地し、膝を曲げて衝撃を吸収、続いて掌を接地させて肩と肘で衝撃を吸収。

だめだ、吸収し切れない。

顎と顔面を地面に強打するのを回避するため、右足を蹴って、左肩から地面を転がる。

ガツン、ゴロゴロゴロ。ジーン……。


ふう、何とかほぼ無傷でソフトランディングできたようだ。

しかし、のんびり感慨に浸ってはいられない。

ハーピーの追撃がくる。

火竜が頭上に面炎を発動し、地竜は追いすがる赤顔の催眠音波を出すハーピーを一匹仕留めた。

俺はひたすら走って大木からの距離を稼ぐ。

走りながら魔力が回復したところで、頭上と背後に各1枚の石炎盾を出す。

そしてひたすら走る、走る。


300mも走っただろうか。

気が付いてみるとハーピーの攻撃は、もはやさほど激しくない。

上空では多数羽が旋回しているし、催眠音波のテルミン音は流れ、風刃も散発的に襲って来る。

しかし、行きに感じたほどの猛攻ではない。

やはり、巣から離れつつあるので、流石のハーピーも特攻は掛けて来ないということか。


全力疾走からジョギング程度にまで速度を落とし、息を整えながら先へ進む。

ハーピーの攻撃はさらに薄くなった。

滞空攻撃陣は俺の真上ではなく、後方上空を旋回して巣への再接近を警戒する雰囲気にとどまっている。

ハーピーも去る敵にむやみに手を出して命を落としたくないのだろう。


見れば行きに倒したハーピーの死骸や、弱々しく蠢くまだ息のある瀕死のハーピーがそこここに散乱している。

赤顔とピンク顔、そして白顔でも体の大きい奴がランクCということなので、サクッと魔石を取り出して確保することにした。

瀕死の奴は放置しても苦しんで死ぬだけなので、とどめを刺して楽にしてやった。


尾根道も終わりに近づいた頃、警戒するハーピー群とはかなり距離が出来ていた。

確保した魔石は21個、最後となるハーピーは解体して食用に肉も確保した。

そして尾根道から藪に入り、ハーピーの群れからは完全に決別した。


山の麓の開けた場所で火をおこし、ハーピーの肉を焼いて食事を摂る。

ふと気が付くと、地竜と火竜が、そわそわしてなんだか態度が変だ。

何か言いたそうにしている。

もしやと思って自己確認してみると、『双竜』が消えて代わりに『参竜』になっている。

「え、これって3体目の竜を呼べるっていうこと?」

地竜も火竜も、なぜかもじもじ。


「参竜顕現」と念じてみる。

ポッと三体目の竜が現れた。

双竜と同じような大きさ、形、透明度。ただ色調は、気持ち青っぽい。

{……}無言だ。目を閉じて浸っているような雰囲気を醸している。


地{なんとか言ったらどうだ}

火{げ、よりによって水竜}

水{うわっ、地竜。それに火竜っ娘も!?}

どうやら三体目は水竜らしい。

そして竜達はその属性によって苦手な相手がいるようだ。


「あなたは水竜だね」

水{(コクン)}

無言で頷く水竜。無言でも頷いているのが思念で判る。

「俺は桐生将人だ。よろしくな」

水{……よろしく}

シャイな竜のようだ。


「水竜っていうからには、水魔法が使えるんだよね」

水{(コクコク)}

「やってみて」

水竜は、しばらく考え込んだ後、

水{あるじの器の制約が厳しい。なのであまり使えない。一つはこれ}


天から何かが落ちて来た。

ズドン!地面に穴が穿たれた。

水{落滴ドロップ。範囲を広げられる。その分威力は低下する}

ドスドスドスッ。直径1m程度に数10個の小さな穴が開いた。

水{それときり

これは範囲魔法のようだ。縦横高さ10m程度の空間が真っ白になった。


「隠し芸はどんなのがある?」

水{カクシゲイ?}

地{技能系魔法のことを言っている}

水{ああそれなら、錬金れんきん

「錬金術!?きたー!金が作れるのか!?」

首を振る水竜。

水{(フルフル)あるじの制約で無理。金属なら鋼が精一杯。あとは毒、酸、油なんか}


「ということは、毒霧なんかも出来るのか」

水{(コクン)}

「油霧も?」

水{(コクン)}

「蜜を出すことなんかは?」

水{(フルフル)でも少しだけなら甘くできる}

これは色々と楽しみだ!


さてと、俺の水魔法は何ができるのかな?

水弾とかだろうか。違う。水の矢?違う。

結局出来たのは、指先から勢いよく出した水流で物を切る水流刃カッターフロウ

威力も射程距離もイマイチだが、10本の指から各1秒の同時噴出が出来るし、1本に絞ると10秒ほど連続噴射が出来る。

石礫や火球とは系統が違う攻撃魔法なので使い道はありそうだ。


技能系魔法の方は、なんと『製薬』。

まず透明な小瓶に入ったベース液ができて、そこに体力を注入すると回復薬、魔力注入で魔力充填薬、霊力注入で霊力充填薬、薬草を入れると傷薬。全部盛るとエリクサー。

そして注入量に従って、下、中、上、特上、極上が出来た。更に上に『究』というランクがあるらしい。

魔力充填薬の魔力回復量でいうと、下が1、中が5、上が10、特上が25、極上が50だ。


余力のある時に極上シリーズを作ってストックしておくのもいい。

まあ、どう持ち運ぶかの問題があり、特に荷物の重い現時点では、極上5種類各1本にとどめておこう。

毒消し草をみつけたら毒消し極上も作りたい。

回復速度を速める魔力回復薬、霊力回復薬はなぜか作れなかった。

これは薬屋で見つけたら買うことにしよう。


色々試しているうちに、すっかり暗くなった。

今日はもう寝る。

樹上にテント無しの風通しの良い寝床を作って、眠りにつくのであった。

雨降ってくれるなよ。


現在の魔力量は87。標準威力の魔法の連発は5つまで。

霊力量は79、リングによる割増分16を加えて、最大霊力95。

参竜の常時顕現可能、参竜通算で標準威力の魔法は6連発まで。

*****


クリュウ・マスタ 自由人

素養

 言語対応

   東方共通言語/古代神聖文字←NEW!

 鑑定

   自己鑑定

 魔術

   練魔素

   生活魔法

     飲料水/パン/浄化/着火

土魔法C

     石礫C/土槍E/石盾

   火魔法C

     火球C/炎盾

   水魔法G←NEW!

     水流刃G←NEW!

植物利用

     成長促進/植物素材

   金属加工

     変形/修復

製薬←NEW!

 精霊術

   練霊素/精霊の声/参竜気←NEW!

     

 超取得/超成長/超回復/知覚同調/竜知覚(抑)


スペック

 FL34-116C(2938)←UP!

 フィジカルレベル34←UP! 

 戦闘力116←UP!

 ランクC

 次のレベルまであと経験値2938

 

 ML31-87/87C(1291)←UP!

 マジカルレベル31←UP!

 魔力量87←UP!

 ランクC

 次のレベルまであと魔術経験値1291


 SL30-95/79(+16)C(229)←UP!

 スピリチュアルレベル30←UP!

 霊力量79←UP!

 ランクC

 次のレベルまであと精霊術経験値229


スキル

 剣術B/槍術G/投石術F/格闘術A/盾術C←UP!


装備

 ミスリルソード150/ミスリルスーツ180/ミスリルフード100/

 ミスリル手袋50/ ミスリルブーツ50/ミスリルリング(+20%)

鉄短剣(良質)6


主なアイテム

 ミスリルナイフ/回復薬上・極/傷薬下・極/毒消し下/防眠薬下/万能薬下

 魔力充填薬極/霊力充填薬極/エリクサー極

 各種金貨/各種宝石

 風魔石C21(ハーピー)


所持金 126G


(注)ランクG=初心者 F=劣る E=普通 D=良い C=優秀

      B=傑出 A=達人級





ランクCの説明を、トップクラス→傑出 に変更しました。


イメージとしては、E普通は中間40%、D良いはその上18%、C優秀はその上10%、Bは上位2%。

A達人は、1万人中に1~2人いるかどうかというレベル。


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