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二年参り

作者: 大豆小豆

 「ごきげん尿」

ふざけた挨拶と共に背中を軽く叩かれる。幸子が振り向くと、見覚えの無いおばちゃんが満面の笑みを浮かべていた。

お焚き上げの炎が柔らかな陰影を辺りに落とす境内。

遠くから聞こえる除夜の鐘が二人の間を通り過ぎる。

たっぷり逡巡した後、意を決した幸子は愛想笑いと共に挨拶を返す。「ごっ、ごきげんにょう」

「尿!? 尿だって! お嬢ちゃん面白いわー」

甘酒の匂いを笑い声にのせて尿を連呼する見知らぬおばちゃんに、幸子は愛想笑いを張り付かせたまま涙を浮かべた。

無遠慮にばんばん肩を叩かれ、尿を連呼されながら、幸子は2015年の新年を迎える。

ハッピーニョーイヤー。

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