vol.Ⅲ✧ラルシェール✧
この小説は前にも記した様に、sucre*が作成したものです。私のブログ autumn ✿ diaryに公開していたものを、"小説家になろう"さんにご投稿させて頂いています。 ID:love-cosumo
心友 李々姫と別れ、
世界旅行に旅出た そららは、社長令嬢 如月 璃屡と(りる)と出会い、
宝石と毛皮の国 ジュリラへと足を踏み入れることとなった。
そららと、りるの運命はいかに!?
✧恋も旅も友達も丁寧に✧ 素敵な純粋ストーリー。
待ちに待った―
ジュリラに到着!!
ジュリラには、一泊するのだ。
キャリーバッグを取り出さなくては。
そして、私は荷物受取場へと向かった。
『あれ…』
私の荷物が―ない…。
「はい」
私のキャリーバックが、りるの手に…
『あ、ありがとうっ!!』
りるは微笑む。
「キャリーバックは邪魔だから、もう直接 ホテルに送っといてもらお?
あ、あと、一緒に店、回ろうよ。…ねっ!」
私はコクン、コクンとうなづく。
そして、私たちは空港を後にし、ジュリラの街へと入って行った。
"ク・アンシェ公園"
アンティーク調な公園をゆっくり、散歩する私たち。
辺りは、木々が紅葉を迎えていて、綺麗だった。
「綺麗な公園ね」
思わず笑みがこぼれる。
『うん…!世界の中で一番きれいかもⓦ』
りるは、大爆笑した。
私も、もらい笑いをし、笑った。
今、ふと 思いついたのだが、
りると一緒にいると、なぜだか気持ちがほかほかする。
なんだか、ほっこりして
気持ちがゆるまる…。
気の許せる、いい友達になれたのかもしれない…。
『ジュリラの季節は、秋なんだねっ』
「そうなの、秋なの」
『いいよね…秋って』
「うん―…そうだよね~………あっ」
『どうしたの?』
「ほら見てっ、空に虹がかかってるよっ」
『…!』
綺麗な、七色の虹。
雨上がりの、しっとりした空気に包まれて、
虹はきらきらと煌めく。
『綺麗だね―…』
「………そうだっ!!」
『!?』
何か素敵なことを思いついたようなりるは、私の手をつかみ、走り出した。
『な、何なの?急にっ』
「幸せの青い鳥を見つけにいくのっ」
『…??何で虹で幸せの青い鳥思い出した!?』
「まぁ、それは後でわかることよ!!走ろっ!!」
私たちは、息切れする程、思いっきり走った。
しばらくして、心臓がバクバクいって、うるさくなった頃。
私たちは、そこらのベンチに座り、休んだ。
「ふへー…、良い運動になったぁ…」
『そうだねぇ…』
「…ここで一回 紅茶でも飲もう?」
『うん…五分ぐらい休みたい気分だった…』
りるは、水筒からコップに、紅茶を注ぐ。
辺りの気温と、紅茶の温度の差が激しいみたいで、
もくもく、ふわふわと湯気が出る。
「はい、どうぞ」
りるに紅茶を貰って、私は手を暖める。
手が、かじかみ気味だったのが、するするとほどける様に、
じわじわ、暖まってくるのを感じることができる。
りるは、紅茶をごくんと飲みほした。
「ねぇ、そららはもしかしたら、猫舌?」
『うん、そうなの…。でもね、丁度 手がかじかみ始めちゃってたし、
手を暖めてから飲もうと思って…。』
「じゃあそららの手、暖かいんだ!!…んじゃあ…」
『…!!冷たッ!!』
りるの手が、私の手に触れる。
『う~、やめて~~~』
「あ~、本当 暖か~い」
二人でフザケあって、笑い合った。
『…あ、話変わるけど、幸せの青い鳥って…何?』
「あァ、噂なんだけどさ、…ここ ジュリラにね、
ラルシェールっていう雑貨屋さんがあって、そこには
幸せの青い鳥のタマゴが売ってて、普通の人は、その
タマゴ、見えないんだけど、そのタマゴが選んだ人だったら
見えるっていう…。それを、確かめようと思って、今、ラルシェールに
向かってるとこだよ。」
そうか…。噂検証ってヤツね。
『面白そうだね、…そうと聞いたら早く行きたくなってきた✧』
私は、りるにコップを返し、バッグを持って、立ち上がった。
『行こう!!ラルシェール!!!』
「幸せの青い鳥のタマゴ、見つけにね!!!」
そうして、私たちは、青い鳥を見つけに、ラルシェールに
向かったのである。