vol.Ⅱ~友情の花~
この小説は前にも記した様に、sucre*が作成したものです。私のブログ autumn ✿ diaryに公開していたものを、"小説家になろう"さんにご投稿させて頂いています。 ID:love-cosumo
心友 李々姫と別れ、
世界旅行に旅出た そららは、ある一人のセレブお嬢様に出会う―…
彼女との出会いは、そららの運命をどう変えるのか―…
✧恋も旅も友達も丁寧に✧ 素敵な純粋ストーリー。
飛行機の窓から見るソラには、
鳥もいなく、
ただ あるのは
滑らかな雲だけ。
私は携帯の電源を切ってあるのを再確認し、
メールの内容を思い返していた。
『愛棒…ね』
これから行く国、”ジュリル”は、
宝石と毛皮で有名な国で、
セレブだけ入れる国。
そんな庶民禁制国 ジュリルは、
庶民の格好ではいけないそうだ。
―そんなセレブ達が向かう飛行機、
この飛行機は、着飾ったセレブがたくさん乗っていた。
キツネの毛皮の上着を羽織い、ワインを飲む女の人。
自分が付けている指輪を眺める男の人。
なんだか、私には場違いのように思えた。
「ねぇ貴女、ジュリルで何をお買いになるの?」
『あっ』
ショッキングピンクの、ミニスカワンピと、
煌びやかな銀色のアクセサリーをつけた
いかにもセレブな女性(これからセレブ嬢と呼びます)だった。
『あ、あの その、私は世界旅行のチケットの
応募にあたっちゃって…。あなたみたいにセレブじゃないですし』
「セレブ…ね。 …そんな馬鹿な!」
私はえっ、と漏らしたが、
すぐ口をふさいだ。
「貴女のどこがセレブなのよ。」
―とかいっちゃって…。
「ねェ、貴女。私たち、なんか 運命を感じない?」
『え!?』
「ふふっ」
セレブ嬢は、指に はめている
いかにも高級な指輪を、ひとつ外した。
「はい、これ。」
『あ、え……っえ??』
セレブ嬢は、にこっ、と微笑んだ。
「友達の証よ」
『でも、こんな高そうなもの…』
「高くないわ、安ものなんだけど、…ごめんなさいね?」
絶対高いな…
ダイアモンドがちりばめられてるし…。
『も、もらえませ…』
「あのね、貴女、そこは"ありがとう"の一言だけでいいの!
深く考えすぎるのはだめよ」
『はぁ…そうですか』
「はい、一言は?」
『あ、ありがとうございます』
「そう、その一言でいいのっ
…あ、えと 申し遅れました、如月財閥の社長の娘、
如月 璃屡です」
『…財閥って…』
いかにもお嬢様系っぽいムードを醸し出している。
『私は雫川 そららです』
「そらら…ⓒちゃんね!まぁ、りるって軽く呼んで✦」
『あ…は、はいっ…解りました』
これが、私と りるの出会い。
その瞬間に、もう 友情の花は芽吹き始めていた――…。