発見
ジョスはただの平凡な若者だった。毎日同じ日常に閉じ込められていた。
しかし、ある超自然的な出来事が彼の世界を揺るがし、彼はすべてを一から始めることを余儀なくされる。
理由も分からず、頼る者もおらず、望んでもいない運命を背負わされた彼は、未知に満ちた新たな現実に立ち向かわなければならない。
選ばれたのか? それとも間違いだったのか? あるいは、ただの終わりの始まりにすぎないのか?
もはや見慣れた世界ではない場所で、ジョスは気づくだろう——すべての再出発が平和をもたらすわけではない。
中には、本当の戦争への序章となるものもあるのだと。
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第2章:発見
10月25日 午前10時(出来事から2日後)
瓦礫の中から手が突き出る。
大きな苦痛と努力の末、ジョスは自分をほぼ埋め尽くしていた瓦礫から這い出てくる。周囲にはただ砂、割れた石、残骸、そして埃しかない。太陽が容赦なく照りつける。
這い出た後、彼は周囲をかすかに見渡す。すべてが破壊されている。風景は、破壊、沈黙、そして暑さの入り混じった世界。彼は言葉も発せず、ゆっくりと体を起こす。
「わあ…ここで何があった? 今日は何日だ?」と、困惑しながらつぶやく。
突然、頭に鋭い痛みが走り、直前に起きたことを思い出す。
「ハァアアッ…そうか、あれが起きたんだ…」
彼は苦労して立ち上がり、周囲を見回す。
「まずいな…これからどこへ行けばいいんだ?」
その時、遠くにかすかな光を見つける。彼は微笑む。
「そうか…あそこに行けばいいんだ」
彼はゆっくりと、ぎこちない足取りで歩き始める。光はかすかにしか見えない。
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「3時間後」
顔には疲労、汗をかき、両腕をだらりと垂らして砂の上を進んでいく。
「おかしいな…もう2時間以上歩いてるのに、あのクソ光が近づかない」
喉が渇き、混乱しながら彼は考える。
「これが幻覚だったら、マジで最悪だ…」
30分後
ついにジョスは光の源にたどり着く。それは太陽の光を反射していた、ただの割れたガラス片だった。彼はそれを嫌悪と落胆の眼差しで見つめる。
空を見上げ、苦い笑みを浮かべ、右頬を一筋の涙が流れる。
「なぜ俺なんだ…クソッ!!」
彼は必死に怒りを爆発させる。砂を蹴り上げ、手で掴んでは空に放り投げ、仰向けに倒れる。
しばらくして…
「んー…これからどうすればいい?」
空を見上げ、驚く。
「あれは…? ひび割れに見えるな」
巨大なひびのような亀裂が空を覆っている。それは空中に浮かぶ割れたガラスのようで、縁は虹のような色で輝いていた。
「すごい…まるで世界の終わりみたいだな…」
「なぜだよ!!! ちょうど18歳になったばかりだぞ! 金持ちになって人を使う夢も叶ってないのに!」
彼は自分が豪華なスーツを着て、宮殿に住み、金に囲まれ、部下を働かせている姿を想像する。
だが現実に引き戻される。
ため息をつき、再び砂の上に倒れ込む。今度は横向きに、悲しそうな表情で。
「くそ、腕が…あの奴のせいで怪我した…」
彼は考える。
「一体あれは何だったんだ…悪魔か? 魔法使い? サキュバス?」
彼は眉をひそめ、不敵に笑う。
「いや、違うな…サキュバスって、普通もっと可愛いはずだろ…」
彼は苦労して立ち上がる。
「さてと…どこかに行かないと。あれから何も食ってないしな…」
彼は目的もなく歩き出す。どんどん遠ざかっていく。
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「1日前と数時間前」
国家安全本部
塔やアンテナに囲まれた巨大施設。駐車された車両と警備兵が見える。
作戦指令室にて:
「マリア、報告しろ!」
「こちらです、司令」
マリアは書類の入ったファイルを手渡す。
「シリ司令、正体不明の存在によって襲撃されました。攻撃が始まってから、3つの基地が陥落しました」
「その忌々しい存在の正体を突き止めろ。弾丸もミサイルも効かないんだぞ!」
「了解です、司令!」
その時、地震が建物を揺らす。
全員がバランスを崩し、アラームが鳴り響き、赤い警告灯が点滅する。
シリは倒れないようにコンソールに手をつく。天井の一部が揺れている。
彼は外部カメラの映像が映し出されているメインモニターを見上げる。そこには巨大な亀裂が空に出現し、それはまるで砕けた鏡のようだ。そこから暗く輝く物体が降り始めていた。
「これは…一体何が起きているんだ…」と、司令官は呟いた。
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