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赤い侍

ジョスはただの平凡な若者だった。毎日同じ日常に閉じ込められていた。

しかし、ある超自然的な出来事が彼の世界を揺るがし、彼はすべてを一から始めることを余儀なくされる。

理由も分からず、頼る者もおらず、望んでもいない運命を背負わされた彼は、未知に満ちた新たな現実に立ち向かわなければならない。


選ばれたのか? それとも間違いだったのか? あるいは、ただの終わりの始まりにすぎないのか?


もはや見慣れた世界ではない場所で、ジョスは気づくだろう——すべての再出発が平和をもたらすわけではない。

中には、本当の戦争への序章となるものもあるのだと。



---

第18章: 赤い侍


RIKUとYINは警戒しながらケンタウロスを通した。


「マリア、JhosとShiroを呼んで」

リクはマリアが入ってくるのを見て命じた。


「は、はい…」と彼女は緊張した声で答え、ベルが後に続いた。


ケンタウロスが村に入ると、村人たちはすぐに身を隠し始めた。

家に閉じこもる者、守られた場所へ走る者、皆が明らかに恐れていた。


マリアはベルと共に急いでJhosとShiroの元へ向かった。


「Jhos、Shiro!ケンタウロスの一人が戻ってきた!」

マリアは息を切らして言った。


「何…?また襲撃に来たのか?」とJhosは驚き、立ち上がった。


「これで終わりにしよう」

シロは拳を握りしめた。


「ち、違う!待って…彼は攻撃しに来たんじゃなくて、話があると言ってるの」

マリアは慌てて答えた。


「厚かましい奴だ!」とJhosは怒鳴った。


「襲っておいて…話だと?殺してやる!」とJhosは言った。


「まったく頑固だな…ロバみたいだ」

ベルが皮肉を込めて口を挟んだ。


「とにかく話を聞いてみなさい。もしかしたら…謝りに来たのかもしれない」

マリアはあまり自信のない声で言った。


「謝罪…だと?」

Jhosは嘲笑しながら笑った。「ハハハ…」


「何人だ?」とShiroが真剣に聞いた。


「一人だけよ」

マリアが答えた。


「じゃあ会いに行くか」

Jhosがついに言った。


「マリア、その間Gralを見張ってくれるか?」


マリアは一瞬迷い、視線を落とした。


「心配するな、マリア。あのオーガが君に恋することはないさ、君が読んでる雑誌みたいには」

ベルが冗談を言った。


「分かったわ、見張っておく」

彼女はため息をつき、しぶしぶ承諾した。


「よし。で、そのケンタウロスはどこだ?」

シロは手袋を締め直しながら尋ねた。


「酒場よ。リクとYinと一緒にいる」

マリアが答えた。


マリアはベルの腕を取って、Gralを鎖で繋いでいる部屋へ向かった。

その間にJhosとShiroは急ぎ足で酒場へ向かった。そこにはリク、Yin、そしてケンタウロスが待っていた。



---


酒場の中は張り詰めた空気に包まれていた。

堂々と立つケンタウロスは、剣と弓を見える位置に置いていた。

リクは真剣な表情を崩さず、Yinは腕を組んで彼を見つめていた。


「それで?何の用だ?」

リクが遠慮なく尋ねた。


「その前に…あなたがこの村を仕切っているのか?」

ケンタウロスが低い声で問いかけた。


「そんなところだ」

リクは感情を見せずに答えた。


「本当のリーダーと話がしたい」

ケンタウロスは淡々と言った。


「時間がかかるぞ」

Yinが口を挟んだ。

「それまでに、なぜ戻ってきたのか説明してもらおう…襲撃してきた後でな」


「私は襲っていない。おそらく別の部隊だ」

ケンタウロスはきっぱりと答えた。


「だが襲ったのはお前たちの種族だ!」

Yinが苛立ちながら言い返した。


「ああ…だがこの場所を襲ったのは私ではない。別の部隊の仕業だ。王の命令に従っただけだ」

ケンタウロスは冷静に説明した。


リクはじっと視線を外さず、Yinは歯を食いしばった。

二人とも彼を信用していないようだった。


その時、酒場の扉が開いた。

JhosとShiroが入ってきて、すぐに状況を見極めた。

二人はケンタウロスを警戒しながら見つめた。彼は剣と弓をすぐに取れる位置に置いたままだ。


「お前は誰だ?」

シロが冷たく問うた。


「名乗る必要はない」

ケンタウロスは一切ためらわず答えた。


「じゃあ何の用だ?」

Jhosが鋭く問うた。


「我が王があなた方と話したがっている。本当のリーダーとだ」

ケンタウロスは今度はJhosを真っすぐ見た。


「話?何の件でだ?」

リクはさらに緊張を強めた。


「赤い剣士の件だ」

ケンタウロスは答えた。


「剣士…?」

リクは驚いて繰り返した。


「なぜ俺と話したい?」

Jhosは疑いの眼差しを向けた。


「あなたは1200年ぶりに悪魔を倒した最初の人間だからだ」

ケンタウロスはそう言った。


重い沈黙が場を支配した。

全員がJhosを見た。

彼は言葉を失い、その場に固まっていた。今聞いたことに驚きを隠せなかった。



---


午前6時、数年前。


RIKUは勉強のために目を覚まし、母親たちに言われた言葉を思い出した。


「何事も一番でなければ、お前は何者にもなれない」

それはリクの記憶の中の言葉だった。


幼い頃から、地位が尊厳よりも重要視される国で、プレッシャーを受け続けていた。


年末試験に向け、暗記と復習を繰り返す。


「RIKU!!!どこにいる!」

リクの母親の声。


酔った母親がベルトを手にドアを開け、怒りの表情を浮かべていた……



---


続く



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