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予期せぬ襲撃

ジョスはただの平凡な若者だった。毎日同じ日常に閉じ込められていた。

しかし、ある超自然的な出来事が彼の世界を揺るがし、彼はすべてを一から始めることを余儀なくされる。

理由も分からず、頼る者もおらず、望んでもいない運命を背負わされた彼は、未知に満ちた新たな現実に立ち向かわなければならない。


選ばれたのか? それとも間違いだったのか? あるいは、ただの終わりの始まりにすぎないのか?


もはや見慣れた世界ではない場所で、ジョスは気づくだろう——すべての再出発が平和をもたらすわけではない。

中には、本当の戦争への序章となるものもあるのだと。



---

第14章:予期せぬ襲撃


ジョス、マリア、リク、イン、シロ、そしてベルは、救出した人々とともに村へ向かっていた。その中には捕らえたオーガも含まれていた。


「このオーガをどうするつもりだ?」とリクが尋ねた。


「少し質問させてもらう。」とインが答えた。


その瞬間、ベルの表情が挑発的なものに変わり、オーガを見つめた。


彼らが穏やかに村へ向かって進んでいると、突然、空に煙が立ち上っているのが見えた。


「その煙はどこから?」とマリアが尋ねた。


「煙?どこだ?」とジョスが周囲を見回した。


「あそこよ。」とマリアが指差した。


「あの煙…村の上じゃないか!」とインが叫んだ。


全員が一斉に村の方へ走り出した。


「何が起きたんだ?」とインが走りながら聞いた。


「分からない、だが確かめないと。」とリクが答えた。


村に着くと、目の前には焼け落ちた建物と炎が立ち昇る惨状が広がっていた。負傷者がおり、必死に火を消そうとする人々もいた。


「ここで何が…?」とジョスは心の中でつぶやいた。


「火を消すんだ!」

「ジョスとベルは負傷者を助けて!」とリクが指示した。

「はい!」と全員が返事をした。


シロが氷を使って炎を抑え、ほとんど瞬時に火を消し止めることができた。


「負傷者を全員診療所へ運べ。」とジョスが命じた。


そのとき、ヒマリが駆け寄ってきた。


「ジョス!馬の男たちに襲われたの!」と息を切らしながら言った。


「…馬の男?」とジョスが困惑して尋ねた。


「ジョス、手伝って!」とインが割って入った。


「人々を助け終わったら、その馬の男について話してくれ。」とジョスが言った。


「うん…」とヒマリはうなずいた。


負傷者の手当を終え、状況が落ち着いた後、全員は捕らえたオーガのいる部屋に集まった。


「ベル、ヒマリから村が馬の男に襲われたと聞いた…何か知っているか?」とジョスが聞いた。


全員がベルを見た。


「ええ、でもこのオーガに聞いた方が早いわ。」とベルは落ち着いた声で答えた。


その瞬間、オーガが目を開けた。周囲を見回すと、鎖を引きちぎろうと暴れ出した。


「動かないほうがいい。」とシロが冷たく言い、氷の杭をオーガの首元に突きつけた。


「なぜ俺を殺さなかった?」とオーガが低い声で問うた。


「まず名前を教えろ。」とリクが言った。


「グラルだ。」とオーガは真剣な眼差しで答えた。


「よし、グラル。質問に答えてもらうぞ、いいな?」とインが言った。


「お前たち全員を殺してやる。」とグラルが吐き捨てた。


シロが杭を首に押しつけると、グラルは観念したように大人しくなった。


「…分かった。」と渋々言った。


「ヒマリ!」とジョスが呼んだ。


ヒマリはシンとビリーと共に部屋へ入ってきた。オーガを見ると、かつての襲撃を思い出し、マリアとリクの背後に隠れた。


「大丈夫だ、こいつはもう何もしない。」とインが言った。


「ヒマリ、誰が村を襲ったのか話してくれ。」


ヒマリは震えながらもオーガの前に立った。オーガは彼女を威圧するように見下ろした。


「馬の男たち…」と彼女は言った。


「具体的には?」とマリアが尋ねた。


「体の半分が人間で、もう半分が馬だった。」とヒマリが答えた。


「その説明に心当たりはあるか、グラル?」とジョスが聞いた。


グラルはジョスを見てから、氷の杭を構えるシロに視線を向けた。


「ケンタウロスだ。」と答えた。


ベルは瞬きもせずにグラルを見つめた。


「ケンタウロス?」とシロが繰り返した。


「強力な種族だが、オーガには劣る。」とグラルが断言した。


「なぜ俺たちを襲った?」とリクが尋ねた。


「知らん。俺は奴らの仲間じゃない。」とグラルが答えた。


「ケンタウロス…」とジョスは心の中でつぶやいた。


「じゃあお前たちは何者で、なぜこの世界に来て、俺たちを襲うのか教えろ。」とジョスが鋭い目で言った。


「もう知っているだろう…お前の隣に悪魔がいるじゃないか。」とグラルがベルを見ながら言った。


「この悪魔は何も話そうとしない。だからお前が話せ。」とインが加えた。


「なぜ俺が話す?」とグラルが返した。


シロがさらに杭を押し込み、グラルは観念した。


「…はぁ…分かった。知っていることを全部話す。」


全員が黙り、耳を傾けた。


「俺たちがここにいるのは、封印が解かれたからだ。1200年前、この世界には12の種族が存在していた。天使、悪魔、オーガ、オーク、ケンタウロス、巨人、獣人、人魚、エルフ、ドワーフ、上位存在、そして人間だ。


当時、12の王国は戦争状態にあった…だが、その日が訪れた…そして、あの人間が現れた。」



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