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第39話 交差する野望 《別視点あり》

気付いたらもう10万字か!!!

そんなに書いていたとは。。。


これからもよろしくお願いします!!

 聖国協商共栄圏の発足から数週間、ノルデン自由連邦国の経済は急激に活性化していた。


 各国との交易が拡大し、新しい産業も次々と芽吹き始め、街の景観は日ごとに変わっていく。ノルデンの発展は、俺が思っていた以上に速いペースで進んでいる。




「エルターナ様、ノルデンの最新の貿易収支報告です。リュクシス公国からの輸入品が大幅に増加しています。特に鉱石資源の輸入量が2倍近くになっており、これは製造業において大きな追い風となるでしょう」


 リリアンが報告書を片手に、満足げに微笑んでいる。彼女は相変わらず仕事が早い。



 俺は報告書に目を通しながら、思わず口元がほころんだ。



「順調だな、まさに共栄圏の効果が現れている。これで我々の経済基盤はさらに強固なものになる」



 ノルデン自由連邦国、大イギリシア帝国、リュクシス公国、共和政アルテウスの4カ国からなる聖国協商共栄圏は、単なる貿易協定に留まらず、軍事同盟としての性質も持っている。


 それにより、各国が相互に利益を得る形で成長している。



 だが、そんな成功の裏で、不穏な動きが水面下で進行していた。



 聖国協商共栄圏の拡大に危機感を抱く者たちがいる。



 それは、マレフィクス王国、アーデン王国、そして皇治連邦シャドウルアの3カ国だ。



 この3カ国は、ノルデンを中心とした共栄圏が軍事的にも経済的にも力を増すことを脅威とみなし、合同会談を開催することを決定したという報告が届いた。



 俺はその知らせを聞いて、少なからず警戒心を抱いた。


 ノルデンが成長すればするほど、対抗勢力もそれに応じて動き出す。俺たちの発展が他国にどう影響を与えているのか、改めてその現実を突きつけられた。








 マレフィクス王国、アーデン王国、そしてシャドウルアの合同会談が行われている場所は、マレフィクス王国の壮大な宮殿だった。


 王室の長い歴史を誇るその宮殿には、荘厳な空気が漂っている。三国の代表たちは、厳しい表情で向かい合っていた。




「聖国協商共栄圏……あれは我々の存続にとって大きな脅威となる。特にノルデンの成長は目覚ましく、彼らがこのまま勢力を拡大すれば、我々の国々が圧迫されるのは時間の問題だ」



 そう言ったのは、マレフィクス王国の王であるハーヴェル2世。


 彼の強い口調が、会議室内の空気をさらに重くしていた。




 それに応じるように、アーデン王国の国王アシュレイは厳しい表情で頷く。



「その通りだ。我々アーデンも、ノルデンの急速な発展を無視することはできない。彼らが持つ経済力と軍事力が結びついたとき、我々にとって脅威となるのは確実だ。早急に対策を講じなければならないな」





「だからといって、戦争を起こすのは得策ではないだろう?我々はまず外交的に圧力をかけ、共栄圏の勢力拡大を防ぐ必要がある」


 シャドウルアの法皇アナクレトが冷静に意見を述べる。彼女の眼差しは鋭く、戦略的な思考が感じられた。


「我々が連携すれば、聖国協商共栄圏に対抗する力を十分に持つことができるだろう。だが、慎重に行動しなければならない。ノルデンもイギリシア帝国も、すでに強大な力を持っているからね」








 一方、ノルデンでは、俺はこの情勢を冷静に見守っていた。


 情報網からは、対抗勢力が動き出したとの報告が相次いでいる。



「エルターナ様、マレフィクス王国、アーデン王国、シャドウルアの3カ国が合同会談を開き、聖国協商共栄圏への対抗策を模索しているようです」


 リリアンが報告書を手に、眉をひそめている。



 その内容を確認しながら、俺は考えを巡らせた。


「予想通りだ。彼らが何らかの反応を示すのは時間の問題だった」



 ノルデンの急成長は、他国にとって脅威となりつつある。


 だが、俺の望みはあくまで戦争を避けることだ。ノルデンが武力で他国を圧倒することが目的ではない。




「エルターナ様、戦争の可能性も視野に入れるべきでしょうか?」



 リリアンの問いに、俺は静かに首を横に振った。



「いや、戦争は避けなければならない。確かに彼らは警戒し、対抗策を練っているが、こちらから先に手を出すわけにはいかないな。彼らが動く前に、外交的な解決策を模索する必要がある」



 俺の言葉に、リリアンは真剣な表情で頷く。


「では、どのような形で対処すべきでしょうか?」




「まずは、情報戦だ。彼らの動きを細かく把握し、先手を打つ準備を整える。そして、我々が彼らにとって脅威ではないことを示しつつ、共栄圏の安定を図るための交渉の場を設ける。それができれば、無用な衝突は避けられるだろう」



 リリアンはさらに一歩近づき、小声で話しかけてくる。



「しかし、彼らが本気で攻撃を仕掛けてきた場合はどうなさいますか?」





 俺はその質問に、少しの間考えを巡らせた後、静かに答えた。



「その時は、我々も応戦せざるを得ない。しかし、戦争を選ぶのは最終手段だ。できる限りの外交努力を尽くして、戦火を避ける。それが、俺の使命だ」





 俺はリリアンに向けて頷き、決意を新たにした。ノルデンの未来を守るため、そして平和な世界を実現するために、俺はどんな手段をも講じるつもりだ。


 だが、対抗勢力が何を仕掛けてくるかはまだ未知数だ。


 交差する野望が世界を揺るがす中、俺たちは慎重に、そして賢明に行動しなければならない。

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