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第22話 君主たちの集い

 俺は最近、魔王復活の情報を受け取った部隊が帰還したことで、心が重くなっていた。


 魔王「ロタール・ヴェルフェン」とやらの名前が、再びノルデンの脅威となる可能性があるという報告が届いたからだ。


(魔王……ねぇ〜…。)


 これに対処するためには、迅速かつ徹底した準備が必要だと痛感している。



「すぐに会議を開かないとな」


 俺は決意を固め、幹部会議のメンバーを招集するための指示を出した。








 会議が始まると、各部門の責任者たちが一堂に会し、集まった。


 俺は、部隊からの報告をまとめた資料を広げ、厳しい表情でその内容を説明する。



「俺たちの周辺に新たに現れた魔王ロタール・ヴェルフェンは、かつての力を取り戻しており、再び脅威となる可能性がある」


「これに対する対策を早急に講じなければならない」



 エリザが手元の資料を見ながら、「防衛体制の強化が必要です。防衛の拠点を増設し、魔物との連携も強化するべきです」と提案する。



「それについてはすぐに手配しとくよ」 

 俺は頷く。


「グラント、建設の計画も進めてくれ」



「了解しました、エルターナ様」


 グラントは自信を持って答えた。



「セレスティア、外交の面でも動きが必要だ」


 俺は外交担当のセレスティアに視線を向ける。


「他国との連携を強化し、情報収集と支援を呼びかける必要がある」



「その通りです」


 セレスティアは頷きながら言う。


「周辺諸国との連携が重要です。具体的な計画を立て、交渉を始めます」






 会議が終わり内容をまとめた後、俺は心の中で次の一手を考えていた。


 魔王ロタール・ヴェルフェンとやらの復活という新たな脅威に直面する中で、外交面での強化が欠かせないと感じたのだ。





 そこで、コペンホルムに豪華な迎賓館を建設することを決定した。 



(まずは周辺諸国との連携が大切だろうな…。)



 これにより、周辺諸国の君主たちとの交流を深め、協力関係を築くことができるだろう。




「グラント、迎賓館の建設を急いで進めてくれ」


 俺はグラントを呼び、指示を出した。


「完成後には、周辺諸国の代表を招待し、交流の機会を設けたい」



「承知しました」


 グラントは力強く答えた。








 数週間後、迎賓館の建設が完了し、豪華で壮麗な外観を持つその建物は、コペンホルムの街の新たなランドマークとなった。


(さっすが、仕事が速いねぇ〜。)



 迎賓館は、各国の代表を迎えるために準備が整えられ、各国に対して正式な招待状が送られた。







 2日後、迎賓館での交流イベントが始まる日がやってきた。



 リリアンが俺の身だしなみを整えてくれている。


「エルターナ様!今回も、この青の礼服で臨みましょう!!」



(ん?ああリュクシスとの国交樹立の時に着たやつか。)


「そうだな。悪くない」


 俺はその服に袖を通し、執務室から出発する。






 広場には、贅沢な料理や装飾品が並び、豪華な宴の準備が整えられていた。


 俺はその光景を見ながら、心の中で成功を祈っていた。



「エルターナ様、準備は整いました」


 セレスティアが笑顔で確認を取る。



「ありがとう、セレスティア」


 俺は頷き、迎賓館の入口に向かった。




 到着した代表たちは、リュクシス公国のファドゥーツ公爵をはじめ、アーデン王国のエルマリス王、セリカ王国のローレンス卿、グランディア公国のエリス伯爵など、それぞれが緊張と期待の入り混じった表情を浮かべている。



(ずいぶんと集まってくれたもんだな…。)



「皆さん、ようこそノルデンへ」


 俺は歓迎の言葉を述べ、一人一人丁寧に挨拶をする。


「本日は、我々の国との交流の一環として、共に楽しいひとときを過ごせることを嬉しく思います」






 代表たちはそれぞれ、各国の特産品や珍しい品々を持参しており、料理や装飾品がテーブルに並べられ、宴が始まった。



 ファドゥーツ公爵は精緻な宝石と華やかな料理を持参し、エルマリス王は独自の芸術品を展示していた。

ローレンス卿は貴族的な衣装と珍しい飲み物を持参し、エリス伯爵は実用的な道具と美しい装飾品を持ってきた。



「エルターナ様、リュクシス公国のファドゥーツ公爵がその宝石を見せてくれています」


 セレスティアが耳打ちしてくる。



「ありがとう、セレスティア」


 俺はファドゥーツ公爵に歩み寄り、宝石の美しさに感嘆の声を漏らす。


「これほど美しい宝石を見たのは初めてですね。素晴らしい贈り物をありがとうございます」



 ファドゥーツ公爵は満足げに微笑む。


「ノルデンのためにお役に立てることができて光栄ですな」






 宴が進むにつれて、各国の代表たちと話を交わし、ノルデンとの交流を深めることができた。


 どの代表も最初は慎重だったが、次第にリラックスし、楽しい時間を過ごすことができた。




 また、各国の代表たちの間で、ノルデンがどのように発展しているか、そして我々の国との協力がどれほど重要であるかについての意見交換が行われた。


 多くの代表たちは、ノルデンの発展に感心し、協力の意志を示してくれたが、一部の国では依然として警戒心を持たれていた。


(やはりアーデン王国はまだ心を許してくれないな……。)




「エルターナ様」


 セレスティアが話しかけてくる。


「エルマリス王の表情からは「敵対したくない」という感情が見て取れます。我々が警戒する必要は無いでしょう」



(なるほどな…。アルテウス王国の二の舞いにはなりたくないんだろう…。)



「そうだな!気にする必要はないな!楽しんでくれているようだし!」



「それと、セリカ王国のローレンス卿が、我々の貿易提携に対して非常に前向きな意見を持っているようです」



「おーそれは良い知らせだな!」


 俺は満足げに頷く。


「他の国々との関係も、少しずつ良い方向に向かうといいな〜〜」






 交流イベントが終わる頃、各国の代表たちはそれぞれの国に帰る準備を始めていた。


 俺は改めて感謝の意を表し、それぞれの代表にお礼の言葉を述べる。



「今日は本当にありがとうございました。これからも、ノルデンとの良好な関係を築いていけることを願っています」


 俺は心からの言葉を込めて挨拶をした。



「こちらこそ、素晴らしいおもてなしをありがとうございました」


 リュクシス公国のファドゥーツ公爵が笑顔で応える。


「またお会いできることを楽しみにしておりますよ」







 代表たちが帰路につく中、俺は迎賓館の広場を見渡し、今日の交流イベントの成果を振り返った。



 ノルデンはまだまだ新しい国だ、大国と呼ばれるには程遠い。

 しかし今日、こうして多くの国の君主たちに国として認められて、わざわざこの地まで足を運んでくれた。

 「国と呼べない」ということはないだろう。


 初めてこの土地に来た時の事を思い出すと、よくここまでやってこれたものだと感じる。

 住人がゼドぐらいしかいなかった村が今では立派な首都だ。

 政府機関も整備され、軍隊もでき、多くの住民がいる。俺たちは国と呼ぶにふさわしい土地を持っているんだ。


 ……とりあえず一区切りつくことができる。

 だがもちろん、国に「完成」などはない。

 これからも進化し続けていく必要があるだろう。

  


 そんなことを俺は心の中で考えながら、明日、明後日、その先への準備に取り掛かる決意を新たにした。

これで第1章は終わりです!


既に第2章の分も出来上がっているので、引き続き投稿していきます!

キリも良いことですし、ここまで読んで面白かったと思ってくださった方は評価を頂けると励みになります!!

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