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第14話 不穏な動き

 俺、エルターナはノルデン自由連邦国の首都、コペンホルムの発展を見守っていた。


 街は新たに築かれた心臓部としての役割を果たしつつあり、その発展ぶりは幹部たちの期待を超えるものであった。



 コペンホルムという名前が決定したのは、幹部会議での議論の末だ。


 名前の案を出し合った結果、俺の提案が採用されたのだ。


(我ながら良い名前だろう。)




 幹部会議では、コペンホルムの名前が正式に決まると同時に、リュクシス公国から持ち帰った技術を用いた街の拡張計画が議題に上がっていた。


 新たな建設や改良が進む中で、首都としての体裁を整え、さらに発展させるための計画が進行中だ。


 俺はリリアンと一緒に、建設現場の視察に出かけることにした。





「エルターナ様、今日はどの現場をご覧になる予定ですか?」


 リリアンが質問してきた。

 彼女の目はいつも鋭く、興味津々である。



「まずは、商業区域の拡張工事を見に行こうと思う。そこが完成すれば、コペンホルムの経済がさらに活性化するはずだ」

 俺は答える。


 商業区域の拡張工事は、市民生活の向上とともに、国の財政にも良い影響を与えると考えていた。


「いいですね!あの新しい市場、どんな風になるのか楽しみです」


 リリアンが笑顔で言う。


「でも、現場が混雑しているかもしれないから、準備しておいた方がいいかも」



「確かに、混雑するかもしれないな」


 俺はリリアンの言葉に頷きながら、視察の準備を整えた。




 現場に到着すると、グラントが待機していた。


 彼は建設担当として、街の発展に尽力している。


 建設現場には、多くの作業員が忙しく働いている。



「エルターナ様、お待ちしておりました」


 グラントは真摯な態度で迎えてくれる。


「商業区域の拡張工事は順調に進んでいます。リュクシス公国から持ち帰った技術によって、効率的な工事が実現しています」



「それは良かった」

 俺は頷きながら、工事の進捗を見守った。


 新しい市場や商店の建設が進む中で、街の活気が感じられる。


(随分とこの街も大きくなったもんだなあ…。)



 広い通りには、まだ完成していない建物の骨組みが立ち並んでおり、未来の繁栄を予感させる光景が広がっていた。


「グラント、ここが完成すれば市民の生活も豊かになるだろうな」

 俺は笑顔で言う。


「そうですね。これからも安全第一で工事を進めていきます」


 グラントは笑顔で答えた。




「さて、次はゼドとトリスタンの研究所を見に行こう」


 俺はリリアンに言った。


 ゼドは魔法担当として、魔法の研究に取り組んでおり、トリスタンは技術担当として新たな技術の開発を行っている。


 彼らの研究がノルデンの発展にどれほど貢献しているかを確認するため、研究所の視察は欠かせない。




 ゼドの研究所に到着すると、彼は魔法の研究に没頭していた。


(研究熱心なやつだな…。)


 部屋には様々な魔法の道具や書物が散らばっており、神秘的な雰囲気が漂っている。


 ゼドは魔法の実験に集中しており、俺が入ってきたことに気づくと、振り返って笑顔を見せる。


「ごめんな、邪魔して」


「エルターナ様、お越しくださいましてありがとうございます」


 ゼドは挨拶をしながら、実験の進捗を説明した。


「新しい魔法の研究が進んでおり、近々効果的な防衛魔法が完成する見込みです」


「おーそうか、それは期待しているよ」


 俺は頷きながら、ゼドの研究内容を興味深く見守った。彼の研究が進むことで、ノルデンの防衛力がさらに強化されることを願っている。



「ゼドさん、魔法の研究って本当に面白そうですね。私も一度、実験を見学してみたいです!」


 リリアンが興味津々で言う。


(コイツに行かせたら色んなもんがブッ壊されそうだな…笑)



「ぜひいらしてください。魔法の世界は奥深いですから」

 ゼドはリリアンに微笑みかけた。


(おいおい、大丈夫かよ。)






 その後、トリスタンの研究所へ向かった。


 彼は新しい技術の開発に取り組んでおり、部屋には複雑な機械や装置が並んでいる。


 トリスタンは熱心に作業しており、俺が来るとすぐに顔を上げた。


(最初は胡散臭そうな奴だったが…、こうして見ると頼もしいな。)



「エルターナ様、お越しいただきありがとうございます」


 トリスタンは技術の進展を説明した。


「リュクシス公国からの技術を応用し、さらに効率的なエネルギー供給システムを開発中です。このシステムが完成すれば、コペンホルムのエネルギー問題が解決するでしょう」


「それは素晴らしい」


 俺はトリスタンの話を聞きながら、彼の努力に感謝の意を示す。

 彼の技術が街の発展に寄与することは間違いないだろう。


「エルターナ様、これが完成したら、魔力供給がかなり安定しますよ」

 トリスタンはさらに説明を続ける。



「それはいいニュースだ」


 俺は笑顔で答える。


「ただ、完成にはもう少し時間がかかると思うけど、焦らずに確実に進めてほしい」


「了解しました」

 トリスタンは頷いた。





 視察を終えた俺は、コペンホルムの街を歩きながら、今後の展望について考えを巡らせていた。


 商業区域の拡張、魔法の研究、技術の開発といった取り組みが進む中で、ノルデンの未来は確かなものになっていくと感じていた。




 だが、その矢先、セレスティアが不穏な情報を報告してきた。


「エルターナ様、アルテウス王国からの動きが不穏です。最近、軍事活動が活発化しており、警戒が必要です」



 セレスティアはアルテウス王国の軍事演習や兵力の増強について説明し、状況の深刻さを伝えた。



「了解した」


 俺は冷静に対応策を検討する。


「アルテウス王国の動きには注意しつつ、コペンホルムの発展を続けよう…。必要に応じて、防衛体制の見直しも考慮しよう…」


(異世界転生してまで、ガチ戦争とか嫌だからな?)




 さらに、シルヴァが新たな情報を持参してきた。


「エルターナ様、遠くの地で、かつて1つの国を滅ぼしたという強力な魔王が復活したという報告があります。この魔王は過去に多くの人命を奪った存在です。復活の兆しがあり、ノルデンにとっては大きな脅威となる可能性があります」



(魔王?そんなやついんの?)


「じゃあ…、その魔王とやらの動向を把握し、防衛体制を強化する必要があるな。情報収集部隊を編成し、対応策を検討しよう」


 俺は即座に指示を出した。







 日が暮れる中、コペンホルムの広場では市民たちが楽しげに過ごしている。


 祭りやイベントが開催され、街の発展を祝う華やかな装飾が施されている。


 市民たちの歓声や笑い声が、街の活気と繁栄を物語っていた。

 そんなコペンホルムの様子を見ながら、俺は自分の部屋でこの国の問題について考えていた。


(この国もまあまあでかくなったな。内政、外交、問題はまだまだ山積みか…。)




「エルターナ様、これからの幹部会議、どんな風に進める予定ですか?」


 リリアンが俺の部屋に入ってきた。



「エルターナ様、お疲れ様です」


 リリアンがにっこり笑いながら言う。


「今夜も作業をされているんですね。もしよろしければ、お茶をお持ちしましょうか?」



「ありがとう、リリアン」


 俺は微笑みながら答える。


「実は、今日の視察で得た情報を整理しているところだよ。コペンホルムの発展は順調だけど、アルテウス王国の動きや魔王とやらの復活には注意が必要だ」



「そうですね」


 リリアンはお茶を用意しながら言う。


「でも、エルターナ様がいると、どんな困難も乗り越えられると思いますよ。あまり無理をなさらず、リラックスすることも大切です」



「わかっているけどさ、どうしても考え込んでしまうんだ」


 俺は肩をすくめながら話す。


「それに、リリアンがいるからこそ、いろいろなことがうまくいっているんだ。君のサポートがなければ、ここまで来るのは難しかっただろう」



 リリアンはにっこりと微笑む。


「そんな風に言っていただけると、頑張っている甲斐があります。ところで、次の幹部会議の準備は進んでいますか?何かお手伝いできることがあれば、何でも言ってくださいね」



「次の幹部会議での議題を考えないとな」


 俺はメモを見ながら話す。



「それなら、私も会議の資料を整理しておきますね」


 リリアンは元気よく答える。


「エルターナ様がより良い未来を切り開くために、私も全力でサポートしますから」



 俺は感謝の気持ちを込めて頷く。


「ありがとう、リリアン。君の支えがあるからこそ、僕も頑張れるよ。さあ、少し休んでから、明日の準備を始めようか」



 リリアンはお茶を差し出しながら、笑顔で頷いた。


「はい、エルターナ様。まずはお茶を楽しんでください。リラックスする時間も大切ですから」




 俺はリラックスしながらお茶を飲み、リリアンと共にこれからの計画について語り合った。


 部屋の中には、明るい雰囲気と温かな支援の空気が漂い、一層の決意を新たにした。

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