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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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魔王四天王とスケルトス③

不思議な森はスケルトスが暮らす古代遺跡が眠る場所。そこで見つけた王冠は、言葉を無くし感情を押し殺してきたスケルトスに希望を与えた。


骸骨の姿のスケルトス達は、生前の記憶はそのままに習慣化された行動を取る。食べれもしないものを作り、寒くもないのに火を焚べる。眠くもないのに横たわり、見えない朝陽に祈りを捧げた。


筋肉の無い身体は強さとは無縁となり、略奪される度に一人また一人と核を抜かけれて本当の亡骸となっていく。側で悲しむも涙の一滴も流す事は出来ず嗚咽をあげる事も出来なかった。


スケルトスの希望は、マジェイアという古代に栄えた魔族に委ねられた。マジェイアは、強力な魔法を操る屈指の魔族であったが、強力で残忍な魔法を研究し続けた結果なのかその魔法で殺された者達の呪いか子を残せずに絶滅する。開発された強力な魔法は古代の魔法を書き留めた本だけに残されただけで、後継者を作る事は出来なかった。


そんなマジェイアの一族で大魔法使いと称された一人の老人がいた。彼はマーゴスという名で、ハコニワで知らぬ者はいない程の魔法使いであった。


死ぬ間際まで新たな魔法を研究していた彼の執念がスケルトスにさせたのだろう。

しかしそれは彼にとっては地獄のような日々であった。魔法の記憶はあるのに詠唱が出来ず、ただの骨になってしまったからだ。

何年も何十年も何百年も魔法を発動させる方法を模索するが、魔力量さえ奪われた骨の身体では何も出来なかった。

魔族長になったとしてもそれは変わらず、ただの骸骨達をまとめる骸骨でしかなった。


王冠を被り、マーゴスは声を取り戻すと共に魔力が白い骨の一本一本に戻っていく。まさに全盛期、彼は底しれぬ魔力を持ち生命を掛けた最恐の魔法を操る、老いず死なない身体を持つ最高の存在となったのだ。

悔恨の日々に終止符を打ち、再びハコニワを震撼させる存在となる事を決意する。


そこに現れた肉弾戦最強のキナヴァリは自身と同じく全盛期の強さを維持していた。


マーゴスは叫ばずにはいられなかった。


「我はマジェイア最期の大魔法使いマーゴスである!」


新たな力を手に入れて数日後に腕力という単純で愚かな力だけで最強とのたまう男が現れたのだ。


彼は運命を感じたであろう。

魔法を極めた自分が最強であると腕力だけの愚鈍な種族を相手に証明し、再びハコニワにその名を轟かせる事ができるのだから。



「マジェイアのマーゴス?どえらい古い名前が出てくるじゃねえか。」


「皆の者、かかれぇーー!」

マーゴスの掛け声で武装したスケルトス達がキナヴァリ目掛けて走りだした。


「マーゴスがいようがいまいがお前らはただの骨なんだよ!」


キナヴァリは遅い来るスケルトス達の防具を剥ぎ取りアバラの奥にある核を潰していく。

スケルトス達も何とか一矢報いようと粘り強く戦っていた。



「、、、我が至高の魔法を食らうがよい、、、スフィリブロンテス」


マーゴスが詠唱すると、不気味な森に途轍もない雷鳴が響き凄まじいエネルギーを有した雷撃がキナヴァリを襲う。


雷魔法スフィリブロンテス

マーゴスが生涯をかけて習得した自身が放てる最高の魔法の一つであった。

ブロンテスの鋭い雷撃により多くのエネルギーを詰め込み、多勢の敵を一気に蹴散らす雷撃である。


放たれた雷撃は一瞬でキナヴァリに届き、その周囲に集まったスケルトス達をも巻き込んで爆発した。


散乱するスケルトスの骨が直撃したキナヴァリの周囲に落ちていた。キナヴァリは雷撃を受けた時と同じ姿勢でその場に立ち尽くしている。


キナヴァリの身体は所々黒く焦げ煙をあげていた。


「、、、、」



「キナヴァリとて我が雷撃の下では赤子同然!マジェイアの前ではどの魔族であっても生きてはゆけぬのだ!」


王冠を被りマントを靡かせるマーゴスは、立ち尽くして動かないキナヴァリを見下ろして宣言をする。

味方をも巻き込む衝撃的な威力にスケルトス達も動揺を隠せないでいた。


マーゴスはゆっくりとキナヴァリの下へと歩いていった。その姿は自信に溢れていた。


「このような肉体など無意味なのだよキナヴァリ。」


焦げたキナヴァリの前に立ち大きな身体を細い骨の手で押した。バタンとキナヴァリは倒れていった。


マーゴスは振り返りスケルトス達に向かい雄叫びをあげる。これで終わりではない、これが始まりであると。


動揺していたスケルトス達はキナヴァリを倒した魔族長の雄叫びに鼓舞され武具を打ち鳴らし応えた。


ドンドンドンドン


ぴくっとキナヴァリの指が動き始める。


直撃した雷撃で一時的に心肺停止になっていたキナヴァリは強靭な肉体で死を免れていた。

息を吹き返したもののダメージは甚大で身体のあちこちが悲鳴をあげていた。

少しでも回復に努めようと深くゆっくりと呼吸をし、指から腕、足と動かせるかどうか確認していった。


幾度かの深呼吸を終えたキナヴァリはムクッと起き上がる。



背後で起き上がるキナヴァリに気付かないマーゴスはスケルトス達が武具を打ち鳴らし自身を称賛する時間に酔いしれていた。


「、、、」

キナヴァリはなんとか立ち上がる。


スケルトス達はマーゴスの後ろに倒した筈の者が現れ武具を打ち鳴らす手を止め後退りをする。


「なんだ?皆の者どうしたのだ!」


スケルトス達の視線の先が自身の背後にあり、ゆっくりと振り返った。


「キサマ!生きておるのか!?」


マーゴスは再び魔法をと少し下がり魔力を込めようと構える。


「ふんっ!!」

キナヴァリは痛みや痺れが残る身体を使い目一杯の力で腕を振り回しマーゴスを殴り飛ばした。マーゴスは身体全体でキナヴァリの打撃を受け飛ばされる。

ズザザザザァっと地面を削りながら転がっていった。


「ふぅ、、ふぅ、、、」

キナヴァリは一振りしただけであったが肩で息をする。それ程雷撃のダメージが残っていた。


マーゴスは破れたマントを外し立ち上がる。


ダメージの残る身体ではマーゴスを仕留める程の威力は発揮できなかった。


「ふぅ、、、何度でも殴ってやる、、、骨ぇ。」


マーゴスも弱まったキナヴァリとはいえ、鍛え抜かれた規格外の腕力で殴られ満身創痍であった。

スケルトスの圧倒的な弱点である打撃はどのような力を得ても改善することはなかった。


「ぐはっ、、、憎たらしい奴め、、、」


不気味な森の中、魔族同士による互いの誇りをぶつけ合う死闘は始まったばかりである。

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