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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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魔王に対抗するエルフ達③

精霊ミントが神託を受けた能力、水鏡の転移。


エルフの族長レイシア、アフテア、ギルドマスターのソウジロウはミントの不思議な力でエトナ火山の内部に降り立つ。目的は一つである。

エトナ火山を拠点とする魔族ファイティオを殲滅し、エトナ火山から自然の力を得る為である。それは防衛に特化していたエルフにとてつもない攻撃力を齎してくれる。


光の雨が収まると彼らはエトナ火山の内部である。

「凄っ!これが精霊の力、、」

アフテアは一気に変わった景色に驚いていた。


「アフテアさん、驚いている場合ではないようです。」

ソウジロウは、剣を構えた。


ミントが連れて来たのはエトナ火山の内部でも、魔族長ペラードと側近テクテクがいる中心部であった。


「うわぁ!な、何だお前ら!ど、どこから現れた!」

テクテクが突然目の前に現れたエルフ達に驚き戸惑っていた。

魔族長ペラードは溶岩石に注いだマグマを投げ捨て、臨戦態勢をとった。


「ミントさん、いきなりここですか?」

「こういう事は効率的にやらなきゃね。」


レイシアと精霊が話していると、ペラードは小指程の大きさの精霊に気が付いた。


「ぐわはははは!精霊ではないか!!魔王とやり合おうとするこの時に、精霊がやってくるとは俺様にも運が回ってきた!お前の力、貰い受けるぞ!ぐわはははは!!」


精霊を囲う者にはその加護が受けられる。それはエルフ達が何千年も費やして得た加護であったが、魔族達はそのような事は知らない。精霊を我が物にすればそれで驚異的な力を得られると考えていた。


ペラードは、ミントに向けて躊躇なく火の魔法フローガを放つ。大きな火の塊がレイシア諸共包みこんだ。


「精霊様っ!レイシア様っ!」

ソウジロウは急な攻撃に動けず、真横で二人にフローガが直撃した。熱波がそこら中に広がる魔族長ペラードのフローガの威力は凄まじかった。


「貴様ぁ!」

アフテアは弓を構えると素早く連射しペラードに応戦する。数本の矢がペラードの身体を目掛けて放たれた。


ペラードは手のひらでマグマをすくうと矢が当たる前にマグマの壁で無効化した。鏃ごと燃え落ちた矢が炭になり転がる。


「ぐわはははは!!そんなものが俺様に届くと思っていたのか!!お前らなんぞに用は無い!燃え尽きて炭になるがいい!!」

ペラードはアフテアとソウジロウに向けてフローガを放つ。アフテア達は希望を胸に火山に足を踏み入れたのも束の間、数分もしない内に窮地に立たされる。


「アフテアさん、離れて!」

ソウジロウはアフテアを射程から押し出そうと突き放した。

「ソウジロウさん!!」


塊となった火が衝突し熱波が広がっていた。


「ぐわはははは!バカな奴らだ!!」

ペラードは確かな手応えに高笑いを上げる。


「うるさい奴だねぇ。」

黒い煙の中から声がした。


「!?」ペラード達は声に驚く。


黒い煙がなくなるとそこには小指程の精霊が手を前に出し大きな球体を作っていた。それは彼らを守る強力な防御壁であった。


「マグマだらけの場所で火遊びしか出来ないなんて、本当に魔族はセンスが無いね。」

「そうですね。ミントさんにこの程度の魔法で勝った気になるなんて。ふふふ。」


死んだと思ったアフテアとソウジロウは、平気な顔で話すミントとレイシアを唖然と見ていた。


「アフちゃん、大きな力があるのにセンスが無いとこうなっちゃうのよ。悪い見本だわ。」


ミントはそう言うと防御壁からふわっと飛び出してペラードの前に行く。


「な、何だその壁は、、、」

驚くペラードにミントは関心を示す事はなく、アフテアを見ている。

「アフちゃん、マグマの力を使うっていうのはこういう事だからね。」

ミントはそう言うとペラードの顔の前に小さな手を伸ばす。


「な、、、この虫けらが!!」

「もう黙ってて。」

ミントの小さな腕からはみるみる大きな火球が膨らんでいく。それはフローガのような炎ではなくどろどろしたマグマの塊のようであった。


「そ、そのようなマグマなど俺様にとってはジュースのようなものだぞ!バカな虫め!」

「ほんとうるさいわ。じゃあ飲みなさい。」


火球はミントの手を離れ、どぷんっとペラードの頭を包みこんだ。最初こそペラードは飲むような仕草をしたものの、直ぐに異変に気付きマグマの火球を外そうとジタバタし始めた。


「もう遅いわよ。」

火球はその自重でペラードの頭を溶かすと、胸、腰、足とゆっくりと確実に溶解していった。



「ぺ、ペラード様!!そ、そんなマグマを栄養にしていたペラード様が、、、」

「ただのマグマと一緒だと思うなんて、本当センスの欠片もないわね。」

ミントはそのまま側近のテクテクにも火球を浴びせ消し去った。


「はい終わり。」

「ありがとうございます。ミントさん。」

「さあ次はアフちゃんね。」


目の前で宿敵ファイティオの魔族長とその側近が消え喜びに沸く筈が、圧倒的過ぎてアフテアは唖然としたままであった。


ミントはアフテアの目の前で手を叩く。パンっと小さな音がしてアフテアは瞬きをする。


「ほらボーっとしない。マグマの力を貰わなきゃ。」

「えっ、、、えっと、、、は、はい。」


ミントはアフテアの額に手を置く。

「アフちゃん、想像よ。自然の力を使う為にはもっと想像しなきゃダメ。それが出来ればマグマの力を最大限に使えるようになるし、森や大地の力ももっともっと強力な味方になるのよ。」


額に置かれたミントの手はとても暖かく心地よいものであった。そしてアフテアの脳内に地下深くに流れるマグマや噴火した山、隆起する地面や生い茂る森といった自然が生まれていく様子が鮮明な映像として流れていく。不思議と映像が流れる度にアフテアは力を理解していくのだった。


「はい終しまいっ。」

ミントは手を離しレイシアの肩に座った。


「あ、、、何か凄いです。」

「それじゃあ、そこの岩をちょっと殴ってみて。」

アフテアの目の前には、フローガの衝撃で崩れ落ちた大きなゴツゴツした岩が転がっていく。

アフテアは言われるがまま岩に向かって拳を構えた。


「アフちゃん、ちゃんとマグマを想像するのよ。」

「はい。いけそうです。」


近接戦が不得手なエルフにとって何かを殴るという行為自体が稀な事であった。そのエルフのアフテアはゴツゴツの岩を前にし「いける」と言う。


アフテアは殴るというよりは拳を岩にそっと置くよう

な仕草を見せた。アフテアの拳が触れた岩は瞬時に煙が上がり深く濃い赤色になる。岩は少しずつ液化していく赤黒くなり鉄のように溶けていく。マグマに触れてきた岩が溶けるなんて事があるのだろうか、ソウジロウはその様子を信じられないという表情で見ていた。


「アフちゃんよく出来ました!さあ次はソウちゃんね。」


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