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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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魔王と鬼神族三傑

ギヴンがウエストバンクを訪れてから数日後、鬼神族の末端戦闘員であるダイモナスが魔王ヨウヘイを城へ招待する為に豪華な馬車に乗り訪れた。


「魔王様、我々ディアモスの魔族長キナヴァリ様の命を受けお迎えに上がりました。」


ダイモナスは跪き魔王を迎える。


「おう、よう来たな。楽しみにしとったで。」

ヨウヘイはダイモナスの頭を軽く叩くと、ひょいっと馬車に乗る。


「お父様、俺もご一緒させて下さい。」

「アカンアカン。サキチは田舎くさいからアカン。」

「では、私だけでも。」

「ブロンドかぁ、、、まぁええか、乗れ。」

「はっ!有難き幸せ。」


魔王ヨウヘイはブロンドを連れ立って鬼神族の魔族長キナヴァリが待つ砦へと向かう。

ガタガタと馬車の揺れに合わせて鼻歌を歌い上機嫌であった。


「お父様、、、何も無ければ良いが、、、」



魔王ヨウヘイの到着を待つキナヴァリは、三傑を揃えていた。


「お前たち、やっとこの日を迎える事ができたなぁ、これは絶好の好機である。思う存分武勲をあげよ。」


三傑の面々は頷きそれぞれの持ち場へと去っていった。


砦の前で鬼神族三傑のギヴンがヨウヘイを出迎える。

馬車が停まりギヴンの前にヨウヘイとブロンドが降り立った。


「出迎えご苦労さん。ギヴンやったかな?楽しみにしてたで。」

「ご足労頂きありがとうございます魔王様。」


「私はブロンドだ。魔王様の側近である。」

「、、、」


ギヴンはドワーフのブロンドには一瞥もくれず、無表情のまま会釈だけしてヨウヘイを砦へと案内していく。

ブロンドは失礼な奴めと苛立つが鼻歌まじりで楽しそうな笑みを浮かべるヨウヘイに気を遣い、事を荒立てずについていった。


ギヴンはヨウヘイ達を応接間へと通し、暫く待つよう告げて出ていった。


「さあ、トリアあとは任せましたよ。」


ギヴンはそう言うと暗がりの廊下を歩いていった。




「はぁまだか?長ない?」

「魔王様、様子がおかしいように思います。」

「ブロンド、辛気臭い顔すんなって。」

「はい、、、も、申し訳ございません。」

ブロンドは砦の空気に違和感を持つもそれ以上発言する事はなかった。




ヨウヘイ達が待つ応接間をノックする音が聞こえる。


「来たな開けたって。」

「はっ。」


扉を開けるとそこにはギヴンではなく別の鬼神族がたっていた。


「魔王様、先程の者では無いようです。」

「誰やお前?ギヴンちゃうんかい。」


「これはこれは魔王様。お会い出来て光栄ですわい。」

鬼神族はヨウヘイ見下ろし笑みを浮かべた。


「何やねん。薄気味悪い笑い方やな。」

「失礼いたしました。ワシは礼儀に疎いもんでしてなぁ」


「ほんで、何の用や?こらから宴やと聞いてんねんけどな。」

「ええ。ワシも参加させて貰うんですが、何やら準備に手間取ってるとか。ですので、暇潰しがてらワシが先におもてなしをと。」


「ええ!?遅くなんの?何やねんそれ。」

「申し訳ございません。ワシが特別な催しをご用意してますので、是非お越し下さい。」


ブロンドはいよいよおかしいと感じる。

「魔王様、このような不躾な申し出など断りましょう!」


ヨウヘイは「うーん」と腕組みをする。


「ま、魔王様、、、」

「、、、いや。行くわ。」

「おっ、お待ちください、お考え直しを!」

「だってしゃあないやん。待ってるだけもおもろないし、行くわ。」


それでも止めようとするブロンドを鬼神族が間に入って制止する。

「おっと、魔王様が行くと言ってるんだ。逆らうのっていうのかい?」

「なんだと!」


「ブロンドええ加減にせえ!」

ヨウヘイが一喝するとブロンドは従った。


「おおー怖いですなぁ、さすが魔王様だ。覇気が違いますなぁー」

「御託はええからさっさと行こうや。」

「では、参りましょう。」


ヨウヘイとブロンドは鬼神族の案内に従いついていく。


「しょうもない内容やったら、俺は帰るで。」

「そうであればお止めはしません。ですが楽しい楽しい催しですのでご安心下さい。」


鬼神族は扉を開けてヨウヘイを招き入れた。


「何も無いやん、、、」


何も無い部屋に通され憤慨したのはやはりブロンドであった。

「貴様!どういうつもりだ!」


鬼神族に掴み掛かったブロンドであったが即座に腹を殴られて気絶した。


「はあ、、何やねんこれ?」

ヨウヘイはゆっくりと振り返り鬼神族を見る。

鬼神族はブロンドを部屋の隅に放り投げて、ヨウヘイと目を合わせる。


「魔王様、、いや魔王と名乗る者よ。ワシは自分の目で見たものしか信じられないんだわ」

「それで?」


「魔王と言うならば、それはワシらの主キナヴァリ様を超越する存在、、、だったらそれを確かめたくなるのは戦士として当然の摂理だろう?」

「なんや、戦いたいって言うてんのか?ほな、最初に言えや回りくどいでお前。」


「、、、では遠慮なくいこうかのぉ」

「はいはい。構わへんけど死んだらごめんやで。」


背中の青龍がヨウヘイに螺旋状に纏わりつく。青龍の隙間からヨウヘイの鋭い眼光が見えていた。


「ほう、それがメガミノオトシモノの力か。」

「お前、色々知ってるみたいやな。」


「ではワシも、、、」

鬼神族は身体に力を入れると筋肉量が一気に増える。

皮膚を破ろうかという程にパンプアップされた筋肉はまるで鎧のようであった。


「達磨かお前は。」

ヨウヘイはそう呟くと鬼神族に指を指し示す。螺旋状の青龍が身体から離れ指し示された鬼神族に向かい咆哮をあげながら襲いかかった。

鬼神族は深く息を吸い込み青龍を待ち構えた。


青龍が鬼神族を捉えると部屋ごと吹き飛ばす衝撃が起きた。ヨウヘイの目の前には崩れた部屋と外にまで続いて残る二本の線が床にあるのが見えていた。


「ふう、失神せずに済んだな。」


魔力切れを起こさなかったヨウヘイは身体に戻る青龍を撫でていた。

パラパラと木片が落ち土煙が舞う。

外に伸びた二本の線、その先には構えたままの姿の鬼神族が立っていた。


「あれ?生きてんのか?」

ヨウヘイが土煙の先に薄っすらと見える鬼神族に目を凝らす。初めて青龍の攻撃を耐えた姿に感心していた。


土煙の先で鬼神族が動きだす。


「お、やっぱり生きてるやん。」

ヨウヘイが動いた鬼神族を見た瞬間、鬼神族は地面を蹴り出し土煙を切り裂いて飛び込んできた。そしてヨウヘイの身体を青龍ごと殴り飛ばした。


ドガっという衝撃音と共にヨウヘイは背後に吹っ飛ばされて倒れた。


鬼神族はふぅーと息を吐き出した。

筋肉の鎧を纏った身体には青龍が通り過ぎて出来た裂傷が多く残っているものの、食い千切られたような致命的な怪我はしていなかった。


「さすが魔王を名乗るだけの事はあるな。」


殴り飛ばされたヨウヘイも、膝に手を置き立ち上がろうとしていた。その瞳は未だ鋭いままである。

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