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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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魔王と鬼神族

ドワーフ達の肥沃な土地を奪った鬼神族を叩きのめそうとやってきた魔王ヨウヘイのその仲間。

ヨウヘイだけが地上へ降りて鬼神族に対峙する。打撃では殺せないと分かったヨウヘイは、背中に纏う青白い龍を使う事にする。


ヨウヘイの背中には女神の祝福により凶暴な龍が与えられていた。その龍はオエドの城を一気に包み込み破壊する圧倒的な武力を持っていた。空腹を満たすかのように周囲の生物を食い荒らす厄災であった。


「素手でいけると思ったんやけど。まぁ仕方ないな。」


ヨウヘイは全身に力を込めると、背中から青白い龍が具現化していく。龍は咆哮を上げて、目の前でしゃがみ込むダイナモスを丸呑みした。

傍らでは、目の当たりにして怯えるもう一人のダイモナスがへたり込んでいた。


ヨウヘイは這いつくばる彼に目をやり、次はお前だと睨む。ダイモナスは武器も何もかなぐり捨てて四つん這いで逃げ帰っていく。



上空では、養子であるサキチとサヨの二人とブロンドが魔王が戯れている様子を眺めていた。


「流石お父様ですわ。あのダイモナスがまるで赤子のようですわ。ふふふ。」

「サキチ王子とサヨ王女は行かれないのですか?」

「ブロンド、邪魔しちゃいけないのよ。あれはお父様の玩具なんだから。」

サヨはいたぶられるダイモナスを見てご満悦である。




「なんや、おもんないな。」

ヨウヘイは再び身体に力を込めて龍を具現化させようとした。しかし思うようにいかない。


「ん?なんや?出えへんやん。」


ヨウヘイは込めた力が弱かったのかと拳を握りしめ更に力を込める。その時であった。

「ん、、、あれ、、あか、、あかん。」

ヨウヘイは気を失いその場で前のめりに倒れた。


「魔王様!」ブロンドは異変を直ぐさま察知しヨウヘイの下へと行き抱きかかえた。

サキチとサヨも直ぐに降りてきた。


「魔王様!魔王様!」

ブロンドが何度か呼ぶも反応がない。

「どうなされたのか、、、気を失っておられる。」


「もうお父様ったら、、、きっとお疲れなのね。サキチとブロンドでお父様を連れて先に帰って頂戴。私がやってくるわ。」

「サヨ、お前だけ手柄を上げるつもりか?」

「あらやだお兄様。嫉妬かしら?」

「お前なんぞに嫉妬する?はははは。俺はお前の兄だぞ。お父様の力はお前よりも強く受け継いでいる筈だ。」

「なら安心しなさいよ。お、に、い、さ、ま。」


「ふん。殺されてお父様の名誉を傷付けるような真似はよせよ。」


サキチとブロンドは意識を失ったヨウヘイを抱えて一旦ウエストバンクへと戻る。

残ったサヨは四つん這いで離れていくダイモナスを微笑みながら見ていた。


「可愛いお尻を見せちゃって。」


ドンっとダイモナスは背中に衝撃を受けた。

「ぐわっ!」ダイモナスが背後を見ると、自分の背中を踏みつけるドワーフの子供がいた。


「な!?こ、子供?」

「何処に行くのかしら?」

サヨは踏み付けたダイモナスを上から覗き込む。

ダイモナスは、ヨウヘイでは無いと分かると再び英気を取り戻す。そしてサヨの足を振り払うと立ち上がった。

ダイモナスは辺りを見回してヨウヘイがいない事を入念に確認していく。


「お父様を探しているのかしら?残念ね、ここには私たちだけよ。」

「、、、そうかい。ドワーフのガキがいるだけか。」


ダイモナスは拳を振り上げ、小さなサヨの顔面にぶつけた。直撃はしたものの、サヨは微動だにしていなかった。


「女の顔を殴るなんて品性の欠片も無いのね。」

「!?」


サヨはダイモナスの脛を折るように蹴る。鈍く折れた音がした。片足を折られたダイモナスはその場に崩れ落ちる。サヨは目線の高さになった彼の目玉に細い指を滑り込ませて眼球を掴むと躊躇なく引き抜いた。その後もサヨは解体するように耳や鼻などを千切っていき、最後は鬼神族の誇りである角を抜き取った。


返り血で血だらけになったサヨの足元には無惨な姿のダイモナスが転がっていた。


「さあ、次ね。この土地は返して貰うわよ。」


サヨは次の鬼神族を求めて飛んでいく。




ドワーフの村ウエストバンクに戻ったサキチとブロンドは、ヨウヘイをベッドに寝かせ横に立つ。

「ブロンド、お父様に何があったのだ。」

「分かりませんが、急に力を失ったように見えました。」

「サヨの言う通りお疲れだったのだろうか。」


眠るヨウヘイは、額に汗をかき苦しむような仕草をしていた。


「取り敢えず、サヨを待つとしよう。」

「かしこまりました。王子。」


二人はヨウヘイの側に座りサヨの戻りを待つことにした。その間もヨウヘイは辛そうに眠っていた。




浮遊し探索をするサヨは簡単に次の獲物を見つける。ダイモナスとパノダイモナスの集団が火を囲み宴をしていた。


パノダイモナスは、上位種である。同じような体躯ではあるが、その力はダイモナスを大きく上回る。


サヨは彼らの数も上位種である事も気にも止めずに降りていく。火を囲んでいた彼らもふいに訪れたドワーフの子供に興味津々であった。


「なんだ?ドワーフのガキが何のようだ?年貢でも持ってきたのか?」

「年貢の時期ではねえぜ。」

「なら身体でも売りにきたか?」

「ぶわははは。こんなガキに欲情するなんざ、気でも触れなきゃ無理な話しだ。」

「殺されたくなきゃ、帰りな。俺達は今気分が良いんだ、見逃してやる。」


そんな会話をサヨはニヤつき聞いていた。


「なんだ?帰れよクソガキ。」

「なにを笑ってんだ、気味の悪いドワーフだな。」


集団の中のダイモナスが一人サヨの肩を押した。


「おい!聞いてんのかガキ!」

サヨは肩に置かれたダイモナスの腕を掴むと、そのまま強く握った。

「イタタタ!」

細い指が筋肉質の腕に食い込んでいく。


「イタ、、、何しやがんだクソガキー!」

ダイモナスは痛みに耐えきれずもう一方の腕で殴りつけようとした。サヨは握った腕を下に引きバランスを崩したダイモナスの腹部に膝を突き刺した。

「ぐう、、、」

みぞおち辺りに膝が入り呼吸が苦しくなる。



パノダイモナスは剣を手にすると仲間を苦しめるサヨに向けた。

「クソガキ。何を得たのか知らんが、その程度の力で我々に立て突くとは世間知らずの奴め。その首跳ねて村に送り届けてやるわ。」


「あら?やっと欲情したのかしら?」


サヨはパノダイモナスと対峙しても怯えることなく獲物としか見ていなかった。

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