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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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真意

峰が連なり、常に強風に交じる雪が吹き荒れる。


この時期は、大自然が作り出す完全な防御により近付く事さえ拒まれる地。


ハコニワの北側にあるアトポノス連峰。ここに暮らす者は自然の脅威で隔絶された世界を生き抜く為に古来から伝承されてきた能力がある。

それはテイムという技とホンミンという喉の奥を使用した独特の声を発する事で魔物を操る事ができる能力であった。


彼等は、ディアティリと呼ばれる魔物使いの種族。

フィリドラコンやマヴロスドラコンのような種族元来の強さや、獣人のような高い身体能力を持たない彼等は魔物の力を借りて過酷な環境を生き抜いてきた。


「ヴォ゙ォ゙ーヴォ゙ォ゙ー」


ディアティリのワルツは、吹雪く中で魔物を呼び出していた。雪深い山肌をザザ、ザザと魔物がやってくる。獲物を狩るために体毛を白くし、大きな体躯を雪景色の中に溶け込ませる。一度獲物を見つけるや、圧倒的な腕力によって一撃で仕留めるハンター、それは魔物アルコーダベアという。


「どうどうどう、、、元気そうだな。アルコーダ」

ワルツに撫でられると喉を鳴らし凶暴なハンターには似つかわしくない表情を見せていた。


ディアティリ達は、幼い頃からアルコーダベアをテイムし使役している。それは主従関係というよりも、生涯を共にする家族、親友といった感覚であった。


「ヴォ゙ォ゙ーヴォ゙ォ゙ー」


空から分厚い羽毛と鋭い爪を持つ魔物カルホーク。

強風にも力負けしない翼を持ち、風を読むことで連峰を自在に飛び回る。ワルツに呼ばれ、颯爽とアルコーダベアの背に降り立った。

カルホークの首には、小さな木箱が付けられていた。


「ホークありがとう。さて、昨日はどんなニュースがあったのかな、、、フィリア連合国?謎の子供?へぇ。下界は面白いニュースが多いんだね。」


ディアティリのワルツは使役する魔物達と共に吹雪の中に消えていった。



フィリアにあるアオイの城の内部、貴賓室にはフィリア連合国の面々とラフテリアの王レオターリが会談をしていた。レオターリは、魔族の狭間を抜けた先にあるハコニワの裏側、魔王が治める壮絶で凄惨な場所に趣き共に魔王を倒してくれないかと頼んでいた。


「アオイ王、我らラフテリアと共に魔王を討ち滅ぼしてくれないだろうか。」


アオイと同じメガミノオトシモノが魔王と名乗り、別のハコニワを恐怖に陥れているという。アオイとしては自分と同じような境遇の者が、ここでは無いにしてもハコニワの住人達を苦しめているという。それに、ラフテリアのギルマスであるソウジロウの故郷を破壊していた。


「魔王、、、僕と同じメガミノオトシモノが、、、」


「アオイ様、我々は共に戦いますぞ!」


アオイは、聞かされた話しは事実なのだろうと受け止めていた。しかし、それが真実なのかどうか分からないままレオターリ王が言うがままに動く事が良いのか悩んでいた。


「アオイ、見に行くか?」


メベドはアオイの悩みを察したかのような提案をする。アオイがこの地に降りた日から共に冒険をし、常に隣で見てきたからだろう。


「大巨人よ、見に行くとはどういう事なのか?」

「王様の所でも、偵察に行ってるんだろ?だからアオイも向こう側を見てから決めりゃ良いじゃないか。」


「アオイ王に偵察をお願いすると?」

「そりゃそうだろ。同郷かも知れない奴が、自分とは正反対の事をやってんだ。信じたくない気持ちも分かるだろ?じゃあ、自分の目で見てからしか答えようが無いじゃないか。違うか王様?」


「、、、」

「それか、あんたは何も知らないアオイに向こう側を殲滅しろって言うのか?それは魔王のやってきた事と同じじゃないのか?」

「、、、」


「レオターリ王、そして皆様、宜しいでしょうか。」

ソウジロウが割って入る。


「私もメベドさんが言う事に賛同いたします。」

「ソウジロウ、、お主。」

「はい。レオターリ王が私やティアの為に事を急いで頂いている事は承知しております。それには感謝してもしきれない程です。しかし、メベドさんが言う事もその通りだと思うのです。アオイくんについては、そうやって自分の目で見た事でどうするのかと決めた方が良いと思います。アオイくんは私達の武器でも無ければモノでは無いのですから。」


「レオターリ王さん、直ぐに答えられなくてすいません。僕もメベドやソウジロウさんが言うように、魔王が何をしているのかちゃんと見て動きたいです。すいません。」


「、、、そうですね。アオイ王や二人が言う事の方が正しいのでしょう。私が焦ったばかりに、無理なご判断をさせてしまう所でした。非礼の数々どのように償えば良いのか。言葉もありません。」


「もう、やめませんか?」

「アオイ王、、、。」


「みんな色々な想いがあって、それぞれに責任や背負うものがあるんですよね?でも僕といるときはそういうのを無しにしませんか?だから王とか様とか取っ払って、そのフラットというか何というかもっと普通にしましょう。僕は皆さんのような立派な王様じゃないですし、何も知らない子供です。こらからも皆さんから色々教えて貰いたいんです。だから、ソウジロウさんやリンデコールさんや、メベドみたいに接して欲しいです。」


「そのような事、、、」

「レオターリさん、ダメですか?」

「ダメという事は無いですが。」


「ドラクルさんとプロゴノスさんは?」

「アオイ様、、、」

「様は取って下さい!」

「アオイ、、、くん?」

「はい。それで行きましょう!」


「このフィリアでは、そうしましょう!決定ですね。」


アオイは、皆が少し壁を作り探り合いをする空気に居た堪れない気持ちであった。

せめて、フィリアを訪れた際だけでも裏表や計算などはなくありのままで付き合っていきたいと思っていた。


ドラクル王やプロゴノス王にしては、恐れ多いと思ったがそれが敬愛するアオイの願いならばと受け入れた。そして、フィリアの外であってもそのようにしていこうと決めた。

レオターリ王も同じである。連合国の皆と話す時は王という立場ではなくレオターリとして思いの丈を話す事を誓った。


「アオイ、俺は家族のまんまだな?」

「勿論ですよ!オズワルドさんやマリーナさんは、僕の親代りだって勝手に思ってますから。」

「はははは。うちは三男坊が一番しっかりしているな!モブとコリンにも見習ってもらわねばな!」


アオイは、ラフテリアが派遣している偵察部隊に同行し、もう一つのハコニワへと向かう事になる。

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