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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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ドラクル

東へ向かう街道に出る毒を持つ魔物。

リディリザードは、パグロームベアの気配をメベドに感じているもののお構い無しに襲いかかってきた。


それに喜んだのはメベド本人だ。

今回の冒険に出てから一度も斧を振るう機会もなく、ただただ平和に歩いてきた。これは好機とばかりに斧を持ち構えている。


「トカゲーー!俺のとこに来い!!」


メベドは大声を張り上げて注目を集める。


「メベド、背後は任せな。」

リンデコールは、素早く動くリディリザードが死角に回っても良いように盾を準備する。


グゲェーっと奇声を上げて飛びかかってくるリディリザードを嬉々としてバッサバッサと斧で薙ぎ払っていく。スピード自慢のリザードは致命傷は避けられたものの、手傷を負っていた。


「メベド、僕も参加していい?」

「えっ!?だっ、だめだ!!アオイがやったら一瞬だろーがっ!」

「ええー。」


そんな会話をリンデコールは苦笑いしながら聞いていた。

「一瞬って、、、そんなバカな。」


アオイは、少し下がって座っている。時折近付くリディラビットに「リピアネモーっ」と突風を飛ばし倒していた。


メベドは、斧を振って振って振りまくる。何度も空振りしながら右へ左へ上へ下へとブンブン振り回していた。汗が吹き出し、斧を持つ腕はパンパンになっていた。


「ア、、アオイ、、、」

「ん?何?」

「ごめん、、、、」


「スフィリブロンテスっ」

ドガンっと落雷で一気に殲滅した。


「いいよ。」


リンデコールは開いた口が塞がらず、唖然としていた。そして、アオイの後ろに山積みになっているリディラビットを見て理解の範疇を超えて失神した。


二人はリンデコールが起きるまで、小一時間隣りで休んでいた。その間もリディリザードは仲間の仇と言わんばかりに次々と来たが、メベドは横目で確認するだけで、アオイにどうぞと手を差し出していた。

ドガンっドガンっと落雷が一帯を包みこんでいた。


「、、、んっんーー。」

リンデコールが目を覚ますと、失神する前よりも増えた魔物達が転がっていた。

「ああー、、、夢じゃないんだね。」


アオイは、取り敢えず倒した魔物をそのまま空間収納へと納めていく。

「これも買取とかあるのかな?」

「さあな。」


「あ、あるよ。でも、ソウジロウは引くだろうな。」

「また迷惑かけちゃうのか、、、えへへ。」


3人は街道を進む。魔物が出てくる分、少し時間を要したが、何とか日が落ちる前に依頼先である火村を捉える事ができた。


「遅くなっちゃいましたね。」

「んなことないよ。もう一晩野営してる筈だったんだから。」


異例の速さである。普通の冒険者は野営をすると言っても一晩中眠れる事は無い。常に魔物を警戒しなければならないからだ。そんな場所を数時間で踏破するなど考えられなかった。


「あれが依頼先ですよね?」

「そう、火村って言ってな。テクトナスっていう鍛冶やらが得意な種族の村だよ。」

「でも、何かに襲われてるって感じはしないですよね。」

「、、、どうだかな。」


リンデコールはダイアウルフの嗅覚で辺りに潜む異変を感じとっていた。

それはメベドも感じていた。


「あれ?違った、、、何か変な気配がありますね。」

「アオイも気付いたか?流石だね。」

「ありがとうございます!」


火村を囲むように点々と嫌な気配が幾つも感じられた。


「先輩!雷行きましょうか?」

「えっ!?い、いやちょっと待て、様子が分からんからいきなりぶっ放すのはマズイだろ。」

「はい!」


アオイはリンデコールの横に立ち指示を待った。


「おい、あの奥に見えるのがドラクル城か?」

「そうだね。フィリドラコン一族の城だね。こんな怪しい気配があれば、出て来て戦ってても良い筈なのにね。」

「好戦的なのか?」

「突っかかってくる奴らじゃないが、売られた喧嘩なら間違いなく買うだろうね。」

「ということは、やはりこの状況は変なんだな?」

「あぁ。先に城に行ってみるか。」


3人は大きく迂回して、火村を遠ざけながらドラクル城へと向かった。城門は閉ざされており外の世界と隔絶されていた。

リンデコールが以前訪れた際は、ラフテリア程の開放感は無いものの、城門は開けられ竜騎兵達の入国審査が終われば容易に入れていた。


「これじゃあ入れないね。」


「おーーーいっ!!!」

アオイは大きな声で、城門に向かって叫んだ。


「なっ!?バカっ!バカっ!何してんだ!?」

「えっ?えっ?閉まってるから、、、」

「閉まってるからじゃねえ!閉めてんだろ!」

「え?そうだったんですか?すいません!」


異様な空気に包まれた東の領土で、間抜けな声が聞こえてきてはドラクル城の中にいる竜騎兵も気になって仕方が無かった。それは、玉座に座るドラクル王にも伝えられた。


「ドラクル王、もしやラフテリアからの。」

「そうだと良いが。裏手の隠し通路から中へ入れろ。怪しい者であれば、奴らに見つかる前にその場で切り捨てよ。」

「はっ!」


王の命を受けた竜騎兵は、城門に開けてある小窓からアオイ達に声をかける。


「何用か?」


リンデコールは声のする方に答える。


「私達は、ラフテリアのギルドで討伐依頼を受けて来た、ドラクル王に話しが聞きたいのだが」

「、、、裏へ回れ。」


アオイ達は城壁をぐるりと回り裏手へと行く。

石垣にしか見えない壁がすっと開いた。

「わぁ。隠し扉だ。忍者みたい。」


「さぁ入れ。」

竜騎兵は3人を中へと呼び込んだ。

入ると隠し扉は閉まり、何処からどう見ても壁となる。


3人が入ると囲むように前後に竜騎兵が立っている。

「おいっ。私達は敵ではない!ここの討伐依頼を受けて来たんだぞ。」

リンデコールは、ギルドに貼られていた討伐依頼書を見せる。


「、、、」


「なぁ、お前達のボスに会わせてくれないんなら俺達は勝手に火村の回りにいる奴らを倒してくるが、それで良いのか?良いならこの壁壊して出て行くが?」

「、、、分かった、ついて来い。ただし変な動きをした時点で貴様らを殺す」


「何だとてめえ!」

「メベド、やめなよ。恥ずかしいじゃん。」

「何でだよ。わざわざ来てやったのに、この野郎が殺すなんて言いやがるから」

「何かワケがあるんだよ。ねっ。大人しくついて行こ。」

「ちっ!分かったよ。」


アオイ達は竜騎兵に連れられて城内へと入っていく。ぐるぐると迂回するように案内するのは、敵だと仮定した行動であろう。苛立つメベドをなだめながら大人しくついて行った。

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