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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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討伐依頼

迷宮に戻ったアオイとメベドは、騒ぎの収まらない状況に辟易しギルドへと戻った。そこでソウジロウから聞いた東の村から届いているという討伐依頼を受ける事になった。


森の西側にばかり来ていた二人は、喜んで引き受ける。

ソウジロウは、ティアに依頼書を持ってくるよう頼むと、降りていって直ぐにティアが手ぶらで戻って来た。


「ソウジロウ様すいません。その依頼を受けたいと言っている方が下に来ていまして。」

「ありゃ。こんな時に被るとは、、、取り敢えずお二人も下に降りますか?」

「は、はい。そうかぁ、、、別の人が受けちゃうのか。」

「なんだよ、誰だそいつは、、、」


二人はソウジロウに連れられて、受付で依頼書を見ている獣人の所に行った。その獣人は苛立っていた。


「なんだい!受けるって言ってんのに、待てだなんだとどういうつもりだい!」


「すいませんなぁ。冒険者の方、実は同じタイミングでその依頼を受けてくださる方がおってなぁ。」

「ギルマス!なんだよそれ。私の方が早かったろ!」


獣人はソウジロウの後ろにいるアオイ達を見る。


「アオイとメベドじゃないか!久しぶりだなぁ」

「リンデコールさん!お久しぶりです!」

「何だお前だったのか。」

「あら、皆さんお知り合いでしたか。」

「はい!リンデコールさんは、先輩なんで!」


「私が先輩?アオイなんだそれ?」

「あっ、すいません。僕が勝手にそう思ってて。」

「そりゃ良いけどよ。あんたらもこの依頼を受けたいのかい?」

「そうなんですよ。もし良かったら僕達もご一緒させて貰えませんか?」

「一緒に?私は構わないが、結構な大物だぞこれ。」

「ガハハハ。俺にかかれば、どんな奴でもこの斧でぶった切ってやるぞ!」


「では、3人で受注という事で良いですかな?」


アオイは、マンガの世界のような優しく逞しい先輩と一緒に冒険をするという憧れを持っていたが、その憧れた状況が実現し喜んでいた。

ニコニコしながらリンデコールの側にくっついていた。


「じゃあ、遠出になるだろうから準備して明日の出発だな。それで良いか?」

「はい!先輩!」

「せ、先輩かぁ、、、じゃあ、明日ギルドの前でな。」


「先輩!」

「なんだよ?」

「何を買えば良いですかね?」

「ん?そうか、初めてか。なら、買い物は一緒にするか。」

「ありがとうございます先輩!」


オリジンのリンデコールに連れられて必要な物資の買い出しに行く。アオイ達は野宿する為の道具も無かったので、装備品から揃える必要があった。

道具屋ではメベドが目を輝かせてどんどんカゴに物を詰め込んでいく。お金の心配をしないで良いのは幸いか。


「あんたら徒歩で行くんだぞ。そんな大荷物じゃ持てないだろ。」

そう言うリンデコールの横で「コーリウス」と唱えて購入した山積みの商品を一気に収納する。


「なっ!?、、、お前、規格外すぎるだろ。」


「え?何か言いましたか?」

「なんでもない、、、。」


その後も、先輩とコレを食べる飲むと食料を山程買ってはコーリウスと呟いて収納していく。氷なんてすぐ溶けるだろと言われるもお構いなしに詰め込んでいった。買い出しが終わると3人で早目の夕食を取り解散する。アオイ達は宿屋へと向かい、リンデコールは獣人の冒険者達が昔から借りている【レイスホーム】という仮住まいに帰っていった。いわゆるシェアハウスのようなものである。

獣人同士の方が気兼ねなく休めるのだという。


アオイは遠足の前日みたいで眠れないと言っていたが、メベドは遠足そのものを知らないのでいつも通り、ぐっすり大イビキをかいて眠っていた。


翌朝、集合時間のかなり前に起きたアオイは身支度を済ませると宿屋を出よう出ようとメベドにせっつき、大きな身体を後ろから押して無理矢理ギルドの前に連れて行った。

勿論、早すぎてリンデコールはいない。

うつらうつら立ちながら眠るメベドの横には楽しくてしょうがないというキラキラした表情のアオイがリンデコールを待っていた。


小一時間経ちリンデコールが合流すると、いざ東の村へと出発する。道中、リンデコールから依頼内容を詳しく聞いた。


東の村にはテクトナスという種族が住んでいる小さな村だという。彼等は、手先が器用な種族で力も強く建築や鍛冶などを得意とし生業としていた。


テクトナスが住む東側は、フィリドラコンという竜族の国が収めている領地である。

竜族という事だけあって、武力に特化しており戦争によって切り開いてきた。フィリドラコンは、テクトナス達に鍛冶を任せ武器を量産していた。


そんな武力押しの国が収める地域からの討伐依頼という事だけでも、この依頼に誰も食いつかなかったワケに理解が出来る。


武力でどのような外敵とも真正面から戦い勝ってきた竜族。それが、重要な武器生産を請け負う村が襲われるやも知れないと危機に陥っているにも関わらず、西側のラフテリアに討伐依頼を出したのだ。

テクトナスの種族も、フィリドラコンやエルフ程の戦力は無いものの獣人と同程度の戦力は有している。

その力強さは、人間が持ち上げる事さえ出来ない大槌も片手で楽々と振り回す。その力があるからこそ、強度の高い強い剣を作り上げるのだ。


「フィリドラコンの領地に手を出すなんて、どんな野郎が狙ってんだ?」

「それが書いて無いんだよ。これもまた冒険者を遠ざける理由だな。」

「先輩は何で受けたんですか?」

「私か?そりゃ知りたいじゃないか。最強の種族と言われるフィリドラコンが何にビビってんのか。」

「ガハハハ。確かにそうだ。俺も知りたくなった。」



東の村、テクトナスが住む村は【火村】と呼ばれている。それは高炉が絶えず動き、鉱石を溶かし続ける様子からつけられていた。



「ドラクル王は、私達を見捨てたのか、、、」

「あんた、何て事言うんだい。ドラクル王を疑うなんてバチが当たるよ!」

「しかし、あれから3ヶ月だぞ、、、3ヶ月もこんな状況が続いてんだぞ。」


フィリドラコンが納める領地に建つドラクル城。

テクトナスが建築の知識と経験を詰め込んで築城された頑強で豪華な城でありフィリドラコンの強さの象徴であった。


玉座の間。

そこには苦悩する最強種族の王の姿があった。


「ドラクル王、、、」

「分かっておる。」


暗雲立ち籠める東の空。

アオイ達一行が到着するのは、まだ先である。

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