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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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税金

アオイとメベドは初日の迷宮探索を終えて得た宝の報告をギルドマスターのソウジロウへしていた。宝の一つメベドが気に入っている斧が、なんと神の贈り物と称され神器と呼ばれる特殊な効果を発する斧であると分かった。


メベドは、喜び何度も何度も嬉しそうに神器を眺めていた。


「さて、税金の話しをしませんとな。」

ソウジロウは、急に事務的な話し方に変わった。


「え?税金?宝の?取るんです?」

「はははは。当たり前だ。聞いて無かったのか、朝に話したろうに。まったくもう」

「あはは、、、言ってたような、聞いたような。」


「それで回収したのは、その神器と薬草と銀貨5枚の5000エンだな。えーと、その神器は使うんだな?」


アオイは、メベドの方を見る。

「う、売らねーぞ!」

それはそうだと諦める。

「、、、はい。使います。」


「では、税金が5000エンっと。」

「ん?え?なんで?どれが?神器が?」

「神器、使うんだろ?これが5000エン。はい、取り敢えずこの銀貨を貰いますな。」

「え?あ、はい。どうぞ、、、」

目の前の銀貨がソウジロウに税金として回収される。


「それと薬草はどうする?売るか?」

「売ります!薬草いっぱい持ってるんで、売ります!」

「ん。なら買取で100エンだから税金で5エン貰うぞ。ほれ、95エンだな。それとさっき回収したこの銀貨5枚5000エン分も宝だったから、、、税金は250エンですな。95エンを引いて、残りは155エン貰わんとな。」


「う、嘘でしょ!これで全部なのに!?マイナス?マイナスじゃん。」

アオイは悲哀に満ちた表情で何も無い机を見ていた。


「何だ、持っとらんのか?うーん。貰わん訳にはなぁ、、、そうだ、薬草をいっぱい持ってると言ったいたな、それを見せてくれるか?」


アオイは、フィンから貰った袋一杯に入った薬草を見せる。

「おっ、これはフィンが調薬した薬草じゃないか。これなら一束2000エンで買取るぞ。」

「え!?そんなに高く買い取ってくれるんですか?」

「そうだよ。フィンの薬は騎士団御用達の一級品だ。薬草じゃなく、薬ならもっと高値が付きますぞ。」


アオイは、フィンの凄さを改めて感じたと共に少し嫌な予感もした。


「もしかして、、、そっからも税金を取るんですか?」

「はははは。それは取らんよ。あくまで迷宮で手に入れた素材や宝から取るだけだ。」


「本当に!じゃ、じゃあ一束どうぞ。」

「ん。良し税金を引いて、、、銀貨1枚と銅銭が9枚。細かいのはオマケするから1900エンだな。」

「良かったぁ、、、フィン助かったよぉ。」


アオイ達の手元に残ったのは、銀貨一枚と銅銭が9枚で合計1900エンだった。

迷宮の稼ぎだけで暮らすのは中々に厳しい。もし納める事が出来なければ一旦没収され一定期間の内に納めにこなければ没収か延滞金の支払いかの二択となっていた。


「アオイくん、メベドさん。これは、凄い宝を見つけたボーナスだ。受け取ってくれ。」


ソウジロウはポケットマネーから、金貨1枚を手渡した。実に10万エンもの大金だ。


「えっ!ええ!!きっ金貨!貰えないですよ!こんな高価なもの。」

「お前、俺達を騙す気だろ?そ、そんな甘言には乗らんぞ!」


「はははは。いやいや、騙さんよ。アオイくん達の発見のお陰で冒険者も増えるだろうからね。金貨1枚分なんてすぐに稼げる額なんだよ。だから受け取ってくれないかい?」


「本当に?すぐ税金とか言わないですか?」

「大丈夫だよ。ほら、早くしまわんと気が変わってしまうぞ。」


アオイは有り難く頂く事にした。

初日の儲けはなんと10万1900エンと万々歳の結界であった。


懐が温まった二人は、ギルドの側にある宿屋で一泊する事にした。チェックインを済ませると、オルデンと行ったレストランに向かったが時間が遅いのか閉店していた。

それ以外には、酔っぱらいがドンチャン騒ぎをしている居酒屋ばかり。


「うわぁ、、、居酒屋は嫌だなぁ。」

「なら、迷宮の入口にあった屋台にしないか?」

「そうだね。果実スライムも食べたいし。良いね。」


屋台では24時間いつでも冒険者達の為に美味しくて温かい料理が食べられるよう商人達が励んでいた。


二人は、一杯500エンと格安のラーメンと氷に果実スライムかけたデザートを堪能して空腹を満たすと、夜の王国を少し散歩してから宿屋へと帰っていった。


その夜二人は、明日の迷宮入りの前に買い出ししようと話し合った。果実スライムも容器が無ければ持ち帰る事が出来ないし、魔族の核が取れたならそれを入れる袋も必要だ。

ボーナスを除けば、宿屋での一泊も厳しい稼ぎだった事を考えると必要経費だろう。


「じゃあ、明日は宿屋の人に買い物出来るお店を聞いてから出発だね。」

「そうしよう。明日は、俺の神器で魔族をギッタギッタにしてやるから、大きな袋を買わなきゃな。ガハハハ。」

「はいはい。期待してるよ。」


病に伏していた日本での暮らしの頃には考えられないような経験をしている。

アオイは夢のように楽しい世界を満喫して眠りにつく。明日もきっとワクワクする事が待ち受けているに違いないと、早る気持ちを抑えて布団の中に潜り込んだ。




王国2日目の朝。雨の降る朝だった。

「おはようメベド。雨だね。」

「ああ、そういう時期だな。」

「梅雨?」

「つゆ?」

「えーと前にいた所だと長雨の季節の事を梅雨って言ってたんだ。」

「そうなのか。ならば、これも梅雨だな。ひと月程は曇天が続く時期だ。まぁ、迷宮の中に入ってしまえば天気など関係ないがな。」


アオイ達は朝食を取り、宿屋の主人に買い出し先の情報を聞く。

迷宮の周りには道具屋が沢山あるが、主人のオススメは、老舗の道具屋エルガ商店だというのでそこへ行くことにした。

宿屋の主人は「これ使いな」と雨合羽を貸してくれたがアオイには少し大きく、メベドは肩までは何とか覆えるサイズだった。好意で貸してくれたので使わせて貰う事にした。

デカデカと宿屋の名前が背中に書かれた雨合羽は、宣伝にもなるようだ。因みに、宿屋は一泊朝食付きで一人2000エン。更に冒険者には割引があり、半額の1000エンで宿泊できる。


小雨が降る中、二人は通りを歩く。

早目に出発したつもりだが、往来には人が溢れている。雨であろうと関係なく、冒険者達は活発に動いていた。


宿屋の主人から聞いた老舗の道具屋エルガ商店に到着する。バサバサと雨合羽を脱いで水滴を落とす。


「おはようございます。すいませーん。」

「はいはい、少々お待ち下さい。」


奥から老人が出てくる。

「おや?あんたら、噂の二人じゃないかい?」

「え?噂?、、、どうだろう?違うと思いますよ。」

「そうかい。そりゃ、失礼した。それで、何をお求めですかな?」


アオイは素材などを入れる袋や瓶など、良い物は無いかと老人に相談する。しかし、今朝早くから冒険者達が買い漁っていったという。何やら上層での探索時間を増やすとか何とか言ってたそうだ。そう、アオイ達の神器ゲットのニュースは既に冒険者達の耳に入っていたのだ。


「えーー、、、残念だな。」

「折角だ、他の物も見てみないか?」


メベドには収集癖もあり道具屋は魅力的であった。

小一時間程見て回る。


「ねえ、メベド行こうよ。」

「あぁ、すまない。見入ってしまった、、、ん?コレは、えらい古い本だな。」

「それですか?良かったら譲りましょうか?」


エルガの主人曰く、昔買い取った古い魔法が書かれた本だそうだが、古過ぎて書かれた文字も薄れ売れ残っているという。折角来てくれたのに申し訳ないと譲ってくれた。メベドは、本の表紙の凝った感じが気に入り有り難く頂戴することにした。

「すまんな爺さん。」

「構いませんよ。またご贔屓にして下さい。」


二人は雨合羽を着直して外へ出る。

小雨降るなか、迷宮へ向かっていった。

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