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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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ラフテリア王国

建国100年を超える王国、ラフテリア。

東には上位種の魔物が生息する深い森があり、西には魔族の狭間という魔族領を抱え人間にとっては厳しい環境である。そのような状況で100年以上も保ち続けているのは、強国である証であった。


このハコニワには、西のラフテリア以外にも森を中心に東、南、北とそれぞれの地域に国があるが、人間が作った国というのはラフテリアだけであった。


ラフテリアの強みは騎士団は勿論の事、共に国を守り栄光と繁栄に寄与しているギルドだった。


そのラフテリアで特徴的なのは、獣人と呼ばれる種族が人間と共生している事である。特にこの20年で獣人たちは大幅に増え、大半はギルドに所属し魔族領にある迷宮へ潜っては様々な、恩恵を国にもたらしていた。


そして、ラフテリア国王もまた獣人であった。先代の人間から王位を継承した初の獣人王である。


そのような雰囲気もあり、フィンはパグロームベアが居ても問題ないだろうと楽観視していたが、、、、


「フィン、、、これはどういう事だ。」

「、、、ごめん。」

「何を謝る。どういう事だと聞いているのだが?」

「、、、だって。」


「フィン、ここってやっぱり、、、牢屋だよね。」

「、、、ほんと、、、ごめん。」


無理もない。魔物と魔族に挟まれて緊張感のある国に上位種である魔物を引き連れてやってきたのだ。

牢屋で済んで良かったのかも知れない。


「うーん、、どうしたもんかな。」

「アオイ、待つしかなかろう。何せフィンは王国から好待遇を受けているのだから。」

「、、、嫌味な熊ね。」

「何か言ったか?フィン様?」

「何も言って無いわよ!もう!ほんとごめん!!」


ここは王国に入ってすぐにある地下牢。

収監されているのは、アオイ達を除けば大体は街で暴力沙汰を起こした血気盛んなギルド所属の冒険者達であった。

地下牢とはいえ、暗く重い雰囲気はなく鉄格子越しに冒険者同士で迷宮について話しをしていたり、隠して持ち込んだ酒を酌み交わしたりしていた。


「看守のひとーー!ちょっとーー!」

フィンは地下牢中に響く声で何度も呼んだ。


「何だよフィン。煩いぞ。」

やって来たのは看守ではなく、騎士団長だった。

「オルデン!早く出してよ!薬持って来ただけなのに酷くない!?オルデンが持って来いって言ったんでしょ!」


騎士団長のオルデンは、ため息交じりに鉄格子に寄りかかる。


「言ったぞ。早く持って来いと。」

「だから持って来たんじゃないよ!」

「誰が魔物引き連れて持って来いと言ったんだよ。」

「そ、それは、、、か、関係ないでしょ!」

「関係ないわけないだろ!魔物だぞ!魔物!俺達がどんだけ苦労してるかも知らずにお前は、、、はぁ。」


「取込中すまないが、俺達は街を出て行く。だから後はそのおチビさんと二人でやってくれ。」

「ちょっとメベド!勝手な事言わないでよ!あんた達がいなくなったら、私が疑われたままじゃないの!」

「知るか。お前が行けると言ったんだろうが。」

「そ、それはそうだけど、、、私は?ほら、私も一緒じゃなきゃ。だって、ほら私達は友達でしょっ。」

「友達?ほう。人間は友達を牢屋に閉じ込めるのか?そのような珍妙な風習は初耳だな。」

「メベド、そんなにフィンをいじめたら可哀想だよ。それに、ここを出るって言っても牢屋だし簡単には出れないよ。」


オルデンは腕組みをして3人の話しを聞いていた。


「いや、そうしてくれると助かる。ラフテリアの外でお前達が仲良くしようが何しようが、とりあえず今はお咎め無しだ。」


「え!?それじゃあっ!」

「あぁ。3人共、釈放だ。」

「流石オルデン団長!よっ!世界一の騎士団長さまっ!男前っ!」

「やかましいっ!調子に乗るなフィン。分かってると思うが、もしお前達がラフテリアに手を出すならば、いくらお前でも容赦はしないからな。」

「そんな事するワケないじゃないっ。王国はお得意様なのよ。もう、冗談キツイんだから。」


3人は無事に釈放される。

地下牢から出ると、王国の住人達はざわついていた。オルデンが「大丈夫、害はない」と言いながら3人を引き連れて王国の外へと向かう。


「なっ?騒ぎになってるだろう?反省しろよフィン。」

「でもオルデン、パグロームベアよ。パグロームベアが友達だなんて、凄い戦力だと思わない?」


「おい誰がお前の戦力だ?俺はアオイの従者だと何度言えば分かるんだ。」

「それは分かってるわよ。でも、最近は魔族達も強くなってて、迷宮でも新しい階には行けて無いって聞くし薬草だって使う量が増えてるからさ。まぁ、薬草が売れるのは嬉しいんだけど、、、違う違う。そうじゃなくて、そんな状況だし私達はラフテリアにとっても重要じゃないかって言ってるのよ。それにアオイも色んな世界を知りたいかなって。」


「迷宮かあ、確かに憧れるなあ。」

「でしょっ!アオイもそう思うでしょ!」


ポコっ。「いたっ」

オルデンがフィンを小突いた。


「何を勝手な事を言ってるんだ。とりあえずお前達の事は王に伝えるが、戦力とかそんな話しはせんぞ。魔物と少年が良い関係を築いているのは王も興味があるだろうからな。」


オルデンと別れてからアオイの頭の中には、病室のベッドで見ていたマンガやファンタジーアニメの光景がぐるぐるとしていた。

迷宮、冒険、そんな世界がここにある。マンガを読んでは「行ってみたい」「冒険したい」と憧れた世界がすぐ近くにあったのだ。もし迷宮に入る事が出来たのなら、もし冒険者として旅が出来たのならと心が踊るのは自然な事だろう。


「アオイ、何だか楽しそうだな。」

「えへへへ。もし、メベドと冒険が出来たらって考えちゃってね。」

「冒険?あぁ迷宮の事か?」

「うん。そういうのマンガで読んでたからさ。」

「そんな楽しい事なのかね。」

「分かんない。分かんないけど、ワクワクはするよ。」

「ワクワクか、まぁあの騎士の様子じゃ難しそうだな。」

「そうだね。でも、そんな世界があるって分かっただけでも楽しいけどね。モブとコリンも知ってたのかな?」

「そうだな。あいつら魔族にとっちゃ迷宮なんて珍しい所でも無いだろうから。ゴブリンには縁の無い場所だがな。」

「そうなんだ。」

「あいつらは、魔族からも敬遠されてきたからな。」

「何でなんだろうね。魔族にもダメって言われて、魔物からは狙われて。あんなに良い人ばっかりなのに。」

「それだよ。魔族にしてみりゃ、ああやって里を築いて誰とも争わず仲良く暮らすなんて異質な存在なのさ。まぁ魔物からしてみりゃ、単純に弱いあいつらが格好の的になってたんだがな。」


「メベドもそう思ってたの?」

「まぁ、、、過去の事だ。今はそんな風に思ってはおらんぞ。それにオズワルドは弱くない。」

「だよね。良かった。いつか、モブとコリンも自由に里の外に行ける世界になったら良いな。」

「ならアオイが王となれば良い。」

「あははは。そんなの無理だよぉ。僕はただの子供になっちゃったんだから。」

「ただの子供?俺を倒してヴィンディードッグのボスになったお前がただの子供と?ガハハハ。そんな子供おらんわ。ガハハハ。」


「アオイ、もし迷宮に行けるようになったら、私も行くからね。」

「え?何で??」

「ふっふっふ。迷宮にはね、外の世界に無い素材がたんまりとあるのよ。そう素材の宝庫でもあるのよ。そんな話しを聞いたらやっぱり自分で採集したいじゃない。」

「フィンは本当に薬の事で頭がいっぱいだね。うん。もしそんな日がきたら一緒に行こうね。」


3人は迷宮に潜った事を想像しては、ああするこうすると話しをしながら村へと帰っていった。

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