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ここに俺がいても良いんですか?  作者: ぱぱのです
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2日目の幕開け

転生した日にゴブリンと出会い、パグロームベアを倒して従者にした。そしてヴィンディードッグの群れと戦ってはゴブリンの長に認められたアオイ。それは凄まじい速度で新しい世界に馴染んでいった。


ゴブリン達の祭りは夜明けまで続いた。

一人のゴブリンが小便をしようと、酒の残る身体を揺らしながら門の外へ出た。

鼻歌交じりに立ち小便をしていると、背後からグルルルと聞き覚えのある声がする。何だ?と振り返ると、眠気も酒も吹っ飛ぶ程に驚いた。「ぎゃーーー」と叫び里の中に飛び込んだ。

騒ぎを聞いた他のゴブリンが「何だ?」「どうした?」と事情を聞くと、昨日のヴィンディードッグの生き残りが数頭門の外に座っているという。

これは一大事と、一人は長を起こしに向かい、一人は角笛を吹いた。

ブォーーーー。再び鳴るけたたましい警報。

眠る兵士達も飛び上がって起きた。


門の所には、長と共にアオイとメベドも駆けつけていた。

確かにヴィンディードッグがそこにいる。そこにいるが、様子が違っていた。


「角笛をやめよ!」オズワルドは、兵士に指示を出した。

そして、ゆっくりとヴィンディードッグへと近付いていく。


「我が名はオズワルド。お前達、言葉は分かるのか?」

数頭のヴィンディードッグの内の一頭が頷いた。


「そうか。俺は巨躯のボスを殺した者である。その恨みを晴らしに来たのか?」

その一頭は、首を横に振る。

「違うと、、、では何故ここに来たのだ。」

その一頭はウォンと鳴いた。

「うおんでは、分からぬ、、、」


アオイはメベドに話しかけた。

「ねえ、メベドは何を言ってるのか分かるの?」

「ん?あいつらの言葉か?まあカタコトにはなるが、分からなくも無いぞ。」

「じゃあ、オズワルドさんの変わりに聞いてきてよ。」

「仕方ない。」

メベドはそう言い、オズワルドの横に立ちヴィンディードッグの通訳を始めた。


「メベド、すまんな。助かる。」

「構わん。アオイがそうして欲しいと言うからな。」


「おい、犬っころ。何の用だ?」

ヴィンディードッグはウォンウォンと鳴いた。


「どうだ?分かるか?」

「ガハハハ。ああ分かる。分かるが、、、ガハハハ。」

「何だ?何と言っておる?」

「まあ待て。おーいアオイ、こっちに来てくれ。」

メベドはアオイを呼び、ヴィンディードッグの前に立たせた。ヴィンディードッグはウォンウォンと鳴いている。


「え?何?何て言ってるの??」

「アオイ、こいつらお前をボスだと言ってる。」


「えええーー!!何で!!僕、人間だよ!」

「ガハハハ。そんな事、こいつらにとっちゃどうでも良いんだよ。」

「いやいや、それに巨躯のボスを倒したのはオズワルドさんだし。」

オズワルドも確かにと頷いている。


「ガハハハ。いやな、巨躯のボスはボスじゃないんだと。」

「ええーーー!!!」アオイと共にオズワルドも声をあげて驚いた。


「ガハハハ。ほら、こいつがボスだ。」

そう、ヴィンディードッグのボスは巨躯のものではなく、目の前でウォンと鳴くものであった。


「し、しかし巨躯の唸り声でお前達は勢いを増していたではないか。」

ウォンウォンと鳴く。

「それは、あいつが一番声がデカいからだそうだ。」

「なっ、、、俺は一騎打ちまでしたのだぞ、、、」

「ガハハハ。」


「で、でも何で僕がボスなの?」

ウォンウォン

「アオイがボカンと叩いて気絶したからだってよ。」

ウォンウォン

「それに、殺さずに見逃してくれたと感謝してるみたいだぜ。俺と一緒だな。」


「そ、そんなあ。僕の回り魔物ばっかりじゃん。これじゃあ、何処にも行けないよお、、、。」


オズワルドや回りのゴブリン達もぷっと吹き出して、大笑いし始めた。


アオイの転生2日目は、新たにヴィンディードッグ6頭のボスとなる所から始まった。

「アオイ、ボスになった事は仕方のない事、諦めよ。」

「、、、うん。そうなのかなぁ、、、はぁ。」

「しかし、メベドのように里の中にというのは勘弁してくれないだろうか。里の者達は、ヴィンディードッグ達に家族を食い殺されておるし、恨みは深い。」

「、、、そうだよね。うん。分かるよ。」


ウォンウォン

「それは、こいつらも理解してるみたいだぜ。」

ウォンウォン

「こいつらは、森の住処に戻るんだと。」

ウォンウォン

「でも里の外で何かあれば駆けつけると言ってるぞ。それは良いか?オズワルド。」


「勿論だ。里の外の事まで口出ししようとは思ってはいない。それにアオイがボスであるなら、我々も安心だ。」


ウォンウォン

ヴィンディードッグ達は、思いを告げ終わると住処へと帰っていった。


「ねえメベド、最後何て言ってたの?」

「、、、、」

「ねえ!何て言ってたの!」


「ありがとう、、メベドって。」

「えへへへ。照れてる。」

「うるせぇ!照れてねえ!」


「今度森に行って、あの子達に名前を付けなきゃね。」

「それは凄いな、、、まぁ、あいつら飛んで喜ぶだろうな。」

「そっか。それなら近々行こうね。」

「ああ。」



ぐっすりと眠っていたモブとコリンは、オズワルドからアオイがヴィンディードッグのボスとなったと聞かされた。友達が里の敵だった魔物のボスになったのは複雑な心境ではあったが、アオイがボスならばと敵対する事も無くなるしと納得していた。名付けに行くと言うアオイに「付いてくるか」と聞かれたが、やはりまだ割り切れない所もあって二人共断った。


「でも、嫌とかじゃないからね。」

「俺もそうだ。まだ、ちょっとな。」


「うん。分かってるよ。考えてくれてありがとね。」


この日は、マリーナがアオイとメベドに服を作ってくれると言うので二人共2階の裁縫部屋へと招かれた。


マリーナと数名の女達は、サササッと手慣れた手付きで二人の採寸を終えるとカタカタカタっと布を縫い始めた。

「メベド、あんたは腰巻きだけでいいね。」

「俺は何もいらないがな。」 

「何言ってんだい。メガミノオトシモノの従者がフルチンなんてアオイが可哀想だよ!」

「あはははは。そうだよお!僕が可哀想だよ!あははははは。」

「チェッ。好きにしてくれ。」


アオイは身に付けていた病院着から、綺麗な緑色の洋服を貰った。それはゴブリン達から家族であると認められたような美しい緑色であった。

勿論メベドの腰巻きも綺麗な緑色だ。


「似合うよメベド。」

「あぁそうかい。」

そんな様子をモブとコリンも嬉しそうに見ていた。

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