時戻りの時計が…壊れる?
2023年の5月に東都電鉄新宿駅を出た車内で銃による無差別殺人事件が起きた。
2人の男子学生と1人の女性が犠牲となり、他にも4人の怪我人がでた。
真里奈はその事件で右腕を撃たれて怪我をし、告白をするつもりだった山王寺蓮を失った。
『好き…だよ…ずっと見てた』
「好き…私も…ずっと見てた」
それが最期に交わした言葉。
始まりの筈だった言葉は終わりの言葉になった。
終われない。
こんな形で終われるわけがない。
事件が起きないように事件の原因を解決するために時間を遡った。
巡り。
巡り。
そして、悪夢のような負の螺旋はまだ続いてる。
2004年の6月。
無差別事件を起こした中島絢斗の家に強盗に入り両親を殺して事件の原因を作った林小次郎。
彼を強盗へと向かわせた彼の息子である林一馬のひき逃げ事件。
真里奈と仁はひき逃げ事件の犯人である伊藤杏奈が事故を起こさないように彼女と元々結婚するつもりで事情があって別れ事故後に彼女と結婚し、筈木一郎の父となる筈木樹の元を訪ねて彼女の窮状を話して仲を取り持った。
筈木一郎は別れた後もずっと彼女を愛していた。
伊藤杏奈も彼をずっと愛していた。
だからこそ一人で生きていくために徳島鴨島病院で無茶な勤務を繰り返したのだ。
一人で生きて行かなければという強迫概念が彼女を駆り立てていたのだろう。
結局、伊藤杏奈は罪の深さと後悔の念で心を病んで死んでしまったのだ。
罪は誰をも不幸にし。
罪は誰も救わないのだ。
真里奈と仁は筈木一郎に彼女を迎えに行くように説得した後に一度訪ね、その時に彼の家族から『徳島へ行った』と聞き、安堵しつつも、その後にもう一度だけ様子を見に近隣へと姿を見せた。
そこには笑顔で会社へ出掛ける筈木樹を見送る伊藤杏奈の姿があった。
彼女は笑顔で
「行ってらっしゃい、樹さん」
と呼びかけた。
筈木樹は振り向きながら笑顔で
「ああ、行ってくる」
杏奈、家のこと頼む
と手を振って足を踏み出した。
真里奈はその様子に微笑み
「きっと、近い内に伊藤杏奈さんは筈木杏奈さんになりますね」
と仁に告げた。
仁は頷くと
「ああ、これであの罪に苦しみ続けて死ぬこともないだろう」
と答えた。
真里奈は安堵の息を吐き出すと
「良かった」
と呟いた。
二人の頭上には青い空が広がり、東京の街にはいつもと変わりないが何処か明るさを含む活気が溢れていた。
君に辿り着くための事件推理
筈木樹と伊藤杏奈が幸せへの一歩を踏み出したのを確認した二人はもう1つの事件を解決するために動き出すことにしたのである。
高津光男の母親の吉田律子殺人事件である。
高津光男は母親の死によって女性に対して歪んだ感情を持つようになり女性を手にかけていたのである。
キャバクラで働き息子であった光男を振り返ることもなく男を連れ込んで寄りかかるように結婚を迫ったりしていた母親の吉田律子。
そして、挙句の果てに彼女は死体となって見つかった。
彼が9歳の時である。
幼い彼は女は男に溺れて子供など見向きもせず捨てられる…そんな愚かで哀れな生き物だと歪んだ感情を持ち、そんな素振りのある女性に母親を重ねて憎しみをぶつけるように殺していっていたのである。
「君も俺の母親と同じだ…子供を捨てても平気な」
愚かな女だ
そう言って罪のない女性たちの命を奪い続けていたのである。
その被害者の女性の一人が林小次郎と共に中島家に強盗に入る井上旭の母親である井上由子であった。
彼女の死が井上旭の父親のネグロイドを生み、彼はその父親の元から逃げ出して、やがて、仕事場で出会った林小次郎と強盗と言う罪を犯すことになったのである。
真里奈と仁はそれを起こさせないために彼の母親の事件を止める必要があったのだ。
仁は明大前駅の駐車場に来ると
「さて、どう調べていくかだな」
と呟いた。
真里奈はう~んと唸ると
「私が思い浮かぶというと警察の調書と捜査資料と…新聞?ですか?」
と告げた。
仁は腕を組み
「それだがな」
現時点の俺はまだ警察官じゃない
「警視庁へ手帳を持って乗り込めば…今だったらコスプレ野郎が警視庁に忍び込んだって確保される」
と告げた。
真里奈はプッと笑って
「確かにですね」
と答えた。
仁も苦笑しつつ
「まあ、笑い事じゃないがそう言う事だな」
と告げた。
そして時計を見ると
「取り敢えず、現場へ行って…ちょっと聞き込みするか」
警察にばれなきゃいいだろ
「本当に刑事なんだからな」
と告げた。
真里奈はクスクス笑って
「矛盾してまーす」
と突っ込んだ。
仁は笑って
「言っとけ」
と告げた。
2人は一頻り笑って、真里奈は
「じゃあ、私は新聞で探してみます」
と告げた。
仁は頷いて
「じゃあ、図書館に送ってから現場に行くことにする」
と車に乗り込んだ。
真里奈も助手席に座って
「お願いします」
と告げた。
真里奈は新宿区の図書館に行き、仁は一人で現場に訪れた。
東京の荒川区の住宅地。
マンションや一軒家が混在する極々普通の街並みである。
住宅地には高低差があり上の方には一軒家が多く下にはマンションアパートなどが集まっている。
それを繋ぐように段々畑のように家が建ち、その合間を階段が蛇行するように上と下を繋いでいた。
その階段の踊り場の一つで吉田律子は仰向けになって死んでいたのである。
死因は頭がい骨骨折による脳内出血。
階段から転落した際に頭を強打したという事である。
本来なら不注意による転落死。
そう言う見方も出来たのだが殺人事件となった決め手は階段の上の方で揉み合った足跡が残っていたことと、足を踏み外した際の転落状態と彼女の転落状態が大きく違っていたという事であった。
彼女は後ろ向きで少し跳ねるように落ちて階段の段のところで頭を打ち付けて、その後、転がって踊り場で止まった…そう言う形であった。
分かっているのはそこまでである。
仁は息を吐き出し
「井上由子と高津光男の事件の時にもっと詳しく聞いておくべきだったな」
いや調書や捜査資料を見ておくべきだったな
とぼやいた。
まさかこの事件まで解決することになるとは考えていなかったのだ。
だから犯人が彼だと分かり生い立ちなどを洗った時に触れる程度に出てきた話を覚えていた程度の認識だ。
そう、新潟県警の刑事浜松健吾からチラリと聞いた情報であった。
正に後悔先に立たず、である。
仁は問題の踊り場に立ち腕を組んだ。
「26年前だからな」
知っている人も少ないかもしれないな
「取り敢えず聞き込みをするか」
そう呟いて踊り場から少し階段を上がって先に右側にある家のインターフォンを押した。
インターフォンから女性の声で
「はい、どちら様でしょうか?」
と返った。
仁は胸元から手帳を見せながら
「警察のものですが、26年前にここで起きた殺人事件について再捜査で調べています」
と告げた。
すると中から細身の若い女性が出て来て不思議そうな顔で
「はぁ…26年前の…ですか?」
と呟いた。
仁は頷いて
「ええ発生が26年前の5月25日です」
と告げた。
女性は困ったように
「その、引越ししたのが3年前でそれ以前のことは分からなくて」
と答えた。
確かに見るからに26年前と言えば子供の年齢の女性だ。
仁は手帳を直すと
「そうですか、解りました」
ご協力ありがとうございました
と応え、頭を下げた。
その向かいも女性が子供を抱きながら出て来て
「すみません、うちは10年前に引っ越ししてきたんで」
分からないです
「すみません」
と告げた。
考えれば26年だ。
仁はそれでも階段の両際の家と上の一軒家と下のマンションの人たちに聞きまわった。
その中で上の古びた一軒家に暮らしていた60歳くらいの女性が
「あ、ああ」
ありましたね
と告げたのである。
彼女は当時も暮らしており
「パトカーのサイレントか煩かったのを覚えています」
と告げた。
「本当に怖かったわ」
ただ
「キャバクラで働いていて男を連れ込んで結婚を迫る女性だったって新聞で読んだくらいで詳しくは分からないわ」
当時ならこの界隈だけでも色々みんな噂していたからねぇ
「でももう開発とかで引っ越ししたり亡くなったりして入れ替わっちゃったからね」
仁は「そうですか」と答えた。
「ご協力ありがとうございます」
そう告げた。
仁は彼女の家から離れて道を歩きながらため息を零した。
「時間が…ネックか」
時間の経過で失われていくものが多すぎるな
そう言って、不意に足を止めるとハッと目を見開いた。
「そうか、事件発生から数年内なら…まだ情報が残っている可能性がある」
仁はふっと笑みを浮かべると
「…この手があるか」
と呟くと、大きく一歩を踏み出してホテルへと急いだ。
図書館で事件の情報を少しでも洗い出そうと調べている真里奈は26年前の新聞のバックナンバーを図書館の司書の女性に訪ねた。
「すみません、26年前の新聞のバックナンバーってありますか?」
読みたいんですけど
女性は笑顔で
「ありますよ」
と言い
「ただ他の本とかと違って持ち出し禁止なんですけど」
と「こちらですよ」と歩き出した。
真里奈は頷いて
「ありがとうございます」
と彼女について足を進めた。
26年前の5月25日。
日付けが分かっているので記事を探すのは難しくはなかった。
大体が翌日か翌々日くらいに記事になっている。
ただ、どの記事もドーンと一面に出ていたり、三面でも大きく取り扱われたりしている訳ではない。
真里奈は1978年の5月26日の朝刊から見始めた。
確かに吉田律子の記事は載っていた。
だが。
だが。
真里奈は見つけると
「あったけど…」
と呟いた。
『東京荒川区の階段に女性の変死体』と見出しがついて後は時間と場所と女性の名前と年齢くらいであった。
真里奈はムンッと力を入れると
「まだ東都新聞だけじゃね」
と言うと他の新聞も探した。
だが、載っていたのは東京の地方新聞くらいで全国区の新聞には載っていなかった。
内容もどの新聞も団栗の背比べ程度の内容であった。
彼女は息を吐き出すと
「なんて言うか…う~ん」
センセーショナルな事件なら凄く詳細に書くけど
「じゃないのは情報が殆どない」
と呟いた。
取り敢えず図書館でその新聞記事のコピーをとってホテルへと戻った。
時を遡って一か月前に戻ったとしても犯人が分からないままではダメなのだ。
それこそその日一日中その場所で見張って
「物理的に止めるしかないわ」
そう言う事である。
真里奈は溜息交じりにがっかりしながらホテルに戻ると既に仁が戻っており
「よ、おかえり」
とベッドに座りながら手を上げて彼女を出迎えた。
真里奈は目を瞬かせて
「仁さん、早いですね」
と客室の窓際にある椅子に座りコピーをテーブルの上に置いた。
仁はベッドから立ち上がってコピーを手にすると
「どうだ?詳しく報道されていたか?」
そうすれば助かるんだが
と呟き、コピーを見ると
「やはりな」
と小さく呟いた。
真里奈は背凭れに身体を預けて
「そうなんです」
三面記事の片隅と言う感じで日時と場所と吉田律子さんと言う名前だけでした
「中島さんのご夫妻の時とかは凄く詳細に何日もかけて載っていたので」
今回も期待したんですけど
「そう言うのあるんですね」
と呟いた。
仁は真里奈の正面に座りながら
「そうだな」
恐らく当時の新聞社や記者の中には詳細に調べている人間もいるが
「それを本当に記事にするかどうかは当時の他の事件やニュースによって変わるからな」
それは今も同じだな
「あ、いや…俺達の時代でも一緒だな」
と言いコピーをサラッと流し読んだ。
「新聞社やテレビ局の胸先三寸で決まる部分もある」
真里奈は自分が遭遇した事件のニュースが警視庁の前で自分が叫ぶまで延々と流れていたのに自分が彼らに叫んだ夜のニュースから殆ど流れることが無くなり、芸能人のスキャンダルニュースに切り替わった事を思い出して
「確かに…ですね」
と答えた。
そして、真理奈は
公共の電波と言われるが
「現実はそれほど公共って感じではないですよね」
と付け加えた。
仁は苦く笑いながら
「まあ、しょうがないさ」
と言い、彼女を見つめると
「それで、これは提案なんだが」
と指を立てて言い
「これまでは先の事件の時に今回の犯人を割り出して掴まえていたが今回は時間が開き過ぎている」
それこそ警察の調書以外に詳細を知る方法がない
「だがその伝手も今の俺達にはないから事件の一年以内に時戻りをして裏取りをし」
犯人を見つけるという方法はどうだろうか?
と告げた。
「過去だったら短くても長くても関係なく飛んでいけるんだろ?」
未来には一度きりしか飛べないが
「過去には幾らでも遡れるとそう言っていた気がするんだが」
真里奈は驚きつつ頷いて
「は、はい…そうですけど」
私、思いつきもしませんでした
「確かに事件の一年以内なら周辺の人たちも殆ど変わっていないと思いますし」
今ほど情報が無くなっていないと思います
「そうですよね、確かにそうですね」
と「おぉおぉ」と感心した。
「それでやってみましょう」
仁は笑顔で頷くと
「よし、そうしよう」
但し先に何よりも林一馬の事故が起こらないことを確認しないといけないから
「徳島へ行って7月7日に事故がちゃんと起きないことを確認してから吉田律子の事件の一年後…つまり25年前の1979年の5月25日に行く」
それで良いな?
と告げた。
真里奈は大きく頷いて
「はい!」
と答えた。
仁は息を吐き出すと
「よし、これで決定だな」
と告げると
「取り敢えず明日は徳島へ移動して7日まで待機だな」
と告げた。
2人は翌日の早朝にホテルをチェックアウトすると車に荷物を詰め込んで徳島へと向かった。
前回のように新潟から徳島へ行き、再び新潟に戻ると言う訳ではないので今回は車での移動にしたのである。
運転する仁の隣に座り渡された徳島の旅行雑誌を見ていた。
携帯で情報を検索するというのが出来ないので仕方なく雑誌で検索という事である。
仁は高速に乗ってハンドルを切りながら
「どうだ、何処かいいところはあったか?」
と聞いた。
「今回は調べなくて当日に状況を見るだけだから、少々離れていても構わないぞ」
言われて、真里奈は
「あの、湯治場ってどうですかー?」
と聞いた。
仁はチラリと彼女を横目で見て
「湯治場?」
ホテルじゃなくて良いのか?
と聞いた。
「金の心配ならしなくてもいいぞ」
真里奈はそれに
「温泉入れるし、安いし、自炊が問題なだけだから」
と呟いた。
仁は小さく笑って
「なるほど、真里奈ちゃんは自炊が出来ないんだな」
と呟いた。
真里奈はあっさりと
「はい、料理はしたことなくて」
と雑誌とにらめっこしながら告げた。
仁は目を細めて笑むと
「わかった、不味くても良いなら飯くらいは俺が作れる」
と答えた。
真里奈は目を見開くと
「本当ですか?」
とウヒョーと声を出しながら驚いた。
仁はハハハと乾いた笑いを零しながら
「いやいや、そこまで驚く必要はないだろ」
と言い
「これでも交番勤務の時は一人暮らしをしていたからな」
警視庁勤務になってから姉と暮らし出したんだ
「自炊できなきゃ飯が食えん状態だった」
と告げた。
「警察官も勤務体制が特殊だからな」
真里奈は仁を見つめながら
「そうなんですね」
凄いです
と尊敬のまなざしを向けた。
仁はフフッと業と優越感に浸った表情で
「凄いだろー」
と答えた。
結局、真里奈が選んだ場所は祖谷渓の近くにある松尾川温泉の湯治宿であった。
ひき逃げ事件の現場となった吉野川市からは少し離れてはいるが事故のあった時間も午後4時頃という事で早いわけではないので問題はなかった。
2人はゆったりと時間が流れる秘境の温泉宿で7月7日まで真里奈は仁から料理を教わりつつ待機し、その日の昼前に宿を出て事故のあった吉野川市の鴨島敷地へと向かった。
仁は事故のあった山越えの道に入る西側で待ち、真里奈は東側で待っていた。
その日は晴天で7月の始めだが気温は高かった。
時刻は15時で事故のあった時間の1時間前である。
太陽はまだ高く夕暮れと言う雰囲気もない。
ただ山道なので木々が生い茂り蛇行したアスファルトの道路には深い影を落としていた。
仁は時計を見て
「そろそろか」
と呟いた。
そこへ一台の自転車が通り抜けた。
中学生の制服を着た青年で事件の調書で見た林一郎であった。
林小次郎の息子である。
仁はそれを見送り車のエンジンを入れると少し離れながら後を追いかけた。
「無事に通り抜けてくれよ」
そう祈るしかない。
そして、真里奈のいる西側の道から山道へ入る車の姿はなく静寂を保っていた。
仁は林一馬の後ろをゆっくりと付いて行った。
伊藤杏奈は既に筈木樹が徳島を訪れてプロポーズをし、結婚をして今は幸せな結婚生活を送っている。
この日にあの場所を彼女が通ることは無いのだ。
真里奈はどきどきしながら立ち続け一台の自転車が山越えの道から出て来て林家の方へ向かっていくのを見つめた。
その直ぐあとに仁の車が止まり
「見届けようか」
と言うのに笑顔で頷いて助手席に乗り込んだ。
2人が林家の見える道に来ると自転車を止めた林一馬が家の戸を開けて
「ただいまー」
と声をかけるのが響いていた。
それに林小次郎の声が返り出迎えに来ているのが見えた。
その笑顔が眩しく輝いていた。
極々普通の当り前の風景。
だが、それがどれほど貴重でどれほど幸せであるか。
失って初めて気付くのかもしれない。
真里奈は幸せそうな日常の風景に笑みを浮かべると
「良かった」
と呟き、強い瞳で仁を見て
「じゃあ、東京へ戻ったら…行きますね」
と告げた。
仁は頷くと
「ああ、25年前の吉田律子の事件が起きてから一年後に、だな」
と告げた。
真里奈は頷いて
「はい」
と答えた。
2人は立ち去り、東京へと向かってから時戻りをすることにしたのである。
徳島から香川へ出てしまなみ海道を渡り、そこから東へと向かった。
そして、東京と神奈川の間を流れる多摩川の河川敷に到着すると真里奈は時計の針を1979年の5月25日に合わせた。
高津光男の母親である吉田律子を死に追いやった犯人を見つけるために。
その事件を止めるために。
真里奈は時計を抱き締めると
「時戻りの時計よ」
示した時へと誘え
と告げた。
その時、キーンと小さな音が響いたが真里奈にも仁の耳にもあまりに小さすぎて聞こえなかったのである。
1979年5月25日へ2人は時を遡ったのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。