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5.いや、ハードモードの必要ある?

今日は16時にもう1話投稿いたします。

似たタイトルの話がいくつかあるので、少しわかりやすく変更しました。

この世界の暦は季節が春月、夏月、秋月、冬月の4つに分かれている。そしてその季節が春1の月、春2の月、春3の月と3つに分かれている。

全部で12か月。元々はゲームだからか、非常にわかりやすいともいえる。

今は秋2の月で、昨日誕生日だったのだから、現在私は12歳。

ゲームの始まりは学院の入学式だ。入学式は14歳になる年の春月の最初の日に行われる。

つまり、ハードモードなゲーム開始まであと1年と少しぐらいなのだ。・・・短いな。


今の私のステータスってどのぐらいなんだろ?

確か、ゲーム開始時でパラメーター自体はごく平均的で、MAX100に対して4大精霊に関してはオール20、他はオール50だった。

ここから100、無理ならメインヒロイン級の80ぐらいを目指すのか・・・厳しいよなあ。


パラメーターの種類は4大精霊の火、水、風、土。あと教養、ダンス、礼儀作法。

教養などはさすがの貴族令嬢だけあって、現時点でもそれなりに身についている。ステータスとして確認できるすべはないけれど、多分もう40とかはあるのだろう。


問題は4大精霊だ。学院に入学していないのでまだ精霊の勉強は始まっていないし、それを教えられる家庭教師などは数がかなり限られていて、それこそ王族や高位貴族等のよっぽど限られた方々しか入学までの予習といったものは受けられない。

だからこそ、4大精霊に慣れていないシャルリア関連のトラブルが多いという設定なのだろう。


予習と言っても、机に向かって勉強するというだけではない。

騎士の家系に生まれたものはその剣の稽古を通じて火のパラメーターが上がっていくし、文官の家に生まれたものは、家の蔵書を読み漁ったりすることによって土のパラメーターが上がっていく。生まれによる初期パラメーターボーナスといったところか。


残念ながら我がフロンターレ家は、何かに秀でている家系ではない。

よって、初期パラメーターボーナスのようなものはないのだ。

位的には伯爵になる。貴族の位の中でもちょうど中間あたりの位であり、高くもなく低くもない。中流貴族のちょうど真ん中あたり、と考えていいと思う。

王都にて国を動かす高位貴族の中で繰り広げられる権謀術数には無縁だが、それなりに広さがある一領地の領主としての命を受けている。


このフランズベルト王国では、王家の降嫁先であったり傍流である公爵家、宰相や騎士団長といった国を司る重要な役職についている侯爵家、王都の周辺にある領地を王の代理として治めている伯爵家、侯爵家や伯爵家の補佐として様々な任につく子爵家、王都より遠く離れた小さく点在している領地を治めている男爵家という貴族の位順となっている。

前世で知っていたイギリスとかの爵位とはなんか違う気もするし、細かい役割みたいなものは違うかもしれないけれど、元はゲームのファンタジー世界なので、多少のいい加減さというかあやふやさはあるんだろうなあという感じで理解している。

あとは騎士団に所属している騎士爵家、一代限りの準男爵家とかあるみたいだけど、ゲームに深く関わってこなかったのであまりよくわからない。

この国はよくあるファンタジー世界の設定どおり、有象無象の貴族たちが王を中心としてそれぞれの務めをこなすことによって成り立っているのだ。


考え込んでいた姿勢から顔を上げ、あらためて姿見の中の自分を見つめる。

・・・やっぱりどうせならメインヒロインに転生したかったなあ。

夢の異世界転生だもの、イケメンに囲まれて、ウッハウハな学園生活を送ってみたかった。

このままじゃ、学院へ行ってもひたすら勉強ばっかりじゃないかな・・・それはなんか、嫌だなあ。

学院入学までに何かステータスアップできることはないかな?そしたら少しぐらいは楽になりそうな気がする。

ゲームでは全く予習も何もしてないのに、入学時に4大精霊のパラメーターが20あるのって素質だけでってことよね。

思ったよりも悪くない感じ?あとはそれをどこまで伸ばせるか、だ。


・・・あれ。ちょっと待って。

そこまで考えて、ふと自分にツッコミをいれる。


私、別にエレメンタル・プリンセス目指す必要ないよね?

自分と同じ年齢のマリーアンジュ王女様がこの世界にいらっしゃることは、記憶を取り戻す前から存じ上げている。

周囲から漏れ聞こえてくる評判も高く、おそらくゲーム世界通りの優秀なチート王女様なのだろう。

ならば王女様がエレメンタル・プリンセスになることはもうほぼほぼ確定していて、そしてそれを争う必要は全くない。

私は悪役令嬢でもなんでもないし、エレメンタル・プリンセスになれなくても家が没落するわけでも断罪されるわけでもない。世界を救う必要もないし、聖女になる必要もないのだ。

エレメンタル・プリンセスはただ1人でもこの世界に存在するだけでいいのだ。


そっかそっか、なーんだ。2度目の人生、別にハードモードにしなくても、1人のモブとして気楽に生きていけばいいのか。


・・・でもなあ。


このシャルリアという存在に転生したからには、やっぱりエレメンタル・プリンセス目指すのがお約束なんじゃないの?

前世ではクリアできなかったハードモード、クリアしたいという気持ちがふつふつと・・・


やれやれ、と首を振る。

我ながら、バカじゃないのと思わなくもない。

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