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ダイノス王国が知らない

その言葉に俺は動揺を隠す事すらせず壮年の男性、吉田創玄という男に詰め寄った。



「ダイノス帝国を知らない?そんな馬鹿な!あの世界でも類を見ない巨大な国家を知らないはずが無いだろう!」


普段なら俺もこんな馬鹿な質問はしない

だが、魔王によって訳の分からぬ場所に飛ばされ、見知らぬ土地、見知らぬ人間

更に見た事も無い建物に焦っていた。

そしてトドメが帝国の存在である。


「アレックスさん、お、落ち着いてください。」


吉田創玄の言葉に正気を取り戻す。

申し訳ありません、と一言伝え元の体勢に戻り話を伺う



吉田創玄との会話で得たものは多かった

先ほどの餓鬼という魔物の事、春香や菜子が使っていた魔法の事

そしてここが俺の居た世界とは別の世界では無いかと言う事だった。


まず餓鬼についてだが、俺が魔物と呼んでいたが正確には妖魔と呼ばれる類の者だと言う事。

妖魔には餓鬼だけではなく様々な種類がいるらしく、餓鬼は低級の妖魔らしい。

多分ゴブリンみたいなもんだろうと認識しておく。


次に符術と呼ばれている魔法だ。

こちらに関しては俺が居た世界の魔法とそこまで差はないらしい

ただ、春香が使っていた符術という魔法は特別で、吉田家に伝わる秘伝の魔法と言う事だ

俺が試しに魔法で火を灯してみると似たような魔法があるとの事なのでこれに関してはこのままの認識で良さそうだ。


最後に別の世界という認識

これに関しては確信を得たわけでは無いが、ダイノス帝国の存在がない

更にこの場所が日本という聞いた事のない国ということ

さらに屋内外の家の作り、これも見た事の無い作りだった

地図を見てもさっぱりわからん!


吉田創玄が言うには、日本では神隠しと呼ばれる人が一人その場から消え去る事例等もあるようで、もしかしたらそういった類の何かが俺をここに飛ばしたんじゃないかと言っていた。


話しが一段落した所でこれからについて、吉田創玄と話しあった。

その結果この家に住み込みで働き、一先ず情報を仕入れたほうがいいんじゃないかという結論に至る。

娘を救って貰った恩もあり、困っている人間を見過ごすわけには行かないと言っていた。

俺も多少の抵抗はあったが、何も宛てが無い以上この提案を蹴る道理は無く世話になる事に決めた。


「ではこれから宜しく頼みますよ、アレックスさん

私の事は創玄とでもお呼び下さい」


「ああ、暫くお世話になります、創玄さん」



こうして俺は吉田旅館で働く事になったのだった。




「あーくんそれ終わったら次はお風呂お願いなぁ~」


「うっす」



1週間ほど経ち、ここの生活に慣れ始め色々な仕事の手伝いを任される様になった

そして自室も与えられ、テレビやパソコンといった機械の説明等も受けすっかり現代っ子?に染まりつつある。

勇者からヒモになりたい。

最近ではそう思い始めたのであった。



やっと現在になりました。

そして勇者はヒモになります(大嘘

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