双つ月の晩の話
ひとつは【朱き月】の晩の話
月が朱く灯る晩の夢
1人の少年が洞窟で、とても美しい女をみた
朝、少年が洞窟へいくと洞窟には大きな石が立つのみ
晩、少年がもう一度洞窟へいくとそこに広がるのは静かな水面とたくさんの蒼い蓮が花を咲かせていた
雫が天井から水面に落ちる
水の中、静かに眠る美しい女をみた
美しい女は、蒼い石の話だとも
過去の日に殺された少女の姿だとも語られた
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ひとつは【蒼き月】の晩の話
月が蒼く照る晩の刻
深く暗い奈落の底にひとすじの月華の滴が落ちた
奈落の底に落ちた滴は一輪の花を咲かせた
それは妖しく照る朱い蓮の花だという
朱い蓮は、美しい石の話だとも
過去の日に自ら命を絶った少女の姿だとも語られる
作者が中学生のときに書いたものを少し手直ししただけのものです。