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休日、あなたは何してますか?〜蔑みの目を向けられます〜

すみません、かなり短いです。

 扉の先に居たのは、やはり、ボクの親戚の榊宴先生と同級生の成瀬史織さんと橘雫さんだ。三人は扉から出て来たボクを見て硬直している。一人はイタズラっ子のような笑みから、一人は緊張した面持ちから、一人はその緊張したものを微笑ましさから……


「どうしたの?皆揃って」

「…あ、ああ、ほら、最近会ってなかっただろ?だから朝飯を一緒にと思ってな」


 ボクの言葉に宴先生がいち早く正気に戻り、用件というか、提案をしました。三人が固まっているのはボクがフード姿で出て来たからだろう。


 因みにボクのフードのことはクラスメイト全員が知っている。素顔を見ているのはグランさん率いる騎士団とメイド達(料理長含む)と王族の四人だけです。他は買い物に出る時は素顔のまま出ればボクに気付くものはいない。


 それにしても、部屋の中でもフード被っていると思われていないか心配だ。ただでさえ、クソ貴族共に変人扱いされ、クラスメイトからも距離を置かれている(宴先生や成瀬さん、橘さん以外)のに……

 ……………まあ、いいか。


「そういえば、そうですね……ボクは構いませんよ」

「そうか、じゃあ早速行こうか!」


 うれしそうな声で言う宴先生は(成瀬さんも若干嬉しそうに、橘さんはそれに続き)足早に食堂に向かいます。ボクもその後をついていきました。



 突然だが、この世界の魔法は不思議なもので、たまにその属性魔法で回復魔法が得意だったり、防御魔法が得意だったりする。そういうものを、前者を治癒師や聖女などと後者を結界師などと呼ぶ。

 実際、クラスメイトの中にはそういうものがいる。例えば、魔法中心の女生徒の中には聖属性で主に防御魔法が強かったりする子もいれば、宴先生は付与魔法が得意だが、自分や皆にかけるだけでなく、死体にかけても効果があり、霊などを召喚出来ることから死霊術師…所謂ネクロマンサーと呼ばれたりする。

 そして、攻撃魔法の中には武器を使った魔法もある。ゲームで言う戦技やアーツ、必殺技みたいなヤツだ。勇者達は基礎しか使えない。


 魔法は何も人間だけが扱える訳ではない。魔物にも魔法を使える奴がいる。何より、魔獣や一部の魔物には、固有魔法という詠唱もなしで使える魔法がある。それはその魔物や魔獣の特性を生かした固有魔法を持っている。因みにボクが戦ったあの森の魔物はこの世界ではゴブリンはまだ弱い方なので固有魔法は持っていないが、小さいヒュドラは毒霧だった。あれはまだ成長途中で、大きくなる段階で首が増えていくそうです。最大で6本は生え、全部六属性の固有魔法 (光線)を出す。一番厄介なので絶対手を出したくないです。


 そうそう、ドロップについてはこの魔法だったり、神様が用意していたりと仮設が多々あるそうですが、ボクは神様云々が怪しいとにらんでいます。なんせ神様だし………

 こういう異世界には割と本物がいたり、神様に近い存在がいたりするのが定番ですから。



 まあ、ともかく、だ。現実逃避はやめてちょっと現実をみようか………はぁ…

 ざっくり言うと、周囲のクラスメイトと貴族坊っちゃんに見られている。ほぼ、侮蔑を意味する視線で参ります。しかも、今日は三人の人気者と一緒にいるので、それは、ますます増すばかりである。成瀬さんは天然なので気づきませんが、宴先生は鬱陶しいという感じで、橘さんは若干嫌そうな感じで反応していた。

 そんな時、忌々しくも鬱陶しい声がボク…ではなく、成瀬さんにかかる。


「やあ、史織!奇遇だね。雫と宴…さんも」

「おはよう、ミリアム君」


 この気安く話しかけ、ボクを無視するこの人は、ボク達を脅してきたクソ貴族共の一人……あぁー、名前は忘れた(覚える気が無い)………まあ、とにかく、その子供である。


 彼は、ユズキを無視し、宴を呼び捨てにしようとしたので、宴が睨みつけた結果、訂正させた。


 その後、二言三言話して、ユズキを蔑みと嫉妬の目で睨みつけて去っていった。


 それからは特に突っかかってくるものは少なかった。主に、いじめ三人組と勇者(正確には突っかかってはいないが)だ。

 そして、ようやく食堂につき、三人と話しながら食事を終え、ユズキはまた部屋で研究を続けた。

次回で「休日、あなたは何してますか?」を終わります。そろそろ、主人公を転生させようと思います。

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