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殲滅後の話

「……特に何も感じない」


 ボクは襲ってきた魔物を殲滅後、魔物の一体に刺した剣を抜きながらそうつぶやく。剣は両方とも魔物の血だらけでもうほとんど使えない。それでも、一応、回収する。

 この訓練はたしかに実戦練習だが、同時に殺しをどの程度受け入れられるの見極めでもある。ボクは全く問題ない。昔からボクは物怖じとかしないタイプだった。でも、一応の確認だ。

 ……ここまで何も感じないと我ながらゾっとする。


「…おう、こっちは……まあ大丈夫か」

「ちゃんと心配してください」

「いやぁ、あの戦いを見てると、なぁ」


 いつの間にか、やってきたグランさんに気配察知で気づいていたが、ちょっとびっくりした。もうちょっとはやめに声をかけて欲しい。まあ、戦闘中に話しかけられたら、集中力乱れるし、魔物があっちにいくから話しかけなかったんだろう。そういうのが分からなかったら騎士団の団長なんてつとまらない…か。


「それよりも、勇者その他チームはちゃんと戦えてるでしょうか?」

「いや、無理だろう。あの勇者でさえ、戦えてるかどうか分からん」


 あたりまえか… ボクみたいなのは異常だからそこまでは期待していないが、多少は戦えるようになって欲しい。じゃないとボクが困る。



 さて、今回倒した魔物は……ゴブリン、オーク、コボルトといったファンタジーの基本的な魔物と蛇の頭が五つある成人男性並の大きさのヒュドラ(本に書かれているのよりちっちゃい)やアント(アリを大きくした魔物)などがでた。ウザかったのは一角兎通称ホーンラビットとリッパーラビット通称はねうさぎ。何をはねるかは……ご想像にお任せする。

 種類はともかく、質がヤバイ。一体一体が中ボスのようだった。なんでこんな魔素が濃いんだ、この森……

 因みにゴブリンは最弱な魔物ではない。この世界の魔物に弱い個体は存在しない。強いて言うなら……ハチを大きくしたビーという個体…多分勇者その他チームはこれを重点的に相手にしているはずだ。ゴブリンも相手していると思うが、多分ここのゴブリンより数倍弱い。オークなんて今のあいつらには無理だろうしな……


 今ボクとグランさんは魔物の剥ぎ取りをしている。部位によってよく売れる。ボクも山に行くため抜け出す時は魔物を狩って素材を売ったおかげでかなりお金がはいった。そろそろ もらった国宝のあの武器(ナイフ)改造しようと思っていたのでちょうどいい。

 ……脱線したがこの森は何故魔素が濃いのだろう?グランさんに聞いてみると……


「なんでも、その昔 正の神と負の神が争ったといわれる場所の一つだそうだ。そのため魔素濃度が濃いのだろう」


 と言われた。正の神と負の神というのは図書館でボクが調べたところ… 昔、神は二人居たという。だが、二人の神は正反対の神……当然協力なんてできない。それで、たまに人になって地上に下りる二人は地上のものに迷惑をかけないよう森や遺跡、迷宮内などで喧嘩をした所、破壊の跡と共に魔素濃度が濃い場所となった。その一つがこの森だというのはボクも驚いた。

 因みにいつの間にか正の神は負け、負の神がこの世界を管理している。




 あの後、剥ぎ取った魔物の素材をギルドの素材を換金する受付に行って売ったら、金貨50枚になった。ボクは元々結構稼いでいるので驚かなかったが、グランさんは結構驚いていた。

 グランさんと半分ずつという話に持ちかけると、グランさんは自分は半分も倒してないのでもらう資格がないと言ってきた。

 (そんなの気にしなくても良かったんですが……)

 結局、3割は強引に持たせました。そして、しばらく買い物をしてクラスメイトが帰ってきたのを見計らって王城に戻った。


 その後、皆の様子を見るとげんなりしているのがわかった。話によると勇者を含めた20人が戦えるとのこと。しかし、橘さんはともかく、成瀬さんも殺れるとは……意外だった。

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