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悪魔、旅立つ

一話と二話の内容を少し変更したので、三話投稿以前に読んだ方は読み直したほうがいいかもしれません


 とうとう魔国へ旅立つ日がやって来た。

 荷物を積んだ馬車の前で父と家督を継ぐ弟が見送りをしてくれる。


「メルリア、本当に侍女を連れていかないのか?」


「そうだよ、姉さん。魔国も一人だけなら良いっていってるんだからさ」


「連れていかなくても私は平気だから心配しないで」


 少し心細い気もするが、我が家の侍女は皆子持ちだ。魔国に連れていけば子供と離ればなれになってしまう。

 生きているのに母に会えないなんてことに、私はしたくなかった。


「ねっ姉さん……。うっ……ひっく」


 弟のジーンが泣き出した。私を思って泣いてくれるのは嬉しいが、もう15歳なのだからすぐに泣かないで欲しい。

 ……私が甘やかしたのが悪いんだけどね。


「ジーン、貴方は見た目金髪碧眼の王子様なんだからシャキッとしてたらモテるわ。だから泣いちゃ駄目よ」


「うっ……姉さん、ありがとう……」


 私とは違い素直に育ってくれた弟が立派な当主になることを祈ろう。


「メルリア、次に会うのは結婚式だ。それまでは国から追い出されるようなことをするんじゃないぞ」

 

「僕も結婚式行くからね!」


 父は私のことを何だと思ってるんだ。 いくら何でもそこまではしない。

 ……たぶん。


「ありがとう、ジーン。楽しみにしてるわ」


 父が鋭い目でこちらを見ているが無視する。

 この目に自分の目が似ていると思うと少しショックだ。


「じゃあ、時間だから行きますね。お父様、ジーン元気でね」


「ああ」


「姉さんも元気でね!」


 馬車に乗り、外を見るとジーンが手を振ってくれている。振り返していると馬車が動き出した。


 次期魔王様ってどんな人なのだろう。

 楽しみだ。



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