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サカモト小隊室にて・上

説明が長引き+多そうなので途中で切り上げてとりあえず載せ。

予約掲載って便利なのでしょうか。

 案の定、ケビン嬢は部屋のソファーにかけて煎茶をたしなむティーさんを見て、鳩が豆鉄砲喰らったような顔をしていた。


 まあ、顔を合わせるのも初めてだろうし、元部下だってことも知り様が無いだろうしな。


 普段は大きな眼を七割くらい開いている「眠たげな目付きの悪い近眼女」が眼をパッチリ開けているのだから、余程パニクっているのだろう。現在進行形で。


「で、改めて何しに来たんだね」



「た、隊長。大丈夫なんですか!?


 姫将軍様にたっ、タメ口なんかきいちゃって…」



 …やっぱりツッコミがいると落ち着くなあ。


 目の前にはテーブルを挟んで元ツッコミがいるにはいるけどね。



「大丈夫だよ、ケウィネル。


 隊長に敬語を使わないよう『命令』したのは私だよ。


 さすがに君には…やめとこうか。ガッチガチみたいだし。


 いやあ、大隊長に返り咲いた私に隊長が敬語を使ってきたんだけど、正しい敬語だったんだけど、違和感というか…かなりキモくて。


 慣れたら昔話に華でも咲かせたいな、ケウィネル」



 …どうせ、敬語は似合わねーよ。


 そういえばこのティー嬢とケビン嬢、年齢は違えど士官学校の同期にあたるらしい。


 同学年とはいえ、ティー嬢がケビン嬢の1コ上だという事実はしっかりと存在しているようだ。


 他の同期の言うことには、彼女達の誕生日には他の女生徒からの百合百合プレゼント攻勢が展開されていたそうだ。


 二人とも見た目いいしタッパあるし、実力は抜きん出ているしな。男でも惚れるわ。…ん? 何か変だな。


 それは置いといて。



「で、結局何しに来たんだよ、ティー嬢。


 ケビン嬢を秘書にでもスカウトに来たんだったら、昇格はほぼもう間に合ってるから次の上司にでも掛け合ってくれ」



「えっ!?


 何それ聞いてな」



「それもいいんだけどね。


 単純に元上司に相談をしに来たの」



 何か急にしおらしくなったな。


 …ケビン嬢知らなかったのか…。


 んでも、こやつの相談事っていったら兵站や奇襲についての話など、色事とはほど遠い話ばかりなので、



「…ハァ…」



 と、溜め息が漏れるのは仕方の無いことだ。少なくとも俺にとってはそうだ。



「…まだ何も話してないわよ。


 …ハァ…」



 御前もしてんじゃねーか。



「…ハァ…」



 …何故ケビン嬢も?



「まあ、いい。


 …俺は茶でも淹れ直してくるからケビン嬢に思いの丈を話したまえ」



 なんか居づらいし。


 茶を淹れるのにかこつけて、席を外すことにした。


 単にマジで引き抜き話に来たのかもしれないし、ここはレディ同士、腹を割って…。



「えええええええええーーーーー!!??」



 …やっぱり引き抜き話か。しかしケビン嬢も大袈裟な。


 というわけで煎茶も淹れ直したので、新しく湯呑みに注ぎ持っていく。



「テュテュ将軍…マジですか…マジですか…」



 おーおー壊れてる壊れ…若干壊れすぎじゃないか?


 どんな爆弾ネタなんだろうか。


「で、ガールズトークでどんなネタ出したんだよ」



 猪の隠し子とか、王妃が小姓に入れ込んでるとか、そんなとこかね。



「ネタというか本題なんだけどね…。



 勇者に誘われてね」



 ………。


 ……………。


 …………………マジか?




 というわけで、引き抜き話じゃなくて引き抜かれ話だったでござる。



「いつの話だよ、それ」



「…4、5日ほど前になるかな。


 召喚された勇者さまと王と王妃の前で御前試合をしたのは知ってるよね」



 確か、そんなことあったな。


 シェードが衛生兵として駆り出されて、「トトカルチョに参加できない」とか愚痴ってたやつだっけ。


 あれ、勇者が参加してたのか。



「我ながら善戦したつもりだったんだけど負けてしまって。


 そしたら私の手を取って、


『僕の背中を守って頂きたい』


 とか、あの顔で言ったのよ。


 勇者のハーレムにはまだガチ前衛はいないみたいだし、必然と言えば必然なんだろうけど。


 10代の頃なら確実にオとされてたわね。


 ルックスだけなら極上の美少年だし」



 色々と手前で言うな、とは思ったが。


 しかし、喚ばれてたんだな。哀れな同郷の少年が。


 野郎のゴシップにはあんまり興味が無かったので、全然知らなかったけれど。

今月中には次を載せたいです。

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