後ろ向きなリザルト
一度まとめたほうがいいのかな
どうやらどちらが先に目覚めるか、という後ろ向きチキンレースには勝利したようだ。
頭がくわんくわんするあたり、どうやら頭に膝でもかすったのか。まっすぐ綺麗に入ってたら首の骨が折れて死んでただろうしな。
二度とやらねえぞあんなの。と言いたいが忘れた頃に使わざるを得ない状況になるのが常だ。
とりあえず相手方の状況を確かめる。寝ゲロで彼岸の向こうにいってなければいいが。
…とりあえずは息をしているから大丈夫のようだ。冷たくなってないから不死者ということもない……はずだ。
日の落ち具合から、俺はだいたい30分位でリカバリーしたようだ。比較的昼が長い季節とはいえもうじき日の入りである。
正直、このまま放っておきたい。仮にも俺を殺そう? とした輩である。
かと言ってほったらかしたら身ぐるみ剥がれてパンイチか。それならまだいいが、野生の獣にかじられて彼岸の向こうに渡った場合だ。
俺が何かしたことになったら大変なことになる。
最悪、証拠隠滅…否、手当のために連れ帰る必要がある。
だがどうやって連れて帰ろうか。
身長は俺と同じ170ちょいくらい男性平均くらいだがとても背負って帰れるような状態ではない。一応、俺も昏倒してたのだ。
…家に帰れば、いろんなもの(主に狩った獣の遺骸など)を載せて引きずるための紐付き筵がある。大八車だとメートル四方より少し大きいくらいなのでうまく乗るかわからない。というか乗せるのに一苦労するし、もしもの時に置いて逃げることができない。
筵ならゴロゴロ転がして載せたあと引っ張ればいいもんな。長距離は無理だけど。
我ながらゲスいんだかお人好しなんだかよくわからんが。
これで声の甲高いオッサンとかだったら泣けてくるなあ。
とりあえず面やらを取るのはやめて…厄介事の種は勘弁である。
手足もふん縛らなくちゃダメだろうか。でもそしたらこいつを救出に来た奴に寝首をかかれかねない。
やっぱり打ち捨てておこうか。…天秤の心持ちである。