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賢者の苦悩に思いを馳せる

4時間…。

誤字チェックはほぼしてないです。

携帯の性能の都合で1話につき全角5000文字(10000バイト÷2バイト)までです。

しかし、このままじゃ5000文字は優に超えるのでここで一旦切って前半とします。

携帯が新しくなったところでこの制限は解けない気もしますが。

 ペシペシ。



 座れ、ということか。


 彼女にしてみれば、自分の座っている場所の隣をポンポン叩いているつもりなのだろうが、如何せん彼女のローブの袖がいわゆる松の廊下状態なのであんな音が鳴っている、という次第だ。


 まあ、正面に座るか横に座るか若干迷っていたのでありがたい提案と言えばありがたい。


 というわけで指定席にどっしりと座る。



 改めて見ると…やっぱり小さい。


 座った状態でも、頭一つくらい高さが違う。


 あれ、俺の分のジュース頼んだっけ。


 お冷やが出るような店ではないのは確かだ。



「おごり」



 …女性はエスパーか。



「女は割りと対等を好むもの」



 …そんなもんか?



「そう」



 …俺、一切しゃべって無いぞ。



「読心術…では無いけど。


 小さいと思ったことへのちょっとした反撃」



「マジですんません」



「口に出てる」



 言葉が必要最低限にも足りてないのが逆にグッサグサ刺さる。


 気にしてたのか…てか、俺の表情に何か出てんの? それとも態度?



「慣れ。


 身長差に慣れなくて反応したみたいで別にいい」



「あ、許してくれるのな」


 魔法使いをキレさせたら何葬にされるかわからんしな。



「許すも何も怒ってない。


 許しがたいのはここまでしゃべらせたこと」



「さ、話に戻ろうか。


 図面を引いた者の意地だろうってところは話したね」



 コクリ。



「よし」


 よし、首の皮は繋がった。


「まずは、何故内堀と外堀の間に居住地、外堀の外側に耕作地帯が出来たのかは知ってる?」



 コクリ。


「初代領主は盆暗か大物」



「うん、完璧」


 こうなるってわかっててやってるなら確かに大物だしな。


「で、都市設計を命じられた奴は悩みに悩んだんだろうな。


 L字状に連なる天険を背にした、水を引く初期投資を行えば大いに化ける天然の要塞を城下町にしろときたもんだ。


 もともと、大河が枯れて出来た地形らしいから大河跡を通るルートの中継都市にしたかった…にしちゃやりすぎか。


 普通の街だったらパンケーキみたいに縦横にスパッと線を入れて細かいことを後は現場に投げればいいんだろうけどな」



「焼いて、凍らせて、突っ込めば終わり」



「うんうん…う?


 いや、火計はまだしも、ここは冬になっても堀を渡れるほど氷は厚く張らないぞ?


 馬は馬甲冑を着けているのは大抵溺れるし」



「焼き、凍らす。


 真夏、真冬でも」



「…おま…サリ・カニュが?」



 コクリ。



 そんな、魔術師を数十人かき集めたような荒業…ってかそれ以前に…。



「てか、幾つ祝福受けてんだよ」


 火と水と…氷だから風も…2種でも天才…というよりレアなんだが。



「…カイチなら大丈夫。


 多分…ほぼ全部?」



 ここに神に愛され…否、神の子はいた。K○Dなんか目じゃないくらい愛されてやがる。


 恐ろしや、勇者ハーティ。



「ラクシーも凄いよ…。


 自然死じゃなければ灰になっても…」



 …カテドラル、ってか。


 勇者ハーティは蘇生が絶対成功するけど、一般人は信心がどうとかでミスったら灰になるとか…それからさらにミスったら…記録にはないが。



「続き」



「あ、ああ」


 なんつーか、なあ。


「んで、俺が思うに都市設計者が領主に2、3お願いをした…と思うんだよ。


 あくまで推測だけどな」



 ふむふむ。



「まずは外堀の外の耕作の奨励だな」



「そこから?」



「そこからだな。


 外堀を農業用水として利用出来るようにしたのも、用水路を縦横渡したのも恐らくはすべて設計者の下心あってのことだ。


 雨季は畑がドロドロになるし冬季は?」



「雪が多く降れば細い用水路がまるでクレバス」



「…そうもなるか。


 とにかく『進軍を嫌がらせる時期を作ること』がキモだ。


 実際他の穀倉地帯に比べて税がわりかし緩めだ」



「薄利多売?」



「何か違うがニュアンスは合ってる。


 広ければ広いほどいいからな。


 ま、それが一つ。


 次は…あの橋ってか川かな。


 ほら、あれあれ」


 勇者ハーティと3人がすでに通ったであろう橋を指す。



「運搬水路のはず」



「平時はその側面が大きいだろうな。


 通りが扇の骨みたいに横に並んでる構造上、ああやって通り同士を繋ぎ、横切るルートは絶対に必要だ。


 …話は変わるが夏は避暑の為にあの川で泳ぐ奴がいてな。俺も下着一枚でよく飛び込んだもんだ…今はやらんぞ、足を突っ込んで涼む程度だ」



「本当?」


 サリ・カニュがこちらをじーっと見上げてきているのであろう。相変わらず目線はフードで隠れている。



「…すまん、去年も飛び込んだ。


 もちろんプライベートでだが」



「♪」



 してやったり~♪ な雰囲気が凄い出てる。何か悔しい。いや、普通に悔しい。


 とにかく、今はお互いのために流す。



「…で、今は昔の話だ。


 で、当然さほど深くはないが川底を覗きたくなるわけだ」



「なんで?」



「好奇心だ。


 川には魚の一匹すらいなかったからな。


 川じゃないな、水路だな。


 で、底を見ると…」



「貨幣?」



「ほとんど無いな、あるとしてもゴミぐらいなもんだった。


 そこじゃなくてな、川底が一面の石畳だった」



「………」



「最初の内は街の近くだからと思ってたんだが、2年目、3年目ともなると、どこまで石畳なのか興味がわいてきてな。


 仲間と一緒に調べてみたんだ」



「出口は?」



「鉄柵で大きいものが流れないようにはしていたが、全部内堀に流れ込んでいた。


 入口は水門やら何かのギミックで内堀から大量の水を間断無く汲み上げていた」



「それだけ?」



「もうひとつわかったことがある。


 底は全部石畳で…、



 水深が一定だった」



「??」



「一つ質問だ。


 最強の盾って何だと思う?」



「?


 ………。


 …勇者の盾?」



「それは個人が持てる範囲でかな。


 俺が知ってる最強の盾は世界一大きくて世界一重くて世界一分厚いし加工も比較的容易に出来るし火でも燃え尽きない。


 まあ、水には少し弱いかな」



「…なぞなぞ?」



「確かに聞く限りではそうだな。


 答えはこれだ」



 困らす気はないので、俺は長靴ちょうかのかかとをコンコンと鳴らす。



「地面?」



「そう。



 加工ってのは穴を掘るってことだけどね。



 火の魔法を防ぐのは水より砂や岩がいいはず…だよな?


 周りがクソ暑くなるって弊害はあるけど霧(水蒸気)で視界が塞がれるよりはマシだろうし。


 魔術の知識なんて無いから常識かも知れないけど」



「…!!」



 顔がよく見えないのでわからないが、掌をポンと叩いたところから見るにいたく感心しているらしい。


 …アレ? 何?


 魔術の技術革命やっちまったの?



「…ブツブツ…熱砂はそのまま防御なり攻撃なりに…ブツブツ…凍ったならそのまま質量攻撃…ブツブツ」



 なんかサリ・カニュがブツブツ言い始めた。



「これで…勝つる!


 続き」



「えーと…いいの?


 なんか今、魔術開発してたような…」



「それも大事。


 でも、アイデアを持つ貴方はもっと大事」



「さいですか…」


 …何やら面倒なことに…。



「大丈夫、煮詰まったら話す。


 続き」



 やっぱり専門家と話すと面倒だね。

適当と言うにはあまりにもヤバい『机上の空論』は続きます。

その場その場で書いているので一貫性や整合性には自信がありません。

まあ、後から焼き鳥みたく一本、大串を刺すのも手ですよ。…多分。

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