2-6 謎の記憶
彼は自分の話を不必要に笑うことなく聞いてくれた。そして彼は追加で質問した。
「ありがとうございます。少しばかり別の話になります。あなたが先日投稿されたツイートはかなりの人数に読まれているかと思いますが、その中であなたの話を本当だと信じている人ってどのくらいいると思いますか?」
僕は考えたことのない質問を受けた。僕は少し考えたのち、引用リツイートなどの反応を思い出して答えた。
「そうですね、現象自体を本気で信じている人はほとんどいないんじゃないかなと思います。怖いと思っている人はいるようですが、あくまで怪談感覚で読んで怖いと思っている人が多そうな印象でした。まれに『二重人格』だとか『脳がやられてるんじゃないか』みたいな反応はありましたが、『自分も同じ経験をしたことがある』みたいな話はいなかった気がします」
僕は認識していることを話した。
「二重人格はまだいいかもしれませんが、『脳がやられてる』は誹謗中傷にあたる気もします。そのような言葉を聞いてどう思われたか伺っても良いでしょうか...?」
本田さんはかなり気を使った話し方をしていた。僕は話す。
「少し傷ついたのは事実ですが、客観的に見るとそう思われても仕方ない経験であることは百も承知です。そのため、ある程度であればスルーしています。明らかに度を超えた暴言や人格攻撃に対してはブロックや通報などの対応をさせていただくつもりですが……。」
「そのようなツイートがあったのでしょうか?」
「いえ、なかったです」
「それはよかったです。ここまでありがとうございました。事前に聞きたかったことは聞けました。逆に聞きたいことなどがあれば気軽にどうぞ」
僕は1個質問をする。
「正直、僕の話を信じていますか? 信じていないのであれば信じていないと言ってもらって大丈夫です」
彼は答え始めた。
「そうですね、やはり内容が内容なので、個人的には無条件に信じられるかと言われるとNoと言わざるを得ないのかなと思います、申し訳ないですが。しかし、あなたの話から真剣性のようなものを感じ取っているのも事実です。客観的な事実がどうかはさておき、夢だとか幻覚だとか、あるいは客観的に起きたことなのかも分かりませんが、あなたがそのような体験をしたと認識していることは本当なんだろうな、と思っています」
フォローしてくれたが、やはり信じきれていないところもあるようだ。当然の反応と言えば当然の反応だ。自分も自分の話が確実に信じてもらえる代物だとは思っていないし、僕が言っていることを無条件で信じてほしいとも思っていない。個人的にはむしろ疑って欲しかったまである。自分でも気づけない何かに気づける可能性があるからだ。僕は、もう1つ相談したいことがあると伝えた。
「何でしょう?」
彼はそう言った。僕は幼少期から流れてくる謎の記憶について説明した。




