2-4 インタビュー開始
「インタビューは1時間程度で終わることを想定していますが、場合によっては長引くかもしれません。できるだけ長引かないように努めますが、どの程度であれば大丈夫でしょうか」
彼はそういった。僕は19時から予定があるので、2時間程度で終わるのであれば大丈夫だと伝えた。
「承知しました。ありがとうございます」
彼はカバンからPCを取り出し、起動までの間雑談してくれた。
「大学生ですよね、普段はどのようなことを勉強されているのでしょうか?」
「僕は情報系なので、コンピュータの仕組みやアルゴリズムについて勉強しています」
「すごいですね、難しくないですか?」
「そうですね……確かに内容で言えば難しいですが、自分が興味ある内容なので、そこまで大変とか苦痛って感じではないですね」
その後も当たり障りのない会話が続く。PCの準備ができたようで、彼は本題について話しはじめた。
「それでは本題に入らせていただきます。件のツイートに関する内容における質問なのですが、あの件については本当にあったとあなたが認識していることなのでしょうか。もし怖いのであれば、これ以降の質問もですが、答えたくないと言ってもらっても構いません」
僕は、本当にあったことだと認識しています、と伝えた。あれが幻覚であったとしても、実際に体験したと思っていること自体は疑いようもない事実だ。
「その時どう思ったかをお聞かせいただけると助かります」
彼の質問に対し、僕はいつも通りで怖くはなかったと伝えた。彼はありがとうございます、といってキーボードを打鍵していた。自分はお茶を飲んだ。
「それでは次の質問です。インタビューを依頼した日から今日までに時空のおっさんには遭遇されましたか?」
前述したように、僕は2回遭遇した。僕はその体験談を詳しく話すことにした。
「まず1回目は大学の教養科目の授業が終わった日でした。授業が終わって帰ろうと思ったときに、周りから急に人がいなくなりました。またいつも通りのパターンかと思っていると、いつも通り時空のおっさんが近づいてきて、『もう大丈夫だよ』といわれて、次の瞬間に世界が元通りになっていました。そのとき周りに友達がいたのですが、一瞬上の空だったけど大丈夫?って感じで声かけてくれました」
彼はありがとうございます、少しお待ちくださいといってタイピングを開始した。かなり高速で文字を入力している。
「大丈夫でしょうか?」
彼のタイピングが終わったところを見て僕は話を続けた。
「2回目は授業が終わったあと友達と食事に行って、帰り道夜になっているタイミングでした。携帯を見てみると圏外になっており、自分はその時点で異変に気がつきました。圏外であるにも関わらず電話がかかってきました。表示名はNot Avaliableでした。電話に出るとそっちじゃないと言われ、直後に圏外が回復してしました。電話は掛け直すことができますが掛け直しませんでした」
本田さんは真剣な表情で自分の話を聞いてくれた。




