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2-11 違う道をゆく

「さっきも会ったんだっけ」


 彼女は聞いた。僕はカフェで作業中に話しかけられたと伝えた。


「怖いね」


 彼女はそういった。個人的にもかなり怖かった。もう直ぐ時間だと言っていたが、それがどういうことなのかもわからない。


 僕はそんなことを考えながら凪という名前について調べた。2002年生まれの男子の名前で凪は383位で159人、女子は617位で123人いるらしい。個人的には凪という名前が男子の方が多いことが意外だった。


「男女で足したら1000位じゃん」


 レイはそう言った。全くもってその数字を足す意味はないが、数字だけで言えば確かにその通りだ。なぜそのようなことに直ぐに気づけるのか不思議だ。


「同姓同名なのかなぁ」


 僕はそう言った。彼女はそれ以外なくない?と言っていたが、学籍番号が同じなのは流石に理解不能だ。彼女にそう伝えてみたが、見間違えじゃない?と言われた。納得はいかないがそうだと思うしかない。仮にそうだとしても同じ大学に同姓同名の異性がいるのは驚きだ。


 レイと過ごした日々はずっと覚えている。受験に落ちたときに僕が焼肉に連れて行って喜んでくれたこと。レイが1浪して合格したとき、僕をラーメン屋さんに連れていってくれたこと。付き合ってから2年経つが、いまだにそれらの出来事は覚えている。今後も忘れることはないだろう。


 僕は彼女がアイドルとして活動している姿を想像して泣きそうになってしまった。僕は彼女の目を見つめた。彼女はありがとうと言ってくれた。


 今日はお金は全部彼女が持ってくれるらしい。自分からも自分の分を払おうとしたが止められた。自分は彼女に今までありがとうと伝えた。


 最後なので色々話そう。自分はそう思いながら彼女に話しかけた。アイドル活動後どのようになりたいと思っているか、卒業後はどうしたいのか。自分は彼女に色々聞いてみた。


「10年後も芸能界に身を置いているのかはわからないな」


 彼女はそういった。どちらかというと幼い頃の夢を諦めたくないとのことだった。結果としてどうなってもいいが、少なくとも今のまま何もしないまま諦めるという選択が勿体無いように感じたようだった。


「なるほどね」


 自分は彼女の話を疑わずに聞いていた。そんな話をしていると注文していたサラダが届く。彼女はサラダ全体にドレッシングをかけてくれた。


「急にこんな話してごめんね」


 彼女はそういった。僕は気にすることはないと伝えた。もし彼女がその道を進むのであれば、自分はそれを応援するまでだ。

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